トピックス
- 2011_女子WM_27・・番外編_3・・さて、サッカーコーチ国際会議がはじまった・・そして、ナデシコへの誇り・・(2011年7月25日、月曜日)
- さて、ドイツ(プロ)サッカーコーチ連盟が主催する、サッカーコーチ国際会議がはじまりました。
この組織は、ドイツでは数少ない、サッカー協会も含む、どんな大組織にも属さない「独立した単独組織」です。要は、会員(スペシャルライセンスとAライセンス所有者)の会費だけで運営されているということだけれど(もちろん、ドイツ文科省からの補助金は十分にあるよ・・)、昨年は南アワールドカップで出席できなかった筆者だから、昨日の受付で、会費として250ユーロも取られた。あははっ・・フ〜〜・・
会場は、女子ワールドカップ、日本代表のニュージーランドとの初戦が行われたボーフム・スタジアムに隣接する国際会議場の大ホールです。もちろん実技のデモもあるけれど、それはボーフム・スタジアムを使って行われます。
この会議、VfLボーフムや地域行政も、全面的にバックアップしていますよ。そりゃ、そうだ。アンドレアス・メラーや、元韓国代表監督のチャ・ボンクンなど、以前のスーパースターも、コーチとなって多く参加する、とても注目度の高いイベントだからネ。参加しているのは、世界中のサッカー現場で活動する猛者連中が1200人くらいかな(とはいっても大多数はドイツ人)。
もちろん、ドイツサッカー協会に属さないとはいっても、長年のパートナーであるアディダス同様、協会とも、とても緊密な関係にある。だから講師も、ドイツ協会と契約するインストラクター(プロコーチ)が多い。その他にも、最先端のスポーツ企業の研究者とか、大学の教授とか、多士済々。会議の内容が充実するのも道理なのです。
そして開会式。ドイツ(プロ)サッカーコーチ連盟の会長、ホルスト・ツィングラーフ(写真)が、開会を宣言し、祝辞を述べます。その冒頭で、女子ワールドカップで優勝した日本の女子代表について、エキサイティングに編集された日本女子代表チームの「チャンピオンへの軌跡」が大スクリーンに映し出されるなか、深みのある表現で賞賛してくれた。
・・日本の女子チームは、サッカーの本質ともいえる素晴らしい組織サッカーで、優勝を勝ち取った・・彼女たちは、フィジカル的なディスアドバンテージを、素晴らしいテクニックや規律あるプレー姿勢、そして何といっても、強烈な意志に支えられたクレバーなチーム戦術を徹底することで完璧に補った・・彼女たちは、サッカーの本質的な価値と魅力、そして将来あるべき方向性を、世界中にデモンストレートしたのだ・・
・・ここに、我々の仲間のケンジが参加してくれている・・彼は、今回の女子ワールドカップを15試合観戦し、日本へレポートした・・たぶん彼は、我々からの「心からのオメデトウの気持ち」を、日本に伝えてくれるに違いない・・
わたしも、ホルスト・ツィングラーフの言葉に応えて立ち上がらざるを得ませんでした。とても誇らしい気持ち。ナデシコの皆さんには、改めて、本当に心から感謝します。貴女方は、日本のアイデンティティー(誇り)です。
その後の、地域サッカー協会会長や市長、知事などの挨拶でも、繰り返し、ナデシコの素晴らしい活躍が賞賛された。こんなに誇らしい気持ちをもらったナデシコの皆さんに対する感謝の念が、その都度わき上がってきたモノです。
国際会議だけれど、今年の最初のテーマは、攻守の切り替え。
要は、カウンターやショートカウンターの仕掛けイメージと、それに対する守備イメージの(イメージトレーニングの)理論的バックボーンと、実際のトレーニング方法が紹介されるというわけです。
チェイス&チェックと、それにシンクロする協力プレスやインターセプト・・ボールを奪いかえした次の瞬間からはじまる爆発カウンターに対するイメージ描写力(直前のタイミングで完璧なカウンターイメージを描写していなければ遅すぎる!)と、実行力・・もちろん、相手ゴールへ向かう直線的な超速ドリブルや、これまた直線的な(深い)タテパス、ボールがないところでの動きの質などなど、とても実践的で微妙なテーマが取り扱われる。
それに対する守備イメージ。
単に、ゴールへ向かって意味なく戻るのではなく、瞬間的な攻守の切り替えから、状況を把握して(前から)組織を立て直しながら、相手ボールホルダーとパスレシーバーの意図を読んで効果的に対応する・・といったテーマが、考えなくてもアクションを起こせるようになるまでのオートマティゼーション理論といった深いところまでディスカッションされる。
以前よりは、格段に「実践的」なディスカッションが繰り広げられ、実技のデモンストレーションでも、ノウハウが詰め込まれた効果的トレーニングが紹介される。良いネ・・
今日は、こんなところ。とにかく、ナデシコのお陰で、筆者が、とても誇らしく国際会議に参加できていることを報告したく、第一報をアップする次第でした。
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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