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2015_アジアカップ(3)・・今朝のエピソード・・そして簡単に今日のゲームを振り返ります・・(2015年1月11日、日曜日)

何でも、ホントに高いね、シドニーは。

昨日は、夜中にメディアホテルに着いたのだけれど、雨が降っていたし疲れていたから、タクシーで私のホテルまで帰ることにした。

たったの3キロ。それが、料金をみて、ひっくり返った。3,000円ほど。あり得ない。

 「エッ!? 29ドルだって!? そりゃ、あり得ないでしょう・・」

 「ええ・・ちょっと高くなってしまったけれど、土曜の夜中だから加算料金なんですよ・・それに、ダウンタウンじゃ至るところで道路工事をやっているから大回りしなきゃいけなかったし、土曜の夜中の大渋滞にもはまってしまったし・・」

タクシードライバの方は、そんなコトを言う。

 たしかに、時間はかかったし、距離も、かなり走った。メディアホテルの周辺は、道路工事だらけだったからね。

前日コラムで書いたエピソードも含め、その道路工事で、昨日は、ホントにツキに見放されていたっちゅうことらしい。

エピソードで登場した警察官に止められてバスを乗り過ごしちゃっただけじゃなく(1時間もホテルで次のシャトルバスを待たなければならなかった!)、1日の終わりに「コレ」だからさ。

 「いや、アナタが私のことを欺そうとしている(cheat)とは思ってないんですよ・・ただ、ちょっとビックリした・・いつもは歩いている距離をタクシーに乗ったら30ドルじゃないですか・・」

「私がcheatしようとしているわけではないと分かってもらって、有難うございます・・でも、ホント、ちょっと料金が嵩(かさ)んでしまったですね・・」

そんなタクシードライバーの方とは、握手をして別れた。でもサ・・

とにかくシドニーは、物価が高いよね。ホテルにしても、食事にしても、移動にしても・・。

まあ、そんな基本情報もふくめて、日本で心の準備をしてこなかった自分が悪い・・っちゅうことです。まあ、仕方ない。

今日は、私のホテル周辺の小物マーケット(食品や雑貨を扱っている)や、街の雰囲気などを写した写真を掲載します。

この雑貨店では、食料品だけじゃなく、SIMカードも調達しました。

その「SIMカード」。基本価格は、たったの2ドル。それにプラスして、10ドルのプリペイドカードを買っただけ。

ということで、アジアカップが終わるまでの携帯代は、12ドル。もちろん私の場合は、「受け」のための電話番号を調達するっちゅう意味合いがメインだからね。

 とにかく、その携帯電話代の安さで、シドニーの「初期イメージ」が出来上がっちゃった・・という体たらくだったらしい。

そして、その後の「真実との遭遇」。フ〜〜ッ・・

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ということで、今日からの移動は、バスと電車(Train と Light Train)を乗り継いで目的地まで行くというのがメインになります。

あっと・・

もちろん、明日(12日)の日本戦が行われるニューキャッスルまでは、レンタカーで移動しますよ。何せ、電車だと、150キロほどの行程に、三時間近くも掛かってしまうからね。

ゲームが終わった後の記者会見やコラム執筆など、帰りの電車の時間を気にしていたら、まったく仕事にならないしサ。フ〜〜・・

シドニー市内の移動だけれど、もろちん晴れていれば、運動がてら、メディアホテルまで歩くよ。でも、この数日間は、雨が降ったり止んだりするらしいから・・。

ということで、電車やバスも「乗りこなそう」と、朝からネット情報と首っ引きなんですよ。特にバス路線が複雑怪奇。

でも、見つけた、見つけた。

出発点(駅名でも地名でもオーケー)と目的地(同)をインプットするだけで、バス、電車、路面電車、徒歩やタクシー等など、条件に応じたベストの組み合わせを選択をしてくれるサイトを見つけたんですよ。

そのサイトで調べると、実際の地図上で、どこを、どのバスや電車、はたまた徒歩で、どのような経路を移動するかまで、明確にビジュアルで確認できるんですよ。

そのサイトを見つけたとき。思わず、「ヤッタ〜ッ!!」ってガッツポーズが出たね。

ということで、久々の、フリーランスとしての「達成感」を味わった次第。良かった・・

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あっ、そうそう、レンタカー関連じゃ、今朝、こんなこともあったっけ。

