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- 2011_女子WM_4・・まず雑感から・・そして試合・・歓喜エネルギーが爆発した!・・日本対ニュージーランド(2:1)・・(2011年6月27日、月曜日)
- 「オイッ!!・・フザケンナよ〜っ!!」
急ブレーキを踏みながら、思わず声が出た。こちらの走行速度は200キロ超。その目の前に、右側車線から遅いクルマが急に車線変更してきたのですよ(たぶん速度差は80キロ以上!)。
そのクルマ。何事もなかったように、悠然と(急ぐでもなく・・ホントに悠然と・・)自分の前にいた遅いトラックを追い抜き、そして、これまた悠然と右側の走行車線へ戻っていった。
そんなプロセスを呆然と見ていた私。そのクルマを追い抜きながら、チラリと視線を馳せた。そして、またまた声が出そうになった。「思った通りだ〜っ!」
そう、おじいさん。それも、かなりのご高齢。こちらに目を向けるでもなく、ハンドルから10センチくらいの位置で、両腕でしっかりとハンドルを握りしめ微動だにしない。フ〜〜・・
そんな、心臓に悪いショッキングハプニングだけじゃなく、朝の大渋滞にも巻き込まれた。それも二度、三度と。日本の試合は、ベルリンから500キロ以上も離れたボーフムで、1500時のキックオフだからね。お昼までには到着したいと、朝イチで出掛けたわけなのです。
そんな、こんなで、ゲーム前に、宿泊予定の友人宅に寄っていこうという腹づもりまでもすっかり狂ってしまった。荷物を降ろし、シャワーを浴びる・・といったリフレッシュメントは、とても大事なんだよな〜〜。でもまあ・・仕方ない。
ということで、ボーフム・スタジアムのプレスセンターに入ったときには、既に1230時をまわっていた。キックオフの2時間半前だね。
こうなったら、もうジタバタしても仕方ない・・と、試合前のイメージトレーニングに入った次第。
とはいっても、腹が減っては戦はできない。ということで、プレスセンターに常設されている「タダメシ」をいただくことにした次第。今日は、カレー・ヴルスト。要は、カレー風のソースのなかに、ブツ切りにして茹で上げた太めのソーセージが入っているというシンプルな料理。そして、もちろん「ブロッチェン」とデザートのケーキ。フムフム・・
なんか、試合前の雑感としては、あまりにも内容がなさ過ぎるとは思うけれど、このところの恒例で、とにかく「エイヤッ!」でアップすることにしました。
さて、そろそろゲームがはじまる。気温は、グラウンド上では、たぶん35度くらいまで上がっているはず。自然環境は、明らかに日本にとって有利なんだけれどネ・・。とにかく、とことんサッカーを愉しみますよ。
ガンバレ〜〜・・なでしこ〜〜・・!!
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ということで、ここからはマッチコラム・・というか歓喜エネルギーの爆発!!・・
「ヨ〜シッッッ!!!!」
タイムアップのホイッスルを聞いたとき、そんな雄叫びが、ガッツポーズとともに出た。記者席。でも、恥じ入るコトなんて全くなかったね。知り合いになった、隣に座るドイツ人ジャーナリストとも、ガッチリ握手を交わした。彼は、ケルン体育大学での私の後輩。そのこともあって、彼も(ジャーナリストにあるまじき態度で!?)情緒的に日本を応援してくれた。あははっ・・
とにかく、こんなに「エモーショナル」にサッカーを観戦したのは、本当に久しぶりだった。そして思った。
・・これだよ〜!・・この感情移入(参加意識バチバチの入れ込み!)だよ・・そこにこそ、本当の意味でサッカーを楽しむためのルーツ(根源的なモティベーション)がある・・とにかく私は、是が非でも、彼女たちに勝ってもらいたかった・・だから、戦術的な観察や分析なんて二の次に、局面での(最終勝負局面での)攻守にわたるせめぎ合いに集中していた・・とにかく、ピンチでは手に汗握り、チャンスでは拳にチカラが入った・・あははっ・・
とはいってもサ、やっぱり試合の(戦術的)ポイントはピックアップしなければいけない。ということで、まず、暑さという重要なファクターから入っていこう。
