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- 2012_なでしこ(アルガルベ杯)・・なでしこの根源コンセプトというテーマ・・永里優季も見直した〜!・・(ノルウェー戦とデンマーク戦)・・(2012年3月2日、金曜日)
- さて、なでしこ。
アルガルベ杯での初戦(対ノルウェー)をビデオで観戦できたのは今朝になってからでした。ということで、どうせだから夜の第二戦(対デンマーク)も観てからレポートを仕上げることにしました。アップが遅くなるけれど、ご容赦アレ。
世界の強豪、ノルウェーとの第一戦。
全体的なゲーム内容からすれば、まあ・・順当な勝利と言えるだろうね。確かに「なでしこ」のフォームはまだトップ状態にはないし、そのことで、ノルウェーがブチかましてくるパワーとスピードにちょっと苦労するシーンもあった。
とはいっても、そこは世界チャンピオン。時間の経過とともに、彼女たちの組織サッカーが光り輝いていった。もちろん、素晴らしい組織ディフェンス(コンビネーションイメージが連動しつづけるボール奪取プロセス)を、絶対的なベースにして・・
ノルウェー戦、デンマーク戦でのなでしこは、(たしかにトップフォームにはまだ遠いとはいえ・・)全体的には軽快な組織サッカーを展開したと思う。「それ」に舌鼓を打ちながら、昨年のワールドカップシーンが鮮明に脳裏に甦(よみがえ)ってきた。
・・そうそう・・「なでしこ」を分析するときのメインテーマは、やっぱり『動きのリズム』に集約されるよな〜・・もちろん素晴らしい守備(ボール奪取プロセス)は別格のテーマだけれど、それをベースにした(攻撃での)軽快なボールの動きも特筆だ〜・・
・・そんな、組織コンビネーションのイメージがチーム内で共有されているからこそ、忠実な人の動き(フリーランニング)も出てくる・・もちろんそれは、パスをもらえるという確信レベルが高いからに他ならない・・この「心理的な善循環」が興味深い・・フムフム・・
要は、ボールを動かすリズム(組織サッカーの共有イメージ)が高みで安定しているということ。彼女たちが展開する組織サッカーのレベルは、世界チャンピオンとしての自信の深化とともに、どんどん高揚しつづけている。佐々木則夫監督のウデを感じる。
とにかく、なでしこの攻守にわたる「組織サッカー」は、彼女たちの生命線なんだよ。
世界には、パワーやスピードでかなわない相手が多いからネ。だから相手とのフィジカルな接触を出来るかぎり避けられるように、素早く、広くボールを動かしつづけなければならないのさ。
究極の、組織的なスペース攻略(コンビネーション)サッカーを志向するなでしこ!? まあ・・そういうことですかね。
繰り返しになるけれど、その組織コンビネーションでは、軽快なリズムの「動き」がもっとも大事な要素になる。そのリズムを、チーム全体で明確に「共有」しているからこそ、周りのチームメイトたちも次のパスを確信できるし、積極的にスペースへの全力フリーランニングをスタートできる。
ところで、なでしこのパスだけれど、その基本は、足許へ正確につなぐことですよ。
もちろん止まっている選手の足許ではなく、少しでも動きつづけるなかで、ポンポンポ〜ンという軽快なリズムで正確な足許パスを紡(つむ)いでいくのです。そんな「軽快な動き」があるからこそ、結果として、2人目、3人目のパスレシーバーがスペースを活用できちゃう。
要は、足許パスと「スペースパス」を高度に使い分けられるからこそ、スペースで、フリーでボールを持つ(パスをフリーで受けられる)選手を、連続的に演出できちゃう・・っちゅうことです。
とはいっても、決定的スペースの攻略だけは、そう簡単にはいかない。
相手の守備ブロックだって、決定的スペース(自分たちの背後のウラスペース)を突かれないことを最重点にディフェンス・イメージを描写しているだろうからね。
だからこそ、3人目、4人目のフリーランニングが出てくること、そして「それ」を効果的に活用できることが決定的に重要な意味をもってくるのです。なでしこにしても、バルセロナにしても・・
何か、ちょっと小難しい文章に終始してしまったように感じます。
とにかく、この2試合を通して、チームの「フォーム」も格段に上向いたに違いない。やっぱり勝負マッチに優るトレーニングはないんだよ。
とにかく、アメリカとのガチンコ勝負が、いまから楽しみで仕方なくなってきた。
最後に、永里優季についても簡単に・・
彼女の「組織プレー的なイメチェン」にビックリさせられた。攻守にわたって、ホントに素晴らしい組織チームプレーを魅せつづけたのですよ。もちろん、ボールがないところでの汗かきも含めてネ。
それだけじゃなく、仕掛けプロセスで表現される、互いに「使い・使われるメカニズム」に対する深い理解と、実効ある貢献も、ものすごくインプレッシブだった。
・・(守備では)抜群の勢いが乗ったチェイス&チェック・・(攻撃でも)シンプルな展開パス&忠実な全力ムーブ・・無理なドリブルではなく、相手を引きつける「効果的なタメ」からの決定的スルーパス・・そして、チャンスを見計らった(勇気と責任感をもった)ドリブル突破チャレンジ・・などなど・・
それは、それは、素晴らしいプレーぶりだった。まさに、組織(汗かき)プレーと実効ある個人プレーの理想的な高次元バランス。脱帽です・・
これもまた、佐々木則夫監督のウデ(優れた人間操縦術!?)の成果か〜?? とにかく、レスペクト〜!
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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