レンタカーは、ダウンタウンの「ハーツ営業所」でピックアップ予約を入れました。でも、その営業所は、夕方までしか営業していない。だから、朝方にピックアップして夜中にニューキャッスルから帰ってきても、一晩、クルマを何とかしなきゃいけない。

こちらは、駐車場も高いからね。

だから、ホテルの人に相談した。そしたら・・

「アッ・・それだったら、ウチが契約している真向かいの駐車場を利用したらいいですよ・・割引チケットもありますから・・」

そりゃ、助かる。路上駐車じゃ、気が気じゃないからね。でも・・

「割引料金の16ドルを払えば、24時間パークできますから・・」

・・フ〜〜ッ・・一晩駐めて16ドルか・・それも割引料金で・・それに24時間じゃなくても、いいんだけれど・・ホント、シドニーは何もかも高い・・

そして、ここからが面白かった。

我々の会話を聞いていたホテルオーナーの方が、こんなコトを言うんですよ。

「えっ・・ハーツでクルマを借りたのかい・・それじゃ、その真向かいの駐車場にもハーツの営業所があるから、借りる場所を、そこに変えたらいい・・もちろん、どこで借りても同じだから(・・のハズだから!?)、駐車料金もかからないよ・・そうしなさい・・」

その方、同年代だと思うのだけれど、私のことを、かなり若いと思っているらしい。フフッ・・

とにかく、そりゃいい・・って、すぐにホテルの真向かいにある(公共の!?)パーキングハウスのロケハンに行ったんです。そしたら・・

まあ、とても安全なバーキングハウスであることは、ホテルの方々が言っていた通りだったけれど、でも、そのパーキングハウスに入っているレンタカー営業所は、ハーツじゃなく、「ヨーロッパ・カー」だったんだよ。

・・何だ・・いい加減な情報だな〜・・それでも、あのホテルオーナーの、確信に満ちた表情と話しっぷりは、大したモノだ・・

まあ、とにかく、そのヨーロッパ・カー営業所を見つめながら、生活文化の違いを体感していた次第なのでした。アハハッ・・

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今日も、これからメディアセンターへ行ってゲームを観ます。そのレポートは、後から書き足しま〜す・・

・・ということで、ゲーム。

まずUAE対カタールから。

2022年ワールドカップ開催が決まっているカタール。

様々なリソースから、彼らが、世界中の若い才能を「青田買い」しているという情報が入ってくる。もちろん、まだ7年もあるから、すぐに成果が出ないのは当然だけれど、それにしても、彼らのサッカーには、様々な意味で、プログレッション(進化)が感じられない。

そう、個のチカラを前面に押し出しすぎるイメージのカタールなんだよ。ということは、カタールサッカー界全体に、組織プレーと個人勝負プレーのイメージが上手くバランスした雰囲気が醸成されていないということか!?

それに相手が、2013年に肺ガンで死去したフランス人プロコーチ、ブルーノ・メツの指導で、組織プレーがしっかりと根付いているUAEということもあるから、そんな「性向」が、際立っちゃうっていうわけだ。

やっぱりサッカーの絶対的ベースは、組織コンビネーションなんだよ。

そう、相手ゴール前のスペース(相手守備ブロック背後に広がる決定的スペース!)を攻略するための絶対的なベースは、人とボールが動きつづける組織サッカーなんだ。

そして、「それ」をベースにしているからこそ、個の勝負プレー(個の才能)も最大限に活きてくる。

要は、UAE選手たちのボールタッチには、常に「次への展開プロセス」がイメージされているけれど、カタールのプレーからは、まだまだ「自分のプレーイメージを優先させ過ぎる」という傾向が見て取れるというわけだ。

もちろんカタールにしても、パスはするよ。それでも、どちらかといったら、スムーズなタイミングのパス(球離れの早いスムーズなパス!?)じゃない。

ボールの動きが、とてもぎこちないんだよ。だから、人とボールの動きで(パスコンビネーション)で、相手ディフェンスのウラを突いていくようなプレーは、ほとんど観られない。

要は、ボールがないところでの動きの量と質で、UAEに、一日以上の長があるっていうことだね。何せ、UAEが仕掛けに入ったら、ボールがないところでの勝負の動きが、どんどん加速していくからね。

それに対してカタールの「それ」は、どちらかといったら、足が止まり気味の「様子見」っちゅうわけだ。これじゃネ・・。

そんなだから、UAEのディフェンスが、カタールの仕掛けを、常に「眼前」で捉えられるのも道理。そしてだからこそ、守備での(有機的に連鎖しつづける)組織プレーも、とても正確で、効果的なモノになるっちゅうわけだ。

