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2012_U22_・・よしよし、これで最後まで高い緊張感をもってチャレンジしていける・・(マレーシアvsU22日本代表、 0-4)・・(2012年2月22日、水曜日)

よかった、よかった・・

 夕方、NHKラジオにゲスト出演したのだけれど、そこでも今日のゲームが話題になった。もちろん、追い詰められた(!?)日本代表の戦い方。

 キャスターの方の、とにかく大量点の勝利を!・・という期待ニュアンスの質問に対し、私は、あくまでも勝ち点3のゲットを第一義的な目標とする戦い方が大前提になる・・そのプロセスのなかで、結果として多くのゴールを奪えればいい・・と、コメントした。その意味合いは・・

 ・・格下とはいえ、守備ブロックを強固に組織するマレーシアに対しては、(ピッチ状況も含めて!?)決して楽にチャンスを作り出せるわけではない・・

 ・・だからこそ、忠実で積極的なディフェンス(協力ボール奪取プロセス)を効果的に機能させるなかで、粘り強い攻撃を繰り返さなければならない・・そんな展開から、どんなカタチにせよ先制ゴールさえ奪えれば、おのずと追加ゴールを積み重ねていくチャンスも広がっていくはず・・

 ・・もちろん、ホームを戦う(既に予選敗退が決まっている)マレーシアだから、より積極的に攻め上がっていく(はず)というニュアンスも含めて・・

 そして日本代表は、案の定というか、マレーシアの堅牢なディフェンスブロックのウラを突いていくような(相手守備を振り回すような)チャンスを作り出せずに苦しむことになる。

 そんな前半のゲーム展開は、シリア戦のサッカー内容とイメージがダブっていた。

 ・・グラウンド状況は、思ったほど良くない(部分的に柔らかく、デコボコ)・・そのこともあって、日本代表のプレーには安全(安定)志向が見え隠れする・・リスクチャレンジへの意志がアップせず、仕掛けに人数を掛けていけないのだ・・そう、シリア戦のときと同様に・・これでは、日本代表の生命線ともいえる組織サッカーをうまく機能させられるはずがない・・

 ・・まあ、関塚隆監督も、そんなグラウンド状況をイメージしていたからこそ、個のドリブル勝負「も」期待できる原口元気と齋藤学をスターティングラインアップに加えたということか・・要は、より強く、組織サッカーに「個のテイスト」を加味するという意味合いで・・

 そんな関塚隆監督の意図は、ある程度は功を奏したと思う。とはいっても、強固なマレーシア守備ブロックを振り回す(ウラの決定的スペースを攻略する・・)ところまでいけない。まあ、何度かは、勝負ドリブル&決定的パスという「最終勝負の流れ」は作り出せたけれど・・

 それでも日本代表は、そんな「我慢のプロセス」に苦しみながらも(粘りの!?)先制ゴールを奪った。それは、完璧なカウンターのカタチ・・

 ・・マレーシアが攻め上がっている状況・・そこで、日本がクリアしたボールを、最前線から戻ってきた大迫勇也が、飛び出していく齋藤学へヘディングでつなぐ・・その横では、カウンターの流れを敏感に察知した右サイドバック酒井宏樹が、まさに脇目も振らずといった勢いで、前方に広がる(右サイドの)タテスペースへ飛び出していく・・

 ・・そして、齋藤学からのパスを受けた東慶悟が、中央ゾーンの決定的スペースへ飛び出していく原口元気へのタテパスを決めた・・それが勝負の瞬間だった・・

 ・・最後は、原口元気が「流した」横パスを、脇目も振らずに飛び出してきていた酒井宏樹が、冷静にゴールへの(ダイレクト)パスを決めた・・

 この先制ゴール(カウンター)シーンでは、ワントップの大迫勇也と、原口元気&東慶悟(あっと・・齋藤学も含めた!)縦横無尽のポジションチェンジが光り輝いた。もちろん、ゴールを決めた(次元を超える存在感をブチかまし続けた!)酒井宏樹のオーバーラップも含めて・・

 そして2点目は、セットプレーから大迫勇也がブチかましたヘディング一閃!!

