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- 2012_U23(トゥーロン)・・トルコ戦同様に、良さを消されてしまった・・(U23日本代表vsエジプト、 2-3)・・(2012年5月28日、月曜日)
- フ〜〜ッ!・・まあ仕方ない・・選手の選考やチーム戦術的な部分でも様々なトライが出来たこと・・選手たちが、「世界」で勝ち切ることの難しさを体感したこと・・それらは、次のステップへの学習機会として、とことん有効に活用していかなければならない・・
・・なんて、ちょっと硬い(形式ばった!?)書き出しになってしまった。試合をライブで観戦した後、ちょっと「めげ」てベッドに入り、今朝ビデオを見直しながら気を取り直してキーボードに向かったという体たらくの筆者なのです。
宇佐美貴史の同点ゴール(2-2)が決まったときは、ガッツポーズが出た。でも、その後は、エジプトが展開する激しく、忠実な(また想像的で創造的な)ディフェンスに、チャンスを作り出すことが出来なかった。そして逆に、セットプレーから、彼らのパワーヘッドにやられてしまった。
チカラ負けとは言わないけれど、勝ち切るための「何か」が足りなかったことも確かな事実だった。
エジプトが、アフリカのなかでは突出してモダンな組織サッカーを志向していることは周知の事実です。実際、しっかりとしたテクニックに裏打ちされた組織パスサッカーは、なかなかのモノだったし、中盤での組み立て段階では、日本ディフェンスが振り回されてしまう場面もあった。
ただ、最終勝負プロセスでは、やっぱり、組織コンビネーションというよりは、個のチカラで決定的スペースを攻略していく(そしてシュートまでいく)イメージの方が強い。だから、その最終勝負プロセスを効果的に抑えるのは難しいコトじゃなかった。
でも、セットプレーやカウンターとなるとハナシは別。エジプトは、とてもクレバーに、そしてパワフルに、自分たちの特長を活かそうとしていた。
対する日本代表。もちろん、彼らは、最後の最後まで、組織コンビネーションサッカーを志向する。ただそのなかに、齋藤学とか高木善朗、そして何といっても(1年間バイエルンでもまれたことで!?)様々な意味合いで発展した宇佐美貴史といった、実効ある個人勝負を仕掛けいける人材が、とても魅力的にミックスされている。
勝利を収めたオランダ戦での関塚ジャパンは、そんな、「組織」と「個」がハイレベルにバランスした「強いサッカー」を魅せてくれた。
あくまでも組織コンビネーションサッカーを機能させながら、チャンスとなったら(相手守備の薄い部分でボールを持ったら!)まったく後ろ髪を引かれることなく勝負ドリブルをブチかましていく。そのメリハリが素晴らしかった。ただ、このエジプト戦では・・
そう、この試合での日本オリンピック代表は、効果的な個人勝負を仕掛けいけるような「状況」すら作り出せなかったのですよ。
確かに前半の早い時間帯には、左サイドバックの酒井高徳、センターフォワードの指宿洋史、そして相手守備の間隙をぬって決定的スペースへ飛び出した高木善朗が演出した素晴らしいコンビネーションが炸裂した。
ホントに素晴らしい、目の覚めるような決定的スペースの攻略コンビネーションだったわけだけれど、残念ながら、最後の高木善朗のシュートは、飛び出してきた相手GKに弾かれてしまった。
でもその後は、効果的なコンビネーションサッカーが影を潜めてしまうのですよ。パスコンビネーションで相手ディフェンスの「スペース」を突いていければ、宇佐美貴史に代表される個の才能を光り輝かせることができるのに・・
今大会では、トルコ、そしてエジプトに対して、自分たちのサッカーを表現できなかったわけだけれど、たぶん「その現象」は、この2か国が日本をレスペクトしていることで、事前のスカウティングや守備のイメージ作りをしっかりとやってきた(そのゲーム戦術を徹底させた!)からなんだろうと思う。
それに対し、2戦目で闘ったオランダは、あくまでも「自分たちのサッカー」を貫こうとしたことで、逆に日本が、自分たちの良さを存分に表現できた。
でも、結局は「地力」が足りなかった。個の能力という要素も含む「地力」で優るオランダは、ゲーム戦術を徹底してきたエジプトとトルコを一蹴しているわけだからね。
日本の「地力ベース」は、やはり組織コンビネーションサッカーにあり・・
トルコ戦でもエジプト戦でも、その組織コンビネーションサッカーを上手く表現できなかったわけだけれど、それは、とりもなおさず、仕掛けプロセスでの「人数」が足りなかったから。要は、押し上げ(後方からのサポート体制)が十分ではなかった・・ということだと思うよ。
人数が足りなかったら、3人目、4人目が絡むコンビネーションだって、うまく機能させられない。そうなってくると、どうしても、相手ディフェンスの「眼前」で仕掛けていくしかなくなってしまう。それじゃ、スペースを突いていくのは至難のワザになっちゃう。
もちろん、それだけじゃなく、人数はいるのに、ボールがないところでのアクションの量と質がアップしていかなかったという側面もある。それでは、3人目、4人目のフリーランニングが活かされるはずがない。
フ〜〜・・まあ・・仕方ない・・
とにかく日本オリンピック代表には、今回の貴重な学習機会を、本大会へ向けて、十二分に活用して欲しいと切に願っている筆者なのです。
十二分の活用・・。言うまでもなく、そのプロセスでは、批判や自己否定(まあ・・主体的な反省!?)も含む、本音のディベートが為されなければいけない。世界の舞台で、日本サッカーの存在感を効果的にアピールするために・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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