トピックス
- 2015_アジアカップ(10)・・さてメルボルン・・ウズベキのジャーナリスト仲間と、街中で知り合ったドイツ人カップル・・そして、内容で上回るウズベキが順当勝利・・(ウズベキスタンvsサウジアラビア、3-1)・・(2015年1月18日、日曜日)
- さて、やってきましたよ、メルボルン。
素晴らしい気候じゃありませんか。20度に、40%。よく寝られそうだね。フムフム・・
そして、ホテル経由でスタジアムのメディアセンターへ入った。そのとき・・
「オ〜〜・・マイ・フレンド!!」
大声で呼び止められた。シドニーで知り合った、ウズベキスタンのジャーナリスト達(二人組)。
彼らからは、ウズベキスタンの情報を、細かく仕入れた。もちろん、日本の情報もいろいろと伝えたよ。フェアなギブ&テイク。とても気持ちのよい連中だ。
彼らと最初に会ったのは、シドニー。リーグの初戦、ウズベキスタンvs北朝鮮。2回目は、ブリスベンで、中国vsウズベキスタン。
ウズベキスタンは、皆さんもご存じのように、とてもスマートな組織サッカーをする。そう、コンチネンタルの香り。
でも、中国戦では、ディフェンダーのあり得ないミスから失点を重ねて競り負けてしまった。内容的には、コラムにも書いたように、完全にウズベキスタンに軍配が挙がるけれどネ。
このゲームは、後半に入ってから、少しボールの動きがよくなり、うまくフリーな選手にボールが回るようになった中国が、レベルを超えた「個人のフィジカル勝負」で、ウズベキスタン守備をブッちぎってしまった。
ということで、私は、この試合でもウズベキスタンをサポートしますよ。でも、相手は、調子に乗りはじめたサウジアラビアだから、とても興味深い勝負マッチが繰り広げられるでしょ。
いまから、とても楽しみです。
ところで、ウズベキスタンの2人との会話。
「アンタたちは、今日、生きるか死ぬかのサバイバルマッチだよね・・相手は、サウジアラビアだろ・・初戦の内容からすれば、サウジアラビアは、もう死んだも同然だと思っていたけれど、2戦目の北朝鮮とのゲームで、生き返ってしまった・・」
「そうなんだよ・・オレ達は、グループ第一戦を終えた段階じゃ、トップで抜け出せるに違いないと確信を深めたんだ・・でも、次の中国戦で、ドツボにはまっちゃった・・」
イケメンのジャーナリストが、そんなことを言う。
そう言えば彼は、中国に負けた後、とても冷静に、「まあ、これこそがサッカーだよな・・これでオレ達のチームは追い込まれたけれど、それって、とても大きな機会でもあるよな・・」
要は、選手たちが覚醒し、集中力が倍増することで、サッカー内容が大きく改善するに違いないって思っているということだ。
それは、正しい。脅威と機会は表裏一体。この「ことわざ」は、サッカーの本質に、本当に深くフィットしているんだよ。
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あっと、そういえば・・
私が泊まることになったホテル。
そこは、ある考えられないアクシデントがあったために、エージェント(エクスペディア)がサービスで予約してくれた(私は、アクシデント前の値段を払えばオーケーで、差額はエクスペディアが負担してくれた!)。
もちろん四つ星じゃないけれど、とても、とても良いホテル。クイーンサイズベッドに、改装したばかりの綺麗で広い客室など、すべてが揃ったクワイエット・ルームだぜ。
ホテルの一階は、アルコールだけじゃなく、ものすごくリーズナブルな値段で、様々な料理が美味しく食べられる気持ちのよい(ナイト)バーだし、周りにも、一般向けのリーズナブルなレストランが散在している。
そして、もっとも素晴らしいのが、スタジアムへのアクセス。
ホテルの目の前から、スタジアムの横を通る「路線バス」が走っているんだよ。もちろん、メディアIDを見せれば、タダ。
空港からホテルまでは、高速バスや路面電車を乗り継ぐなど、とても苦労したから、そのアクセスの良さは、まさに感動そのものだった(前に、タクシーには金輪際乗らないって宣言したでしょ・・あははっ・・)。
そして・・
実は、その停留所で、ドイツ人のカップルと知り合ったんだよ。休暇でオーストラリアを訪れているらしい。
住んでいるのは、仕事の関係で、旧東ドイツの「エアフルト」ということだった。
「へ〜〜・・エアフルトは、よく知ってますよ・・古い友人が、ライプツィヒ(エアフルトにとても近い街!)の大学で、教鞭を執る教授なんですよ(小林敏明のことだよ!!)・・」
そこまで聞いて、二人ともビックラこいていた。もちろん私が、ほぼネイティブのドイツ語をしゃべることでも驚いていたけれど、エアフルトという町を知っていることに、もっと驚いていたんだ。
