トピックス
- 2015_J2_第14節・・ツエーゲンを甘く見ていたこと、反省します・・また、押される展開を自分たちで逆流させるのは難しいというテーマも・・(ジェフvsツエーゲン金沢、1-1)・・(2015年5月17日、日曜日)
- 「ツエーゲン金沢!? どうなんだろうね、まあ人数を掛けた堅守ベースの速攻が、うまくはまっているっていうことなんじゃないの!? 失点数ではリーグトップなんでしょ・・」
軽率にも、昨日の埼スタで、ジャーナリスト仲間に、そんな発言をしてしまった。
ツエーゲンのゲームを、まだ「しっかり」と観察していなかったにもかかわらず。だから、軽率のそしりを免れない。すみませんネ、(ツエーゲン監督の!)森下仁之さん。
ところで、森下仁之監督。
鳥栖の森下仁志監督と血のつながりはないらしい。それでも、名前の「読み方」は、まったく同じなんだよ。フ〜〜・・、これから気をつけなくちゃ。
ということで、私の「ツエーゲンに対するイメージ」は、このゲームを境に、まったく異なったモノになってしまったという体たらくだったんだよ。
あっと・・
それでも、試合前に両チームの、得失点の数字を比べてみたとき、(オレの先入観からすれば・・!)ちょっと違和感があった。
失点数でも、ゴール数でも、ジェフと遜色なかったんだ。だから、ちょっと「?マーク」がアタマの中を占拠したっけ。
でもそのときは、こんなことを、安易に考えていた。
・・ツエーゲンは、徹底したカウンターが上手いんでしょ・・だから、それをベースに、効率的にゴールを奪っているに違いない・・なんてネ・・フ〜〜ッ・・
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ということで、このゲームの実際の展開だけれど・・
前半のツエーゲンは、私の先入観に「とても近い」サッカーを展開していたよね。また、カウンターにしても、最初のころは、そんなに威力があるとは思えなかった。
それには、ジェフの守備ブロックのやり方が(共有イメージが!)、うまく機能していたっちゅうこともあったんだろうね。
あっと・・
ゲーム立ち上がりの展開にも言及しなきゃいけなかった。
そこでは、ツエーゲン選手のプレー姿勢が、チト受け身だと感じたんだよ。
もしかしたら彼らは、(相手が強いジェフと言うことで!?)ちょっとビビッていたのかもしれない。そんなだから、ジェフが活発に攻め込むのも道理だった。
とはいっても、ツエーゲンの(4-4-2)守備ブロックは「厚いし安定している」から、「あの」ジェフとはいっても、そんなに簡単にウラの決定的スペースを攻略できるわけじゃない。
それでもジェフは、何度かの決定機は作り出した。
オナイウ阿動、ペチュニクや谷澤達也が繰り出す「個の勝負プレー」が、人とボールが「効果的に動き」つづける組織サッカーに、とてもうまく「はまって」いたんだよ。
そして、ペチュニクの絶対的ヘディングシュートや(誰かの・・)惜しいミドルシュートも含めて、何度か、とても惜しいゴールチャンスを作り出したんだ。
そんな展開を観ながら、(またまた安易に!!)思ったモノです。
・・この試合でも、ジェフがいつもの強さを発揮している・・まあ、このままのゲームの流れで、ジェフが順当勝ちを収めるんだろうな・・
そして案の定、ジェフが、後半15分に、それまでのゲーム展開からすれば「まさに順当」と表現するのがフェアな先制ゴールをブチ込んでしまうんだよ。
それは、本当に素晴らしいカウンターだった。
交代したばかりの井出遙也が、ものすごく派手なドリブル突破&(キャノン)シュートをブチ込んだ。ホント、ビックラこいた。
そして思った。
・・これで、オレが、関塚隆さんの「疫病神」から、「幸運の神様」へ昇格するよな・・へへっ・・(この件については前回の「J2」コラムを参照してくださいネ)・・
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でも、ちょっと待てよ・・
そう、前半の半ばを過ぎたあたりから、ツエーゲン攻撃の「危険度」が風雲急を告げはじめていたことを思い出したんだよ。
分厚く守り、カウンターを仕掛けていく・・というシーンでも、そのカウンターの流れに「乗って」くる人数が、四人、五人と、確信的な勢いが乗るようになり始めていた。
また前半の終盤になった頃から、ツエーゲンが(組織的に!)ゲームの流れのイニシアチブを握るようなシーンが増えていったんだよ。
そういえば、そんなゲームの流れは、後半になってからも変わらなかったっけ・・。ジェフの先制ゴールを観ながら、そんなことを思い出していたんだよ。
それでも、総合力では確実に上のジェフが先制ゴールを挙げたんだから・・と、またまた安易に思っていたっちゅうわけだ。でも・・
