トピックス
- 2012_ヨーロッパの日本人・・最高の「ブレイクスルー環境」を手に入れた清武弘嗣・・(2012年9月16日、日曜日)
- 「日本には、このタイプのチャンスメイカーが多いということなのかい?」
ドイツの友人(プロコーチ)に、そんなことを聞かれたっけ。
香川真司に岡崎慎司、そして今シーズンからは清武弘嗣(乾貴士や宇佐美貴史については今後に期待だね・・)。その友人は、清武弘嗣のことを中心的にイメージしていた。
今年から、ブンデスリーガ一部ニュールンベルクへ移籍した清武弘嗣。
開幕ゲームから、いきなり抜群の存在感を魅せた。そして3ゲームつづけて先発となった昨日のブンデスリーガ第3節(アウェーでのメンヘングラッドバッハ戦)では、セットプレーからのアシストを2本、そして自らもブンデスリーガ初ゴールを決めた。
素晴らしいボディーバランスで、相手の激しいタックルをかわし(軽快に相手タックルを飛び越えた!)、そして最後は、アタックしてくる相手の股間を抜いたシュートをゴール左隅に決めた。それは、観ている方にとって爽快なことこの上ない瞬間だったネ。
「たしかに今は、才能に恵まれたチャンスメイカーが多く輩出されているよな。その背景には、日本じゃ、ある程度の才能に恵まれていれば、その誰もがトッ
プ下を目指すということがあるのかもしれない。まあ、あの身体のサイズで、テクニックに優れて小回りが効き、戦術の理解度という意味での優れたインテリ
ジェンスも持ちあわせ、そして何といっても、率先してハードワークにも精進するような社会性に優れたパーソナリティーの選手は、ドイツじゃ少ないよな。そ
のことが、日本のチャンスメイカーが活躍できている理由の一つじゃないのか・・」
友人の問いかけに、そんなニュアンスのことを語った。そうそう・・優れた社会性・・
それって、日本人が秘める、とても価値のある特性の一つだよね。もちろんプロサッカー選手だから、社会性に優れているだけじゃ立ちゆかない。それにプラ
スして、バランスの取れた自己主張も求められるんだよ。もちろん時には、観ている方が眉根にシワ寄せるようなエゴイストに徹するプレー姿勢だって必要にな
ることもある。
ギリギリの闘う(殴り合いの!?)雰囲気のなかでも、チームワーク的なマインド「も」決して失うことがない。例えば、文句も言わずに、味方のミスをカバーするとかね。たとえそのミスが、味方の怠惰なプレー姿勢が原因だったとしても・・!?
まあ、その場合は、後から「調整作業」が必要になってくるんだろうけれど、とにかく、日本人には、そんな様々な性質が、アタマの中でバランスの取れたカタチで共存している選手が比較的多い・・ということが言いたかった。
それって、清武弘嗣・・!?
(特に守備での!)ハードワークもいとわない強い意志とインテリジェンス、そしてリスクにも果敢にチャレンジしていく責任感と勇気。そんなプレー姿勢に共感しないチームメイトはいないでしょ。
だからこそ、彼にボールが集まるし、周りも彼のために走る。だからこそ、優れた組織プレーも積み重ねられ、そしてだからこそ、「エイヤッ!」の個人勝負プレーも、より有利なカタチでブチかましていける。そう、清武弘嗣が挙げた後半10分の決勝ゴールシーン・・
良いね。日本代表が擁する「2列目の才能」が、フットボールネーションの厳しい環境のなかで(厳しいからこそ!)本当の意味で開花しつづけている。そう、優れた組織プレーと(才能ベースの!)個人勝負プレーのハイレベルなコラボレーション。
そんな才能連中が、互いに切磋琢磨すること(フェアな競争!)こそが、日本代表と世界トップとの間に「まだ」厳然と横たわる『最後の僅差』を瓦解させていくんだよ。
というわけで、何か、ウキウキしながらコラムをアップする筆者なのでした。
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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