トピックス
- 2014_W杯(12)・・本田圭佑と日本代表について、ちょっと雑感(新連載ともリンク!)・・(2014年6月21日、土曜日)
- 「日本代表は、ホントに長足の進歩をとげていると思うよ・・でも、昨日のギリシャ戦では、あれだけの理想的な状況になったにもかかわらず、攻め切れなかったよな・・もっと自信をもってチャレンジすれば良かったのに・・とにかくシュートへの積極性が足りなかった・・」
昨日のレシフェ、プレスセンター。
そこに常駐しているドイツ人ジャーナリストと話したのですが、彼は、日本代表について、冒頭のような印象を述べていた。
あれだけの理想的な状況・・とは、ギリシャのキャプテンで、中盤守備や攻撃での組み立て、はたまたカウンターのコアになるなど、ギリシャにとって代替の効かないキーマンである「カツラニス」が退場になったことを言っていた。
そして日本代表は、完全にゲームを支配して攻めつづけた。にもかかわらず・・
どうだろうね・・。
私は、日本には「ホンモノのドリブラーがいない・・」って言いつづけているわけだけれど、それは、屈強でスピードのある本場ディフェンダーと、止まって
「正対」したところから、フェイントやスピードを駆使して(高い確率で!)抜き去れるようなドリブラーはいない・・というニュアンスなんだよ。
でも、日本には組織パスサッカーがある。逆から言えば、日本には、組織パスサッカー「だけ」に集中して徹底させられるというコンセプトがある・・とも言える。
だからこそ、日本には、日本なりの効果的な「ドリブル勝負タイプ」があるんだよ。
そう、走りながら、よいタイミングで、それもスペースでパスをもらえれば、そのままのスピードで、遅れて対応してくる相手ディフェンダーを完全に「置き去り」にすることができるでしょ。
そのことを言っている。
だからこそ、日本代表にとっては、組織サッカーが、世界中のどの国よりも「重要な志向ベクトル」なんだ。
そして、組織プレーをベースに、そんな「勝負ドリブルに入っていける」ようなシチュエーションを作りだすことこそが、日本代表にとっての「本当の意味のリスクチャレンジ」なんだ。
そう、3人目、4人目の「決定的フリーランニング」の量と質。もちろん「それ」には、勇気が要る。
「次の守備」で自分に課せられミッション(相手マークやカバーリング等など)を放り出して、前線のスペースへ飛び出していくんだからね。
この、リスクチャレンジ(意志のパワー)というテーマについても、新連載「The Core Column」で発表した「このコラム」のなかでディスカッションした。参照してください。
そんなリスクチャレンジ姿勢(意志の爆発)が、ギリシャ戦では十分ではなかった。
でも、グループリーグ最後のコロンビア戦では、もう失うモノは何もない。
彼らには、フッ切れた「意志」を絶対的な基盤に、日本らしい(人とボールがダイナミックに動きつづける!!)組織サッカーを期待したい。
それさえ出てくれば、結果には関係なく、再び彼らは、日本のアイデンティティー(誇り)になれるのですよ。
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さて次は、本田圭佑というテーマ。
一昨日のギリシャ戦では、攻守にわたって、「強い意志」を感じることができた。まあ、その日のコラムじゃ、(その後の移動などがあったら・・)そこまで入り込む心の余裕がなかった・・。
でも、もちろん私は、まだまだ大いに不満。彼が秘める才能と、それをベースにした発展の可能性を考えれば、まだまだ不満なんだ。
その、「オレはチャンスメイカーなんだ・・オレにボールをわたして、オマエは走れ・・」っちゅうプレー態度が、とても心配なんだよ。
彼の基本的な能力タイプや問題点などについては、「The Core Column」で発表した「このコラム」を参照してください。
その本田圭佑。
ギリシャ戦では、攻守にわたって、闘う意志を魅せた。でも相変わらず、自分が中心になった「ボールの動き」しかイメージしていない。
そう、止まって足許パスを「待つ」プレー姿勢の方が目立っていたんだ。
前述の「The Core コラム」でも指摘したけれど、彼は、自分が動くことによって、全体的なボールの動きの勢いをアップさせられるはずだ。
もちろん、そのボールの動きは、相手守備ブロックのウラに広がる決定的スペースの攻略をイメージしたモノだよ。
「そこ」を攻略するために、パス&ムーブなど、もっともっと動き回ることで、味方に(自分がつくった!)スペースを使わせたり、自分が「オトリ」になって(ボールをしっかりとキープし!)、相手守備を集中させて、彼らの組織バランスを崩したり・・。
統計では、長友佑都の次に、本田圭佑が走っていたという「数字」が出ているらしい。
でも「それ」は、単なる「移動距離」でしょ。
肝心なのは、その「中身」なんだよ。
そう、攻守にわたる(明確に目的をイメージした!!)フルスプリントの量と質。その「中身」では、長友佑都は、両チームを通じてもチャンピオンに違いない。
でも、本田圭佑は・・
この、フルスプリントの量と質という「メカニズム」については、新連載の「このコラム」も参照して下さい。
ところで、本田圭佑。彼は、イタリア代表の「ピルロ」をイメージしている!?
でもサ、イタリア代表には最高レベルの「個人プレー能力」が備わっているし、彼らの場合は、組織プレーと個人勝負プレーが、とても高い次元でバランスしている(まあ、昨日のコスタ・リカ戦ではやられちゃったけれど・・)。
それに対して(今の)日本代表は、やはり、組織(パス)コンビネーションサッカーを絶対的な(唯一の!?)コンセプトにしなければいけない。
その違いは大きいよね。
たしかに本田圭佑にも、スーパーな最終勝負ダイレクトパスなど、「ピルロの感覚」が(ある程度は!?)備わっているとは思うけれど、でも、日本代表の場合は、志向するサッカーが違うから、ピルロのようにはいかない。
とにかく(ディエゴ・マラドーナではない!)本田圭佑には、彼が秘める「才能という大きな可能性」を、限界まで花開かせて欲しいと心から願っている筆者なのです。
今日は、ちょっと気になったことで、早朝に起き出してコラムを書くことにした次第。
さて今日は、ドイツの2戦目。いまから楽しみです。では・・
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最後に「告知」です。
実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。
でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。
そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。
だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。
でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。
ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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