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2012_ヨーロッパの日本人_香川真司のスーパーゴール!・・(2012年2月12日、日曜日)

ブンデスリーガ第21節のレーヴァークーゼン戦で決勝ゴールを挙げた香川真司。

 例によって、攻守にわたる(創造的な!?)ハードワークを絶対的バックボーンに、勝負所では、持ち前の天賦の才を光り輝かせるなど、存在感を発揮した。

 攻守にわたる、創造的な(クリエイティブな)ハードワーク。

 例えば守備では、相手ボールホルダーをクレバーにチェイスしながら、周りのチームメイトが「次」でボールを奪い返しやすいように適度なプレッシングを仕掛けたりする・・等など。

 例えば攻撃では、前後左右に動きつづけながらスペースでパスを受けることで相手守備ブロックから少なくとも一人は「ひきはがし」、そして自らドリブルで突っ掛けていったり(このエゴ勝負の姿勢がいい・・)、周りを使ったコンビネーションをブチかましたりする・・等など。

 そして、そんなハードワーク姿勢が、報われるのですよ。前半45分のことでした。

 「4X4」の強烈なブロック守備で、ドルトムントに攻撃の機会さえ与えないレーヴァークーゼン。彼らは、数日後にホームで行われる、ヨーロッパ・チャンピオンズリーグでのバルセロナ戦も意識していたのかもしれないね。

 素晴らしいポジショニングバランスから、(勝負所では)効果的なマンマークへスムーズに移行する忠実な組織ディフェンス。強者揃いのレーヴァークーゼン守備だからね、ドルトムントが、スペースを突いていけないのも道理・・ってな印象だった。

 ところでバルセロナ。彼らのパス回しに対して、ボールを追い掛けたら、完璧に「振り回されて」しまう。バルサに対しては、常に、次、その次のパスレシーバーを明確にイメージしてボール奪取イメージを描写しなければならないのですよ。

 忠実にマークはする(素早く間合いは詰める!)。でも決して安易にアタックを仕掛けることなく、常に、次、その次のパスレシーバーをイメージしてボール奪取勝負を仕掛けていかなければならない・・ということです。

 そんなボール奪取イメージが、とても素晴らしく機能するレーヴァークーゼン守備。ドルトムントがチャンスを作り出せそうになるのは、セットプレーや、放り込み気味のクロスが(偶発的に!)スペースへ流れたりするような場面くらいなのです。でも・・

 そう、このゲーム唯一のゴール場面は、典型的なカウンター状況でした。

 守るだけではなく、徐々に、人数を掛けて組織的に攻め上がるシーンも増えてきていたレーヴァークーゼン。「そのとき」も、最終ラインと中盤ラインが押し上げていた(もちろんドルトムントも、全体的に下がり気味の状況にあった!)。

 そんな状況で、ボールを持って押し上げたレーヴァークーゼンのセンターバックが、ちょっと長めのタテパスを出したのです。でも、そのタテパスがミスになってしまう。そして、インターセプトしたドルトムント選手から(一人を経由して)、タテのスペースに走り上がる香川真司へ、タテパスが送り出されたという次第。

 このシーンでは、香川真司がボールにタッチする瞬間が、ドラマのハイライトだった。

 ほんの僅かに「寄せの」タイミングが遅れた相手ディフェンダー。香川のトラップアクションを「予想して」アタックに入ったけれど、そこは香川真司の天賦の才(感覚)が優っていた。

 アタックに入った相手は、香川真司が、右足でボールにタッチすると思ったに違いない。でも次の瞬間、香川真司が、ボールにタッチする足を「左」へ変えた。要は、アタックしようとした相手ディフェンダーにとっては、瞬間的に「ボールの動き」が変化したことになります。

 右足でボールに触らず(その右足を立ち足にした!!)身体のアクションだけ(フェイント)でボールの動きを変化させてしまった香川真司。これもまたフェイント&カットだけれど、ホント素晴らしい。

 香川真司に「すり抜け」られてしまったそのレーヴァークーゼンディフェンダーは、まさに茫然自失といった趣で、その場に立ちすくんでいた。

 その後は、迫り来る大柄な相手ディフェンダーを、これまた見事な「カット」で切り返し、最後は、倒れ込みながらの左足シュートで、レーヴァークーゼンのゴール左隅に「パス」を決めた。ホント、香川らしい素晴らしいゴールだった。

 その後も、チャンスメイカーとして(何度も決定的なパスを回した!)、またゴールゲッターとして、存在感を誇示しつづけた香川真司。いや、ホント、彼の今後が楽しみで仕方ありません。そう・・世界トップへのブレイクスルー・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 




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