トピックス
- 2015_ナビスコ・・フロンターレは、グランパスが狙うタテへの鋭い仕掛けに見事にハメられてしまった〜!!・・(フロンターレvsグランパス、1-3)・・(2015年3月18日、水曜日)
- いや、面白かった。
まあ、私が、その素晴らしいサッカー内容に「入れ込んで」いるフロンターレが負けたのは残念だったけれど、逆に、グランパスのストロングハンド、西野朗のプロコーチとしての力量を再認識できたことで、ハッピーな感覚につつまれたっけ。
やはり西野朗は、とても優れたプロコーチだ。
「名古屋グランパスというテーマ」に取り組みはじめた昨シーズンの序盤は、とても苦労した。それでも、時間が経つにつれてサッカー内容が充実しはじめ、そして結果もついてくるようになった。
その、昨シーズン後半の充実サッカーは、相手に、「対処ゲーム戦術」を熟考させるに(危機感を抱かせるに!)十分なコンテンツを内包していた。
だから、今シーズンのリーグでは、(グランパスを研究した相手の徹底サッカーと対峙しなきゃいけないことで!?)まだ良い結果を出せないでいる。
でもこの試合の相手は、「あの」フロンターレだからね。彼らは、グランパス相手でも、確実に「自分たちのサッカー」を押し通してくるでしょ。
そのことを熟知していた西野朗は、逆に、選手たちに、戦い方のイメージを徹底させた(ゲーム戦術を徹底させた!?)・・らしい。
・・簡単にボール奪取アタックを仕掛けるのではなく、フロンターレの人とボールの動きをしっかりと見極めながら、粘り強く、次、その次を狙っていく・・
・・そしてボールを奪い返したら、すかさず鋭いタテパスを、前戦へ(まあ、決定的スペースへ!?)送り込むことで、なるべく素早くシンプルに相手ゴールへ迫っていく・・
記者会見で、西野朗は、「堅守速攻・・」なんていう表現をしていたけれど、私は、その表現にはアグリーではなかったね。
決してグランパスは、リトリートする(引いて守備を組織する!?)ような、消極的で受け身のディフェンスをしていたのではなく、あくまでも「攻撃的に」ボールを奪いにいったんだよ。
だからこそ、次の(カウンター気味の!?)タテへの鋭い仕掛けを、殊の外、危険なモノへと昇華させられたっちゅうわけだ。
そんなカウンター気味の攻撃から、右サイドを突破して送り込まれたグラウンダークロスを永井謙佑がダイレクトで叩き、同点ゴールをブチ込んだ。
でも、その同点ゴールが決まる前にも、2度、3度と、左サイドで永井謙佑がブチかますタテへの仕掛け&クロスから、中央の川又堅碁がゴールチャンスに恵まれたっけ。
あっと・・、全体的なゲーム展開は、しっかりと押さえて(確認して)おかなきゃ。
たしかに、立ち上がりの20分は、もう、完全にフロンターレがゲームを支配したんだよ。そして先制ゴールをブチ込んだ。
そこまでは、誰もが、フロンターレの勝利を信じて疑わなかったに違いない。でも・・
そう、「そこ」からグランパスが、徐々に、「このゲームで自分たちがやるべきサッカー」を徹底させていったんだよ。そして彼らは、大逆転劇を完遂してしまった。
そういえば、西野朗に、こんな質問を投げたっけ・・
・・西野さんといえば、ガンバ当時の、素晴らしい組織(パス・コンビネーション)サッカーの印象が強い・・そう、今のフロンターレにつながるようなパスサッカー・・当時のガンバは、美しく勝つことを常に標榜していたと思う・・でも、このところのグランパスでは・・
・・もちろん堅守速攻などといった後ろ向きのサッカーではなく、あくまでも積極的にボールを奪い返し、タテへ、素早く、鋭く仕掛けていくサッカーという意味だけれど、それは、私が描いている西野朗のイメージとは、チト相容れない・・
・・それは、選手たちのタイプから導き出されたサッカーということなのだろうか?・・それとも、西野朗は、人が変わってしまったのか?・・
スミマセンね、西野さん。例によって、失礼な言い回しで聞いてしまって・・。
でも西野朗は、例によって、とても真摯に、こんなニュアンスの内容をコメントしてくれたんだよ。曰く・・
・・もちろん、選手のタイプや能力、また対戦相手に応じて、サッカーのやり方を柔軟に変えていくのは当然のコトだと思う・・今日のグランパスで言うと、永井謙佑や矢野貴章には、ポゼッションサッカーは似合わないでしょ・・
・・もちろん、私が志向するサッカーの方向性はブレていない・・もしダニウソンが戻ってきたら、それでもサッカーの内容は変化するし、新しい(違うタイプの)選手が入ってくれば、その能力を最大限に活かせるようなサッカーを志向するでしょ・・
・・でも、私が(根本的に!?)やりたいサッカーは、まったくブレていない・・でも、そこへ至るまでには、(リアリズムも含めて!?)様々な紆余曲折があるということだと思う・・
・・あの当時のガンバのサッカーだけれど、アレが出来たのは、ソレが出来る選手に恵まれていたからという風に考えるのが自然な発想なんじゃないですかネ・・
フムフム・・。
いいね、西野朗。
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最後に「告知」です。
実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。
でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。
そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。
だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。
でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。
ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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