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2012_ヤングなでしこ_U20WM・・彼女たちの決勝の相手は、どの国になるのかな〜?・・(日本vsメキシコ、 4-1)・・(2012年8月19日、日曜日)

すごいネ〜・・強い、強いヤングなでしこ・・ホントに爽快な組織サッカーだった・・

 美しさと勝負強さをハイレベルにバランスさせるという、すべてのコーチが追い求めるサッカーの理想型。ヤングなでしこは、そんなサッカーを体現しちゃっ た!? もちろん、あくまでも「ヤングなでしこ世代」でのハナシだけれど、それでも、世界を相手にして「そんな高質サッカー」を魅せちゃうんだから、誇ら しいことこの上ないじゃありませんか。

 吉田弘監督は、ホントに良い仕事をしている。

 その吉田弘さん。古河電工でプレーしていたときは、JSLで2度の得点王に輝いただけじゃなく、日本代表としてもプレーした。当時わたしは、読売サッカークラブ、トップチームのコーチをしていたから、彼のことはよく知っている。だから、心情的にも応援しちゃう。

 そんな吉田弘さんが率いるヤングなでしこ。

 その基本的な攻撃の発想(チーム戦術コンセプト)は、フィジカルの強い相手との「物理的な接触」をできるかぎり避けるように人とボールを動かしつづける 組織サッカーでしょ。でも彼女たちの場合は、そんな組織プレーに、タイミングの良いドリブル勝負も効果的に織り交ぜちゃうんだよ。

 「組織サッカー」に「個の勝負」も効果的にミックスしていくのは、そんなに簡単なことじゃない。でもヤングなでしこの場合、組織プレーのなかに、ホントに実効あるカタチで個人勝負プレー(勝負ドリブル)もミックスしちゃうんだよ。

 そして、ここが大事なポイントなんだけれど、彼女たちの場合、勝負ドリブルがはじまっても、人の動きが止まらないんだ。だから、勝負ドリブルを仕掛ける選手にも、シュートかラスト勝負パスか・・というオプションを効果的に用意できちゃうんだよ。

 それこそが、ホンモノのコンビネーション(勝負イメージの効果的な連鎖プレー!)。ヤングなでしこの場合、組織と個がハイレベルにバランスした組織サッカーっていう表現が相応しい。良いね・・

 このチームは、2010年にトリニダード・トバゴで開催されたU17ワールドカップの準優勝メンバーを基盤にしています。そのワールドカップ決勝だけれど、たしかに(PK戦で!)韓国に敗れたとはいえ、内容では完璧にゲームを支配していたそうな。フムフム・・

 まあ、長い間一緒にやってきたチームだからこそ、組織プレーと個人勝負プレーを、これほどまでに上手くバランスさせられるっちゅうことなんだろうね。様々な意味合いを内包する、高質なイメージシンクロサッカーっちゅうわけです。

 とにかく、我らが「ヤングなでしこ」は強かった。言わずもがなだけれど、その強さの絶対的なバックボーンは守備にアリ・・だよ。

 たしかに前述した攻撃もバックボーンの大きな部分には違いないけれど、ただ「それ」にしても、相手からボールを奪い返さないことには始められないわけだからね。

 だから、積極的なチェイス&チェック(守備のハードワーク)を忠実に繰り返しながら、次、その次でのボール奪取を狙うという、積極的なイメージが連鎖し つづける(強烈な意志のハードワークに支えられた!)組織ディフェンスこそが、もっとも大事な強さのバックボーンというわけなのです。

 ところで、メンバー構成。

 後半は、先日のカナダとのトレーニングマッチと同じ構成になったわけだけれど、「この試合では!」、その方がうまく組織サッカーが回っていたね。

 前半のメキシコは、ボールがないところでのヤングなでしこの動き(パスレシーブのフリーランニング)を徹底的に潰すことで、仕掛けの組織コンビネーションをかなり効果的に抑制していた。

 メキシコの監督さんは、女子サッカーでの長いキャリアを誇る「たぬき」だからね。ヤングなでしこの「チーム戦術」を徹底的に学習し、効果的な対抗策をブチかましてきたっちゅうことでしょ。

 それに対して後半のヤングなでしこは、より活発に人とボールを動かせていた。だからこそ、より上手くスペースを攻略することでメキシコ守備ブロックを振り回すことで、(前述したように)より効果的に、組織プレーの流れのなかにドリブル勝負もミックスさせられていた。

 (組織サッカーで!)スペースを攻略するということは、ある程度フリーでボールを持つ「仕掛けの起点」を演出できていることを意味するからね。そうすれば、ドリブル勝負も、より効果的に仕掛けているっちゅうわけさ。フムフム・・

 また、後半のメンバーだと、ダブルボランチの藤田のぞみと猶本光「も」より積極的に攻撃の最終シーンに絡んでいける。

 その猶本光が、日本の2点目となるキャノンシュートをブチ込んだわけだけれど、その背景には、田中美南や横山久美、はたまた田中陽子といった最前線メンバーとダブルボランチとの「タテのポジションチェンジ」が上手く機能したことがあった。

 要は、次のディフェンスについての相互信頼が「より」高いっちゅうことなんだろうね。だからこそ、後半のメンバー構成の方が、縦横無尽のポジションチェンジが、よりスムーズに、そして効果的に機能する!? さて・・

 とにかく、日本のヤングなでしこは、強い。ホントに強い。彼女たちは、明らかに、U20ワールドカップの優勝候補だね。

 私は、外国へ行かなければならないから、彼女たちの第2戦、ニュージーランド戦「まで」しか観られない。とても残念だけれど、それでも、決勝の当日まで には帰国しているはず。そのときヤングなでしこは、どの国と世界トップの座を争うことになっているのか・・。いまから楽しみじゃありませんか。

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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