ということで、この試合は、UAEの順当勝ち・・といったところでした。

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さて、では、イラン対バーレーン。

互いに、局面での競り合いにフルパワーをぶつけ合うなど、フィジカルで動きの激しい、ものすごくエキサイティングな展開でゲームが立ち上がった。

観る方にとっちゃ、そりゃ、面白い勝負マッチだよね。

ゲーム立ち上がりの時間帯は、完全にバーレーンが押し込んでいったんだ。

でもイランは、まったく動じることなく、次元の違う「余裕」で、そんなバーレーンの勢いを受け止めるんだよ。

個のチカラはあるバーレーンだけれど、最後の勝負どころで、個の勝負に頼り過ぎることで決定的スペースを突いていけない。

チト、表現ニュアンスは難しいけれど、イランが魅せた「余裕」がミソだね。たしかに押されてはいるけれど、決して、最後の勝負どころでは「やられない」、「やらせない」っちゅう感じかな。

彼らには、明確に、バーレーンの仕掛けの内容が見えていた・・っちゅうことだ。

だからバーレーンは、全体的には押し上げていたけれど、流れのなかでは、まったくといっていいほど決定的スペースを突いていけず、チャンスも作り出せなかった。

まあ、一本くらは、あったですかね、セットプレーからのチャンスが。でも・・

そして15分が過ぎたあたりから、徐々に「ゲームの流れ」が、実効あるコンテンツでイランへ傾いていったというわけです。

それは、日本代表でも、よく観られるゲーム展開だよね。

・・相手の「闘争心」が、日本の「それ」を上回っていることで、最初は相手に押し込まれる展開がつづく・・でも15分もしたら、徐々に日本が押し返してイニシアチブを握りはじめ、勝負の流れが、どんどん日本へ傾いていく・・

この試合でのイランも、まったく同じようなゲーム運びをした。とても、とても、余裕のある「ゲームの流れの掌握力」っちゅうことだ。

イラン選手は、明確に体感しつづけていたんだよ。

・・ヤツ等(バーレーン)の攻めなんて怖くない・・ヤツ等にゃ、決してウラを取られることもないし、1対1の勝負でも、置き去りにされることもない・・後は、ヤツ等の意志が減退してくるのを、余裕をもって待ってりゃいい・・

そんな感じ。

そして案の定、イランが、ゲームの流れのイニシアチブを握るだけじゃなく、バーレーン守備ブロックのスペースを攻略しはじめるんだよ。

まあ、たしかに先制ゴールは、セットプレー(コーナーキック)からだったけどサ。

そんな両チームの「差」は、もちろん、決定的スペースを攻略していく「プロセス内容」。

そう、決定的なウラのスペースで、ある程度フリーでポールをもつ選手を、いかに効率的に演出するか・・というテーマ。

しつこいけれど、そのテーマについては、新連載「The Core Column」で、香川真司をモデルに書いた「このコラム」も参照してください。

そして結局は、後半の内容も含めて、イランが、その実力通りの(またゲーム内容的にも)順当な勝利を収めたっちゅう具合でした。

それにしても、イランが魅せつづけた、とても洗練された「攻守と組織&個のバランス」は秀逸だった。監督のカルロス・ケイロスに敬意を。

そのケイロスだけれど、今年で就任4年目になる。その意味でも、イランサッカー界の、様々な意味を内包する「総合力」にも敬意を払わなきゃいけない。

そんなバックボーンが、ブラジルW杯での立派なサッカーに表現されていたし(アルゼンチンをギリギリまで苦しめた!)、だからこそイランサッカー協会は、まさに正しく、「継続」を選択した。

やはり、継続こそチカラなり・・なんだよ。

もちろん、やっているコトの内容が良ければのハナシだけれど・・。

あっ・・、いや・・。

実のところは、内容に関わらず、「あること」を、忍耐づよく継続することで、そのコンテンツ自体が、様々にポジティブな意味合いを紡(つむ)ぎ出していく・・っちゅうニュアンスも含まれているんだろうけれどサ。まあ、難しいネ。

とにかくイランは、今大会でも(これまでのように!!)、屈指の実力を備えた、とても強いチームだぜ。そのことが言いたかった。

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 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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