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- 2012_ナビスコ・・優れたサッカーで順当な勝利を手にしたレッズ・・(フロンターレvsレッズ、 0-3)・・(2012年5月16日、水曜日)
- とても優れた組織サッカーで、内容的にも順当な勝利を収めたレッズ。
試合後の(記者会見での)ミハイロ・ペトロヴィッチが饒舌(じょうぜつ)になるのもよく分かる。ミハイロは、ホントによく喋った。でも、ここでは、彼の発言のなかで、テーマになりそうな注目ポイントだけをピックアップしよう。例えば・・
・・選手は、しっかりとポジショニングのバランスを取りつづけた・・
そう、彼らは、攻守にわたって、しっかりとポジショニングのバランスを取りつづけた。でも、その背景に内包された意味合いは・・
守備では、チェイス&チェックのポジションと、次のボール奪取を狙う(インターセプトや相手トラップの瞬間を狙う)忠実なポジショニング等など。もちろん、忠実マークやカバーリングのポジショニングも良かった。だから、それぞれの守備アクションが、有機的に連鎖(まあ・・連動)しつづけ、効果的なボール奪取につながった。
攻撃では、後方からの効果的なサポートを遂行できるポジショニングや、最終勝負を狙う(決定的スペースを狙う)ポジション取り等など、ここでも、最終勝負を仕掛けていくコンビネーションが(仕掛けイメージが!)、とても魅力的にシンクロしつづけた。
ここで言いたかったことは、攻守にわたって効果的なポジショニングバランスを取りつづけることは容易じゃないということ。それには、豊富な運動量(素早い攻守の切り替えとダイナミックな上下動など)が要求されるわけだからね。レッズの選手たちは、一人ひとりが、しっかりと考えつづけ、積極的に『ハードワークを探しつづけて』いたのですよ。
特に原口元気。彼の、積極的にハードワークを探しつづける姿勢(=強烈な意志の爆発!)は、ちょっと感動モノだったね。今日の彼は、確実に「いつもの原口」じゃなかった。元気100倍!! あっ・・と、スタミナドリンクみたいになっちゃったけれど、ホント、そんな印象だよ。
原口元気については、ミハイロも声高に誉めていた。でも、だから彼をピックアップしたんじゃないよ。とにかく私は、試合中から、「元気100倍!!」の強烈な意志(=攻守にわたって積極的にハードワークを探しつづける姿勢)に舌鼓を打ちつづけたんだよ。
あっと・・、もちろん柏木陽介が魅せつづけた、豊富な運動量を絶対的なベースにした、優れたゲーム&チャンスメイク、そしてシャドーストライカーとしての最高パフォーマンスは言うまでもない。彼については、そのプレー内容が、常に高みで安定しているから、どうも書き忘れちゃう。とにかく、柏木陽介は、このチームの絶対的な中心選手なのです。
次のミハイロのキーワード。それは・・
・・たしかにレッズは良いサッカーをやった・・ただ我々は、まだまだ「これから」なんだ・・そこには、まだ多くの課題が横たわっている・・この試合でも、走った選手にパスが回らなかったり、フリーな選手がいるにもかかわらず別なゾーンへ勝負していったりしたシーンが何度もあった・・まだまだ課題も多いんだ・・
この発言が、とても興味深かったね。要は、ボールがないところで勝負は決まる・・っちゅう、普遍的なテーマのことだよ。
皆さんも、観ていればよく分かるとおり、「あそこの決定的スペースへ走り込んだら・・」とか、「逆サイドにまったくフリーな味方がいるのに・・」などなど、そんな「タラレバ」のシーンは数限りなく起きつづけているんですよ。
まあ、バルセロナだったら、ものすごい「確率」で、そんなチャンスをモノにしちゃうんだろうけれどね。そう、ポンポンポ〜ンと軽快にボールを動かして相手ディフェンスの視線と意識を引きつけ、最後は、後方から決定的スペースへ走り抜けた3人目や4人目の選手にスルーパスを通しちゃう・・とかね。
でもまあレッズも、近いうちに、「タラレバ」を現実のモノにする確率をアップさせられるようになるに違いない。いまの彼らは、その発展ベクトル上にいるんだよ。何せ指揮官は、「タラレバ」が大嫌いなミハイロ・ペトロヴィッチだからね。
彼には、常に「見えている」。攻撃の目的であるシュート(ゴールチャンス)へつながる、隠れた仕掛けプロセスが明確に見えている。だからこそ、チームは、発展のベース(優れたプロコーチ)を手に入れたとすることが出来る。フムフム・・
最後にもう一つ。ミハイロの発言のなかに興味深いモノがあった。それは、レッズにはゲームを「落ち着かせられる選手がいない・・」というもの。さて・・
このポイントを掘り下げるアプローチをすればよかったけれど、あまりにもミハイロのハナシが長かったから、まあ、これ以上はいいか・・ということで質問を控えることにした。
・・ゲームを落ち着かせられる選手がいない!?・・フム〜・・
このテーマだけれど、ここでは、そのディスカッションを深めていくのは控えます。何せ、その言葉の意味合い自体がよく分からないからね。とにかく次の機会に・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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