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2012_五輪なでしこ・・準々決勝では、最高の粘りパワーで、立派な組織サッカーを魅せてくれるに違いない・・(なでしこ対南アフリカ、 0-0)・・(2012年7月31日、火曜日)

どうなんだろうね〜・・

 もしかしたら佐々木則夫監督は、グループ2位になること「も」暗に意識していた!? まあ、そうではなく、主力メンバーを休ませることと、(相手が実力 の落ちる南アフリカということで!?)バックアップメンバーの「フォーム・アップ」をイメージしていたとは思うけれど・・

 結局なでしこは、グループ2位ということで、準々決勝では、「強豪」のブラジルか、「地元」の強大なスピリチュアルエネルギーを一身に集めるイギリス代表ということになった。

 試合だけれど、とにかく、半径20〜30メートルというテレビのカメラワークもそうだけれど、いつもの、人とボールがスムーズに動きつづける「なでしこ 的」な組織サッカーの片鱗さえ感じられない「局面勝負のブツ切りサッカー」に、フラストレーションが溜まりつづけた。フ〜〜・・

 まあ確かに、川澄奈穂美や阪口夢穂が出てきてからは、少しは「サッカー内容」が好転する気配も感じられたけれど、でも結局は、重苦しい「局面ブツ切りサッカー」というネガティブな「流れ」を打開することは最後まで叶わなかった。

 なでしこが作り出したチャンスは数本だけ。それも、南ア守備ブロックのスペースを攻略したモノじゃなく、セットプレーやミドルシュートくらいだった。

 そりゃ、そうだ。何せ、「人」の動きが、まさに「単発」だったわけだから・・

 たった1人のフリーランニングに一発のタテパスを合わせようとする・・とかね。それじゃ、レベルの低い南アフリカの守備だって、容易に抑え込めちゃうでしょ。何せ、単なる「フィジカル」のせめぎ合いということになっちゃうわけだから。

 とにかく、スピードとパワーじゃ、なでしこは全くかなわないよね・・

 それに対して、相手とのフィジカルな接触をスマートに避けつづける「本物のなでしこ的」な組織サッカーでは、「複数の人」と「ボール」が、格段にダイナミックに、そしてスムーズに(また同時に)動きつづける。

 例えば、戦術的な「いくつかのイメージ」がスムーズに連鎖することで、相手守備のイメージを超越(凌駕)しちゃうコンビネーションとかさ。そして、3人 目、4人目のフリーランニングを、ボールに絡む味方が「しっかり」と使い切ることで、(決定的)スペースも効果的に攻略していく。

 そんな本物の組織サッカーが機能すれば、その大前提になる「人の動き」を加速させる善循環メカニズムだって活性化させられるっちゅうわけさ。

 でも今日の「なでしこ」は、人とボールの動きがスムーズに連動しない。そして局面でのブツ切り勝負を積み重ねていくっちゅう体たらく。

 また守備でも、汗かきの(組織的な)チェイス&チェックが中途半端だったことで、組織的なボール奪取プロセスも、うまく機能しなかった。

 忠実に、全力で追いかける者と、そうでない(ぬるま湯チェイスしかやらない!?)者のギャップが、チーム全体の守備エネルギーを徐々に殺いでいくんだよ。フ〜〜・・

 ・・パスを受けても、ボールをシンプルなリズムで動かせない・・そうではなく、無為にドリブルしたりキープすることで、逆に、周りの味方の足を止めちゃう・・パス&ムーブがない・・だからワンツーも機能しない・・これじゃ・・

 基本的にはパスゲームであるサッカーは、究極の「チームゲーム」でもあるわけです。

 だからこそ、まず、攻守にわたる味方同士の「イメージ的な連動性」を機能させなければならない。要は、ほとんどのチームメイトが、攻守わたって、同じイメージを脳裏に描写できていなければならないということ。でも今日のなでしこは・・

 まあ、これ以上ネガティブなことを書き連ねても、次につながる「何か」を生み出すことなんて出来るはずない。だから、この試合についてのコメントは、これで止める。

 ホント、面白いよね。一度リズムが狂いだしたら、それを好転させることは至難のワザだというサッカーのメカニズム。イレギュラーするボールを足であつかうという、不確実な要素が満載された(だからこそ究極の意志のチームゲームでもある・・)サッカーの面目躍如!?

 とにかく、これまで通りの「世界チャンピオンメンバー」が先発として揃えば・・要は、攻守にわたる組織プレーイメージが連鎖するようになれば、まったく違ったサッカーになるっちゅうことです。

 さて準々決勝。

 前述したように、相手はブラジルかイギリスになります。まあ、どちらと当たるにせよ、金メダルしか視野に入れていない「なでしこ」だから、いずれは退けなければならない相手だよね。

 とにかく、逆境になればなるほど「粘りパワー」を増幅させる彼女たちのことだから、どんな相手と当たっても、少なくとも、120%のチカラを発揮しつづけるような立派な闘いで、日本サッカーを世界にアピールしてくれることだけは確信している筆者なのです。

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

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