そう、その先制ゴールを境に、ツエーゲンが握る「イニシアチブ」の内容が、どんどん増幅していったんだ。彼らの攻めの危険度がアップしていったんだよ。
逆にジェフは、カウンターもままならないほど押し込まれつづけてしまう。
そんなゲームの流れの変化は、とてもドラマチックではあった。
そして、まさに自分たち自身で勝ち取った・・っちゅう同点ゴールが生まれた。
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記者会見の後、同僚ジャーナリストの方と、そのゲーム展開の変化という現象について話し合った。そこで私は、こんな表現をした。
・・もちろんツエーゲンの前への勢いが素晴らしかったわけですが、逆に、ジェフ選手たちの、押し返す意志が高揚してかなかったという側面も大きかったと思いますよ・・
・・ジェフ選手たちは、守り切れるなんて安易に感じていたこともあったんだろうけれど、誰ひとりとして押し返そうとしていかなかった・・あのゲーム展開じゃ、いつかはやられるかもしれないって、危機感をもたない方がおかしいのに・・
・・でも、誰も、そんな逆襲の音頭をとろうとはしなかった・・
・・たしか相手はヤマハだったと思うのですが、私が読売サッカークラブのコーチをしていたときのことです・・そうそう、山本昌邦もプレーしていたから、たしかにヤマハだった・・
・・そのゲームでね、リードするオレ達が、同じようにヤマハに押し込まれはじめたんですよ・・
・・自分たちは押し込まれている・・これじゃ楽しくないし危ない・・選手たちは、そのコトを敏感に感じていたはずです・・でも、押し返すためのコマンダー(司令塔)になるコトは難しい・・
・・そこで出てきたのが、「あの」カリオカだったんです・・そう、ラモス瑠偉・・
・・そんなゲーム展開にフラストレーションが溜めていたカリオカが、突然、大声で怒鳴りはじめたんですよ・・
・・オマエたち、何をやってんだ〜・・フザケルナよ〜・・押し込まれているじゃないか〜・・
・・そして、自分から率先して、爆発的なプレッシング守備をブチかまし始めたんです・・もちろん、周りのチームメイト達にも、怒鳴り散らして闘わせる・・
・・そして、すぐに、我々がイニシアチブを奪い返したっちゅうわけです・・
・・要は、あんなジリ貧の展開になったら、もう選択肢はないということです・・
・・とにかく、爆発的なプレッシング守備をブチかましていくことでボールを奪い返しつづけるだけじゃなく、相手をビビらせ、ゲームを支配しちゃう・・
・・それは、本当に劇的なゲーム展開の変容でした・・今も思うのですが、それを体感できたことは、私にとって、ものすごく貴重な経験でしたね・・確実に、引き出しが一つ増えましたからね・・
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ということで、ゲームは、そのまま引き分けに終わりました。
・・この勝ち点1は、とても大きい・・
森下仁之さんが、しみじみと、そんなニュアンスの内容をコメントしていたっけ。
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最後に告知です。
実は、娘の大学卒業式に出席するため、数日後から、USAの東海岸へ行くのですよ。たぶん、2週間は戻ってこない。
東海岸だからネ、新連載「The Core Column」で発表した、アメリカに多い生意気盛りのティーンエイジャー女子と、効果的な教育ツールとしてのサッカーとの関わりについて書いた、「このコラム」を補強できるような取材も兼ねようかな・・なんて思っています。
次の日本復帰は、6月3日のレイソル戦あたりからになりますかね。
それでは、また〜・・
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最後に「告知」です。
実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。
でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。
そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。
だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。
でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。
ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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