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2014_アジア大会(その2)・・佐々木則夫に(も)乾杯!!・・(なでしこvs中国、0-0)・・(2014年9月15日、月曜日)

サスガに中国。

今年(2014年)5月にベトナムで行われた「AFC女子アジアカップ」での経験も踏まえ、しっかりと「なでしこ」の組織サッカーを「抑制するイメージ」を研ぎ澄ませてきた。

ちなみに、そのアジアカップを制したのは、皆さんもご存じの通り「なでしこ」だったのですが、初優勝に輝いたオーストラリアとの決勝については「このコラム」も参照してください。

「なでしこ」は、そのアジアカップで二度も中国と対戦したんだよね。

フィジカル的には、まさに世界レベルといえる中国だけれど、そんな猛女たち(失礼!?)が、ボールがないところで「も」あれほど忠実に、そして創造的にスペースを潰しつづけるんだから、あの「なでしこ」でも、簡単に決定的スペースを突いていけないのも道理。

中国の猛女たちは、ものすごく忠実に、ボールがないところでの守備アクションをつづけるんだ。彼女たちは足も速いから、「なでしこ」が、いくら走っても、うまくフリーになれない。

でも、何度かは、コンビネーションで決定的スペースを攻略できたシーンはあったよね。

それは、パスの受け手(フリーランナー)が、止まった状態から、相手マーカーの視線を盗んで爆発スタートを切ったとき。

「なでしこ」の課題は、そんな、「静から爆発・・」という変化ある「人の動きのリズム」に対するイメージを、より先鋭化することだろうね。彼女たちには、「それ」が出来るはず。

ということで、ほとんどの守備シーンで、「なでしこ」が仕掛ける、ウラのスペースを攻略するコンビネーションを抑え込んでしまった中国だけれど、そのように守備が強いからこそ、次の攻撃での組織サッカーでも、どんどん洗練してきていると感じるのですよ。

要は、世界レベルの「個の才能」が、組織サッカーのなかで、より効果的に活かされるようになっているっちゅうことです。

スムーズに、大きく、素早く人とボールを動かし、「ココゾッ!」の状況で、世界レベルの勝負ドリブルをブチかましていく。そりゃ、危険な相手だよね。

でも、まあ、そんな強い中国が相手だったからこそ、大儀見や熊谷、近賀、はたまた澤穂希といった(これまでの!?)絶対的なコア選手たちがいない「なでしこ」にとって、世代交代という重要テーマの感触を探るためにも、素晴らしい学習機会になったということだろうね。

まさに、佐々木則夫監督の思惑どおり!? 彼もまた、素晴らしい仕事をしている。

ところで、「なでしこ」。彼女たちもまた、組織サッカーの「量と質」で、どんどん洗練されている。また、その流れのなかで、個の勝負プレーでも可能性を進展させている点も特筆だった。

特に、フッ切れたミドルシュート。

前半の中島依美、後半では、宮間あやと増矢理花の、爆発的なミドルシュートには目を見張った。

あっと・・、高瀬愛実がブチかます、力強く、スキルフルなポストプレーも素晴らしかったよね。

チームメイトたちも、高瀬愛実の足許にタテパスが入りそうになったら、そこからの最終勝負をイメージしてスタートを切っていた。

でも、世代交代メンバーが多かったことで(!?)、最終勝負イメージが最高にシンクロしたかといったら、やはり、少しズレるシーンも多かったよね。まあ・・これからだね。

ということで、ゲームの総括だけれど・・

全体的には、互角の展開とするのがフェアだと思うけれど、攻撃を仕掛けていくプロセス内容については、「なでしこ」に一日の長があったとするのに躊躇しません。

とはいっても、前述したように、仕掛けの流れに「効果的な変化」をミックスさせていくというポイントでの課題が目立っていたことも確かなことだった。

要は、コンビネーションの流れが単純に過ぎるっちゅうことです。

ボールがないところで(!)勝負の流れを「積極的に感じ」、勇気をもって、3人目、4人目のフリーランナーとして参加していく。そんな「イメージと意志」が必要だっちゅうことだ。

まあ、佐々木則夫さんのことだから、その視点でも、どんどんチームを洗練させていくでしょ。

この大会を通して、「なでしこ」が大いに発展していくことに対して期待している筆者です。やはり、ホンモノ勝負トーナメントに優る「発展(学習)機会」はないわけだからね。

ガンバレ〜、佐々木則夫〜!!・・

ところで、「なでしこ」と、世界の女子サッカーについて、当HPでの新連載、「The Core Column」において考えるところをまとめました。それについては、「このコラム」を参照してください。

では・・

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ところで、ブラジルW杯に、後藤健生さんと「スカイプ」を通して繰り返したディスカッションをまとめた、ライブ感あふれる「ナマ対談本」が出来上がりました。

その新刊については、「こちら」をご参照ください。ではまた・・


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 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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