トピックス


2011_女子WM_22・・またまた友人たちとの会話(一度寝てから書き加えました!)・・(2011年7月19日、火曜日)

「日本の女子チームは、最後の最後まで決して諦めずに全力で闘い抜いた・・そのことが、ドイツ全土に感動を呼んでいるんだよ・・もちろんその背景には、内容ではアメリカが凌駕していたということもあるよな・・そしてアメリカが順当に先制ゴールや勝ち越しゴールを入れた・・それでも、決して諦めず、何かを信じて闘い抜いた・・そして最後の最後に勝利を手にした・・ホント、素晴らしい」

 またまた友人たちとの会話。筆者、友人A、友人B。

 冒頭の発言は友人Aだったけれど、それに対して友人Bが、エンスージアスティックに言葉をつないでいく。

 「日本チームは、本当に、最後の最後まで諦めず、規律ある組織プレーを魅せた・・たしかに、アメリカの攻勢に大ピンチの連続だったけれど、ゴールに入れなきゃ、ただの惜しいチャンスに過ぎないさ・・とにかく、誰が見ても、身体が一回り大きく、それに、足だって目で見て分かるくらい速さに差があった・・にかかわらず、日本の女子選手たちは、必死に、ホントに必死に食らいついていったよな・・何人かは、汗かきプレーの勢いに欠けることもあったけれど、例えば9番(川澄奈穂美)のチェイスの全力スプリントには、マジで感動したぜ・・」

 筆者:「ゴールを決めなきゃ単なる惜しいチャンスに過ぎないっちゅう言葉は、奥深いね・・ドイツサッカーの長い歴史を感じるよ・・とにかく、全体的な内容はアメリカのモノだったとは思うけれど、勝負という視点じゃ、日本女子の心理的な粘りが、最後の最後に実を結んだということだよな・・ところで、この心理・精神的な粘りだけれど、それは強烈な意志とも言い換えられるだろ・・そんな強い意志のバックボーンは何なのだろう・・日本の生活文化に、そのルーツがあるんだろうか・・自問しても、やっぱり個人的なバックボーンっていうイメージしか頭に浮かばない・・」

 一気に話し、一度深呼吸してから筆者がつづけます。「聞くところによると、グラウンド上では、選手同士で、あきらめるな〜っ!っていう声を掛け合っていたらしい・・もちろん澤穂希がその中心にいたのだろうけれど、とにかく、彼女たちの心理・精神的なエネルギーのすさまじさには舌を巻いたよ・・」

 いまは現地の火曜日の朝2時頃(月曜日の夜中)。いろいろと動き回っていたから、結局夜中になってしまった。今回のテーマは、ナデシコの強烈な意志。彼女たちの粘りの精神力です。それって、彼女たちの恵まれない日常にルーツがあるのだろうか? 実は、よく分からない。個人的なバックボーンだから、一般論では語れないのだろうか? よく分からない・・

 とても眠い・・。今日は、ポリフェノール(赤ワイン)がかなり入っているから、このまま、例によって「エイヤッ!」でアップし、明日起きてから考えよう。スミマセン・・

------------------

 ということで、今日(上記コラムをアップした翌日)は爽快な朝を迎えることが出来ました。いまコーヒーを飲みながら、昨夜、酔っぱらいながら書いた文章を、冷や汗をかきながら読み返したところです(ちょっと修正した・・あははっ)。

 そして考えた。そういえば、アイツら、こんなことも言っていたっけ・・なんて、友人たちが語っていたハナシを思い出した・・

 友人A:「なんかサ、新聞のストーリーによると、試合前に監督が、今回の大震災に関連する映像を編集したビデオを見せたらしいじゃないか・・記憶は薄れていくから、今でも厳しい環境に置かれている人々のことを、もう一度しっかりと思い出させるために・・そのとき監督は、厳しい闘いになるだろうし、相手に押し込まれてしまうこともあるだろうが、そんな状況で、めげそうになったら、とにかく、震災の被災者の人たちのことを思い出して欲しいとも言ったと聞くぜ・・それは素晴らしいイメージトレーニングだったと思うよ・・」

 友人B:「そうそう・・それもあるし、相手がアメリカということもあるんじゃないか?・・これまで一度も勝ったことがないアメリカ・・だから、内容で押し込まれても、絶対に諦めずに最後まで闘い抜くっちゅう意志を高揚させたんじゃないかと思うよ・・」

 友人A:「そうそう、オレはテレビ観戦だったから、そのシーンが印象に残ったんだけれど、選手が入場してくるとき、その入場するコースの中央に置かれている(女子WMのために造られた)ワールドカップを、アメリカ選手は、コレはもう私たちのモノよ!ってな感じで触っていたんだよ・・それに対して日本の女子選手たちは、うつむき加減で入場するだけで、カップに触ろうともしなかったんだ・・もちろん日本の女子選手たちは、アメリカ選手の高慢な態度を肌で感じていただろうし、闘争心にも火がついたに違いないと思うんだ・・」

 筆者:「なるほど、なるほど・・選手入場の時に、そんなコトがあったんだ・・それに加えて、日本選手たちの厳しい日常もあるよな・・全体的な収入がとても低いというだけじゃなく、今回の震災でクラブが活動休止に追い込まれ、プレーするチーム自体を失った選手もいるし、そのことで移籍せざるをなくなった選手もいた・・震災のビデオ、高慢な過信をみせるアメリカ選手への闘争心の燃え上がり、彼女たちの厳しい日常・・たぶんそれに、個人的なバックボーンも大きく関わってくるんだろうな・・それは推し量りようがないけれど、そんな心理的な要素を、佐々木則夫監督が、うまくマネージし、モティベーションを最高レベルまで高揚させたっちゅうことなんだろうな・・まだまだ他にも要因はあるとは思うけれど・・」

 今日のコラムは、このテーマだけで完結させましょう。ということで、ここまででアップします。

 明日からは、ナデシコの大会を通じた成長・・ボールを動かすサッカーの意味合い・・アメリカもポゼッションをイメージしていた・・チャンスの量と質では、アメリカが凌駕していた・・などといった戦術的テーマにハナシを発展させようかな。もちろん、サッカーコーチ国際会議がはじまったら、そりゃハナシが大きく盛り上がるだろうけれどネ。

 ではまた・・

===============

 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

==============

 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 




[ トップページ ] [ Jワンポイント ] [湯浅健二です。 ]
[ Jデータベース ] [トピックス(New)] [ 海外情報 ]