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- 2011_ヨーロッパの日本人_・・香川真司・・(2011年11月6日、日曜日)
- よかったネ〜、香川真司。やっと本来のプレースタイルが、『実効と結果をともない』はじめた。
何か、不調だ不調だと言われた時期があったよね。たしかに、ちょっと自信レベルが減退したことで、以前のような、確信あふれるリスクチャレンジ姿勢に陰りが見えた時期もあったっけ。
基本的には自分主体に(要は自由に)プレーせざるを得ないサッカーは、究極の「心理ゲーム」だからね。もし少しでも、ほんの少しでも、石橋を叩いて渡る・・なんていう後ろ向きの心理で、リスクチャレンジ姿勢がダウンしたら、確実にスランプに陥ってしまう。
まあ、ケガによる物理的&心理・精神的なブランク「も」大きかったわけだけれど、それにも増して、ドルトムント監督ユルゲン・クロップも含め、カガワはまだ本調子じゃない・・不調だ・・ゴール感覚が減退した・・などなどといった論調に、『本人が悩みすぎていた』ことが大きかった・・と思う。
究極の心理ゲームというテーマについては、本場のエキスパート連中とも、何度もディスカッションを重ねたっけ。
・・良いサッカー(プレー)は、限りなく「リスクを負いつづける積極的なマインド」のなかに、ほんのちょっとした「冷静マインド」をミックスすることで生まれる・・それこそが、「美しさと勝負強さの優れたバランス」という表現に内包された本質的な(心理!?)メカニズム・・なんてネ・・
あっと・・悩みすぎていた、ちょっとナイーブな(!?)香川真司。
やっぱり彼には、チーム戦術的にも、「限りない自由」を与えなければいけないと思いますよ。
彼の「悩み」というか、実際には「恐怖の連鎖という心理メカニズム」だったと思うけれど、それが解消されはじめた(ネガティブな心理連鎖から解放されはじめた)のは、日本代表も含めて、限りない自由を与えられる、2列目(センター)というポジションを、攻守にわたって、本当の意味で主体的に「楽しめる」ようになったことが大きいと思う。そう・・あくまでも主体的に・・ネ・・
要は、攻守の目的(シュートとボール奪取)を達成するために「やるべきこと」を、自分主体に、勇気をもって積極的に繰り出せるようになったということです。
守備では、素早く効果的な「攻守の切り替え」からブチかましていく最前線からの全力チェイス&チェックや、相手のボールの動きが止まり気味になった瞬間を狙った協力プレス(ボール奪取のサポート)等に代表される汗かきディフェンスプレー。
攻撃では、スペースを攻略する仕掛けコンビネーションの「スイッチ」になるパスレシーブのフリーランニングを基盤にした、自分がコアになったコンビネーションのスタートや、その加速機能の充実。難しい表現ですかネ。
要は、自分から(より積極的に!)タテパスを要求する動きが活性化したということです。タテパスを受ける状況は、常に、相手とのギリギリの競り合いシーンだからね。それは典型的なリスクチャレンジプレーだし、それがあるからこそ自信と確信もより充実していった。
昨日のヴォルフスブルク戦で(香川が)アシストした先制ゴールも、香川真司の、そんな「タテパスを要求するフリーランニング」がキッカケになった。
ズバッという勢いのフリーランニングでタテパスを要求する香川真司。その動きで、相手マーカーを引きつけ、その背後にスペースを作り出した。そして、足許へ送り込まれたタテパスを、チョンッ!と、自分が作り出したスペースへフリーへ、別なゾーンからフリーで走り抜けたゲッツェへダイレクトパスを回した。
とにかく、香川真司の攻守にわたるプレーに、やっと本来のダイナミズム(動きの量と力強さ≒強烈な意志!)が感じられるようになってきた。だからこそ、ゴールやアシストという結果も、正当な報酬として積み重ねられるようになった。
まあ・・良かった、良かった・・というか、これからの楽しみが増えた。
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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