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2011_U22代表・・相手にペースを奪われた15分間と、その後のペースアップ・・そのギャップは何だったんだろう?・・(日本vsオーストラリア, 3-1)・・(2011年6月1日、水曜日)

日本代表vsペルー戦と同様に、この試合でも、後半に(いや・・実は前半のうちから徐々に!?)日本のサッカーがペースアップしていきました。

 わたし・・ちょっと、アルコールを入れてしまったので、とにかく、ショート&ショートでまとめようと必死です。アルコールが入ると、まったく思考停止に陥ることがよくあるんですよ。フ〜〜・・

 ということで、試合・・

 立ち上がりの15分間は、本当にどうなることかと思った。日本代表の守備のことです。とにかくチェイス&チェックはいい加減だし、相手のワンツーコンビネーションに対し、タテ方向にマークを受け渡そうとしたりして・・。そんなの、世界の超一流ディフェンダーだって出来ネ〜よ。

 思わず、「そこはマークに付いて行かなきゃダメだろ〜〜・・アッ、バカヤロ〜〜っ!・・何を振り回されてやがんだ〜〜っ!!」ってな汚い言葉が口をついたりして・・あははっ・・

 そんなジリ貧の展開のなか、オーストラリアに見事なカウンターゴールまで叩き込まれてしまった。でもネ、そのことで、徐々に目が覚めていったということなんですよ。そして、チームのなかで(グラウンド上で)さまざまなディスカッションが交わされるようになった・・と感じた。選手たちの立ち居振る舞いを観察するなかで、互いにプレーを修正している雰囲気がスタンドまで伝わってきたのです。

 だから関塚隆監督に、こんなニュアンスの質問を投げかけた。「選手たちは、自分たちでも修正し合っていたと思うんですよ・・それでサッカーが徐々に良くなっていった・・もちろん後半は、格段にペースアップしたわけだから、ハーフタイムでの関塚監督のゲキや具体的な指示が功を奏した面もあったんだろうけれど、それでもわたしは、選手たちの自主性も、そのペースアップの重要なバックボーンにあったと思うんです・・選手たちが、主体的に考え、勇気をもって積極的に闘うように(心理)マネージすることは、監督のもっとも大事な仕事じゃないですか・・だから、その現象も、関塚監督の成果の一環だと・・」

 それに対して関塚監督は、「まあ・・そういう見方が出来ないワケじゃありませんが〜・・」などと言葉を濁していたけれど、私は、自分の見方には自信があるわけです。関塚隆監督のフロンターレ時代の仕事内容もよく知っているしネ。ちょっと持ち上げ過ぎだった!? それでも私は、希望的観測も含めて(!?)、選手自身の主体的な考えと実際のプレー「こそ」が、サッカーをレベルアップさせるための絶対的ベースだと思っているわけだからね。「それ」を心理&戦術モティベートすることこそが監督の第一義的なタスクなのです。

 それにしても、U22代表の若武者たちが魅せた「大幅なペースアップ」は尋常じゃなかったネ。そして、その絶対的バックボーンが「守備にあり!」だったというわけです。

 ボール奪取プロセスの、優れた量と質・・。守備では組織的な連係(協力コンビネーション)が必要だし、だから、有機的なイメージシンクロプレーとも言えるのです。とにかく、若武者たちのペースアップについては、相手からボールを奪いかえす(守備の)プロセス内容を「改善させたこと」こそが、全てだったと思うわけです。

 忠実なチェイス&チェック・・そのアクションに合わせた、次の勝負所のイメージ描写と、忠実なディフェンスプレー・・そして勇気をもった「ここぞっ!」のボール奪取アタック・・もちろん、マークする相手にパスが来なくても、忠実な「汗かきマーキング」は激しく回りつづけている・・。フムフム・・

 そんな、忠実なボール奪取プロセス(忠実な汗かきハードワーク)こそが、次の、優れた組織コンビネーションの(イメージ的な)絶対ベースになるのです。守備での、考えつづけるイメージ描写とハードワーク、そして実際にボールを奪いかえすという成功体感。それこそが、次の攻撃での「クリエイティブなムダ走り」を助長する・・そんなボールがないところでのダイナミックな動くこそが大いなるモティベーションになる・・そして人とボールの動きの量と質が、加速度的にアップしていく。

 それにしても永井謙佑。スピードだけじゃなく、スキルも十分に備えている。何よりも、前線からの汗かきディフェンスが素晴らしい。もちろん、フル代表の岡崎慎司のレベルまでには、まだまだ課題が山積みだけれど・・。まあでも、「それ」があるからこそ、チームメイトに信頼される・・だからこそ、積極的にボールが送り込まれる・・だからこそ、永井謙佑も、脇目も振らずに勝負のフリーランニングを(クリエイティブなムダ走り)繰り返せる・・。そう・・マインド(意志)の善循環。良いね・・

 前述した最初の「15分間」とのギャップが、あまりにも大きかったから、その後の「悦楽」もまた、レベルを超えた大きさに膨(ふく)らんでいった。

 この試合も、ビデオを見返しながら、再度のテーマ探索に取り組みますよ。

 とにかく新潟まで足を伸ばしてよかった。とても深い示唆と変化に富んだ両ゲームだったから、ゲーム後の苦難も(日本対ペルー戦コラムを参照してネ)、すぐに忘却の彼方っちゅうことになった・・なんていう強がりを、アルコール(缶入りハイボール)を飲みながら、パタパタとキーボードに打ち込んでいる筆者なのだ〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 




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