たしかに、普通のドイツ人だったら、まったく知らないだろうね。でも私は、サッカーや、小林敏明の関係で、たまたま良く知っていたっちゅうわけだ。
そのカップルは、二人とも、ドルトムント出身。だから、サッカーに、とても興味があり、今回のアジアカップも、すでに4試合も観たらしい。アジアカップだぜ・・それもドイツ人が・・
「そう・・だから、カガワシンジのことも、本当によく知っているんですよ・・彼がドルトムントに帰ってきてくれて、本当に嬉しい・・」
まあ、香川真司の場合は、ドルトムントのメンバーが、当時とは様変わりしていることで、まだまだ時間がかかるだろうけれど・・(このことについては、新連載の「このコラム」も参照してください!)。
そこから、バスで移動している最中、仕事のこと、東西ドイツ統合のこと、そしてもちろんサッカーのことなど、もうスゴイ勢いで喋りまくったっけ。ははは・・
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さて、わたしが希望した通りの結果に落ち着いた。良かった・・
とにかくサッカーの絶対的なベースは、組織プレー(コンビネーション)にあるわけだからサ。
個の勝負プレー(勝負ドリブルや巧みなボールコントロールなど)は、あくまでも、組織サッカーという絶対的なベースが確立したうえで、チャンスを見計らって繰り出していくべきモノなのです。
その意味で、ウズベキスタンの方が、サッカーの質で、一日の(以上の!?)長があった・・とすることに異論をはさむ方はいないに違いありません。
もちろん、局面での、攻守にわたる個のプレーという視点からすれば、フィジカル(スピードとパワー)という要素を中心に(もちろんテクニックでも!)、サウジの方が上というケースも多い。でもサ・・
ここでは、やはり、人とボールの動きの量と質というテーマに焦点を絞り込むべきだよね。
サウジは、局面における素晴らしい勝負プレーの「ブツ切り」サッカー・・なんて表現できる。
もちろんパスはするし、たまにはダイレクトコンビネーションだって繰り出す。でも、それは、とても単純な局面プレーを、ぎこちなく「組み合わせ」ただけ・・と表現するのが正しいでしょ。
要は、人とボールの動きが、まさに単発で、近くの者しか動かないということ。また、もし自分がフリーだったら完全に足を止めて足許パスを待つばかり・・ってな体たらくなんだよ。
そんな状況でこそ、誰かが「動かなければ」いけないのに・・。その動きさえ出てくれば、次、その次のスペースを作り出し、そこを攻略していけるっちゅうわけだ。
それに対してウズベキスタンは、一度ボールがタテへ動きはじめたら、必ず、ボールがないところで、3人目、4人目が、タテのスペースを目指して全力スプリントで上がっていく。
だからこそ、一つのタテへの仕掛けの流れに、ドリブル突破や、二つ、三つというラストパス、はたまたワンツースリー・・なんていうコンビネーションの可能性も作り出せるっちゅうわけだ。
まあ、今回の大会は、組織と個がしっかりとバランスしているチームが勝ち上がっているという意味で、とても健康的なトーナメントになっているっちゅうことでしょ。
さて、明日は、日本の前日トレーニング。
まあトレーニングは最初の15分間だけが公開だから、ブリスベンでのように、前日会見が注目かもね。今回参加してくれる選手は、川島永嗣らしい。楽しみにしようっと。
明日は、こんな快適な気候だから、街中へ繰り出していこうと思っていま〜す。
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最後に「告知」です。
実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。
でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。
そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。
だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。
でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。
ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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