 このシュート場面では、一旦ファーサイドへ「引いた」大迫勇也が、フリーキックが蹴られる直前に(要は、相手マークがボールを見た瞬間に!=消えるプレー!!)ニアサイドへ飛び出していった動きが秀逸だった。

 それは、キッカーの扇原貴宏と大迫勇也の、最終勝負(スポット)イメージがピタリと重なり合った美しいフリーキックゴールだった。

 また3点目は、酒井宏樹がブチかました、タイミングの良いドリブル突破&大きなクロスボールからだったし(ゴールゲッターは、ファーサイドから突っ込んでいった原口元気!)、4点目は、扇原貴宏のミドルシュートのこぼれ球を齋藤学が決めたゴールだった。

 ところで扇原貴宏。例によって、高みで安定した(中盤の)守備力と攻撃での展開力を魅せつづけた。それだけじゃなく、この試合ではゴールまで演出しちゃうんだから、拍手するしかない。

 あっと・・ここで言いたかったことだけれど、それは、この試合での関塚ジャパンは、彼らが志向する(!?)組織サッカーで相手守備ブロックのウラスペースを攻略するような理想的シーンは、思いのほか少なかったということですかね。

 たしかに、4-0となり、マレーシアの疲れが目立つようになってからは、人とボールが活発に動きつづけるスムーズな組織サッカーが目立つようにはなったけれど、それでも、ウラの決定的スペースを攻略するような決定的チャンスの流れは、簡単には作り出せなかった。さて〜・・

 グラウンドや自然条件、相手の能力やタイプ等などに応じ、組織サッカーのなかに個人勝負をバランスよく組み込んでいくようなハイレベルな使い分け(まあ・・チーム戦術的な志向性)は、いいと思う。

 でも・・サ、たまにゃ、ドカ〜ンっていう大きなアーリークロスに合わせて何人もの選手が相手ゴール前へ「なだれ込んで」いったり、「エイヤッ」のロングシュートをブチかましたり、はたまた、ヘディングの強い選手を投入し、そのアタマ目掛けたロビングを「続けざま」に送り込んだり・・、なんていうアバウトな攻め方だって必要なケースもあるんだぜ。

 攻撃の絶対的なコンセプトの一つは「変化」だからね。いくら次元の低いアバウトな仕掛けでも、そんな「攻撃の変化」を、基本となる組織サッカーの流れを「乱さない」程度に、たまに(もちろん意識的に!!)繰り出していけるようになったら、そりゃ、本物の勝負師チームになれるぜ。

 もちろん、「自分たちのサッカー」を貫くことで、美しさと勝負強さをハイレベルに両立させられるならば、「次元の低いアバウトな攻撃変化」なんて必要ないだろうけどサ・・、あははっ・・

 睡魔に負けちゃったかもしれない。どうも、コラムの論理フローがギクシャクしてしまったようにも感じるのですよ。でも、まあ、いいさ、このままアップしてやる〜・・

 ところで、冒頭で紹介したNHKラジオ。

 そこでは、「チマタでは、グループ首位にはゴール量産が必要だなんていうニュアンスの議論が白熱しているようですが、今日のシリアは、アウェーで曲者のバーレーンと戦わなければならないんですよ・・それはシリアにとって、とてつもなくハードな勝負マッチということになりますよね・・」なんていうコトも言ったっけ。そして実際に・・

 いまは、午前2時半ですが、やっと、その勝負マッチに決着が付いたそうな。バーレーン対シリアは、2-1でバーレーンの勝利・・

 ということで、バーレーンをホームに迎える最終戦。日本は引き分けでも一位突破が決まることになりました。

 そう・・そこには「悪魔のワナ」が待ち構えている。「・・でも・・」っていう心理的なワナ。そして・・

 ・・全体的にはゲームを支配している日本代表だけれどゴールは遠く、ハッと気の抜けた瞬間に交通事故の1点をブチ込まれ負けてしまう・・それに対し、もう一つのグループ最終戦(シリア対マレーシア戦)では、シリアが大勝を収め、逆転でグループ首位を奪い取ってしまう・・

 ちょっと、冷や汗モノの想像じゃありませんか。

 ということで、関塚ジャパンの若武者たちは、最後の最後まで最高の緊張感をもってゲームに臨めることを、素晴らしい学習機会だと心の底から(サッカーの神様に)感謝できるまでにイメージトレーニングを積み重ねましょう。そう、その勝負マッチを心から楽しめるようになるためにもネ。

 そんな成功へのプロセスは、強烈な意識と意志をもって臨めば、確実に何らかのブレイクスルー(成長)エネルギーをもたらしてくれること請け合いです。ホントだよ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 




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