「暑さ対策だって??・・考えても見ろよ・・オレ達は、13日にスイスでの合宿に入ったんだ・・そのときの平均気温は22度だぜ・・そして三日前に、ここボーフムにはいったときは雨ばかりで、スイスよりももっと寒かった・・それが、試合当日になって10度以上も気温がアップしてしまったんだぜ・・」
ニュージーランドのジョン・ハードマン監督が、そんな内容のコメントをしていた。たしかに、こんな猛暑のなかで闘うサッカーでは、日本に一日以上の長があるよね。それでも・・
結局ニュージーランドは、足がつりながら、最後の最後までしっかりと走り、闘いつづけた。その精神力は、本当に尊敬に値する。
逆に日本は、そんなニュージーランドに対し、攻めあぐねる時間帯がつづいた。個の勝負では、相手を凌駕できない。やはり彼女たちは、組織コンビネーションを前面に押し出さなければならないのですよ。それでも、時間を追うごとに、(暑さのせいで!?)ボールがないところでの動きの量と質が目に見えて落ちていった。そして、局面でのぶつかり合いが目立つゲームになっていった。
「日本は、コレクティブな(組織プレー的な)クオリティーでは、トーナメント参加チームのなかでも群を抜いている・・もちろんテクニックもトップクラスだ・・そんな日本を最後の最後まで苦しめられたことは、とても大きな成果だし、我々の自信リソースになる・・」
前出のジョン・ハードマン監督。
「グッド・ガイ」を絵に描いたような爽やかな若者でした。そして、チーム戦術的なコンテンツを、驚くほど簡潔に表現してしまうのですよ。彼の優れたインテリジェンスこそが、ニュージーランド代表チーム発展のバックボーンだったに違いない・・。
そう・・誰もが、日本女子代表が魅せつづける、攻守にわたる組織サッカーに対して、大いなるレスペクトをもっている・・だからこそ、彼女たちを「手本」に、組織サッカー的なクオリティーをアップさせようとする。
それは、それで誇らしいことではあるけれど、それでも、「あの」ドイツやアメリカ、ブラジルやイングランドといった女傑連中が、組織プレー的なニュアンスでもチカラをつけてきたら・・日本は・・
実は、私は、ニュージーランドの粘りの守備プレーと、コンビネーションの量と質が目に見えて落ちていった日本チームの仕掛け内容を観ながら、とても心配になっていたのです。そう・・このまま引き分けてしまうのではないか・・
そのことは、途中交代で出場した岩渕真奈が、時折ブチかましたドリブル突破やコンビネーションでチャンスの雰囲気が出てきそうになっても、変わらなかった。何せ、相手のウラの決定的スペースを突いていけていなかったんだからね。
日本チームは、相手の眼前から、強引なドリブルやコンビネーションで相手守備ブロックを突き崩していく「まで」のチカラはないのですよ。
そんなネガティブな膠着(こうちゃく)状況を打ち破ったのが、岩渕真奈の、勇気をもったドリブル突破チャレンジでした。そして、宮間のスーパーフリーキック。その素晴らしい勝ち越しゴールが決まったとき、バンザイまでしてしまった〜〜・・あははっ・・
宮間のフリーキックだけれど、「入る雰囲気」が、男性の何倍も高いのは、何といっても、宮間のキックの正確性と、女性GKの守備範囲の狭さと、動作の遅さです。同じトコロに飛んだボールでも、男子では軽くキャッチされてしまうのに対し、女性では届かない・・フムフム・・
ということで、先ほどからはじまったイングランド対メキシコ戦もテレビ観戦したいから、これで締めようと思いますが、とにかく、この試合のMVPに選ばれた宮間だけじゃなく、彼女の「受賞会見」の後に登場した佐々木則夫監督も、異口同音に言っていたように、この開幕ゲームに勝った意義は、本当に大きい。
それほど開幕マッチは大事なのです。それをキッチリと勝ち切ったことの「価値」は、それはもう筆舌に尽くしがたい。この締めを書きながら、もう一度、キーボードに向かってガッツポーズを突き出していた筆者なのでした〜〜。あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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