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2015_天皇杯準々決勝・・ヴィッセルを「美しく」圧倒して勝ったレッズ・・(レッズvsヴィッセル、3-0)・・(2015年12月26日、土曜日)

スゴイね〜・・レッズの奥底から湧き上がってくるような「渇望感」。

たぶん「それ」は、タイトルに対してなんだろうね。

とにかく、彼らの攻守にわたる抜群にハイレベルな(イメージが連鎖しつづける!)組織プレーを観ながら、その「強烈な意志」を、ヒシヒシと感じていたんだよ。

もちろん、特に守備。

そこでブチかまされつづけた、素早く効果的な攻守の切り替えからの汗かきハードワークの積み重ねにこそ、その「渇望感」が凝縮されていたと思うわけだ。

「オレ達は、(たぶん!?)リーグのなかで随一のサッカーをやっている・・」と胸を張るミハイロ・ペトロヴィッチ。その主張については、私もアグリーです。

もちろんサッカーには、色々なタイプ(傾向)があるから、何が最高なのか・・というテーマは、一つに絞りきれない。でも・・

そう、すべてのサッカーコーチは、(たぶん最後は!?)志向し、追い求めていかざるを得ない、「美しく勝つ」というターゲットを渇望するモノなんだよ。

アブラハム・マズローが言う「欲求五段階説」から言えば、やっぱり、そのピラミッドの頂点にある「自己実現」が、自然と(すべてを超越した!?)ターゲットになるということだね。

もちろん、それを志向するプロセスでは、それなりの「反作用」に悩まされることになる。

そう、勝負強さ・・というつかみ所のないサッカー的な概念。

それは、ツキとか呼ばれる神様ドラマ・・とも言えるかな・・。

ドイツサッカー史に燦然と輝くプロコーチ、故ヘネス・ヴァイスヴァイラーが、私の問いかけに、こんなことを言った。

・・勝負強さ!?・・そりゃ、オマエ、攻守にわたって、最後の勝負所で「半歩、足が出るかどうか・・」っちゅうコトに懸かっているんだよ・・

まあ、オッサンの言葉を私なりに解釈したら、攻守にわたる「重要な勝負所」で、極限の意志を爆発させられるか・・ってなことになる・・と思う。

あっ・・もっと分かり難くなっちゃったか。スミマセンね・・

この「半歩」という表現だけれど、そのコノテーション(言外に含蓄される意味)の背景には、まさに無限のシチュエーションがあるから、ご自分で「想像力」を駆使してくださいネ。

でも、例えば、レッズの青木拓矢・・

以前は、彼のパフォーマンスをボロボロに書いていた。彼が秘める才能が惜しかったんだよ。

でも彼は、様々な意味で「覚醒」し、この試合でのディフェンスでも、何度も、意志を爆発させるような「勝負プレー」を魅せた。それは、リスク。でも彼は、それを承知で、勇気をブチかました。

勝負強さ・・ってさ、そんな小さな「勝負所での意志の爆発」の積み重ねなんだよね。

まあ、天皇杯はつづくわけだから、このテーマについては、次の準決勝でも入り込みますよ。

ということで、この試合でのテーマ。

私は、変化のあるレッズの仕掛け・・っちゅうテーマにスポットを当てたいですね。

要は、守備ブロックを固める神戸ディフェンスを(そこにあるスペースを!)攻略していく、変化に富んだレッズの仕掛け・・というテーマ。

彼らは、サイドからのドリブル突破&ラストクロスというアプローチでも、中央ゾーンを突破していく、素早く正確なコンビネーションでも、素晴らしく効果的に、「強烈な意志」を爆発させた。

この試合では、立ち上がりに魅せた、右サイドバック関根貴大の、「勇気ある」ドリブル突破が、抜群のアピールパワーを放散していた。何せ、相手は、「あの」相馬崇人だから・・サ。

そのベテラン相馬崇人と対峙した関根貴大だったけれど、彼は、臆することなくドリブル勝負を挑んでいったんだよ。そして何度も、決定的ラスト(トラバース)クロスまで送り込んじゃう。

ホント、素晴らしかった。もちろん関根貴大は、手倉森誠が率いる日本オリンピック代表をイメージしているに違いない。

手倉森誠さんは、(勇気をもって!)勝負しないヤツは、要らない・・っちゅうマインドでしょ。

そんな関根貴大の勝負ドリブルに舌鼓を打っていたら、今度は、(関根貴大に刺激された!?)左サイドの宇賀神友弥も、これまた勇気フルパワーの勝負ドリブルをブチかまし、決定的クロスを送り込んじゃったりするんだ。

とにかく、立ち上がりのレッズが魅せたサイドからの仕掛けには、抜群に魅力的なコンテンツがてんこ盛りだったんだよ。そして私は、レッズの勝利を確信していた。

でも・・

そう、実際のゴールは、そんなサイドからの仕掛けとは、また一味違うプロセスから生まれたんだ。中央ゾーンからの、素晴らしい「ダイレクトパス・コンビネーション」。

この試合でレッズがブチ込んだ三つのゴールとも、この「ダイレクトパス・コンビネーション」から生まれたんだよ。

そこで彼らが魅せつづけた、素早く、勇気をもった「パス&ムーブ&ダイレクトパス&ダイレクトシュート」っちゅう特筆コンビネーションからは、まさに「世界」が見え隠れしていた。

まあ、そのゴールについては、(例えば、5秒間のドラマに集約するとかサ!?)これ以上コメントする必要なんてないよね。

だから・・

ここでは、その「ダイレクト」っちゅうサッカー用語について語らせてくださいナ。

この試合でも、テレビから、「ワンタッチ・・ワンタッチ・・」なんていうサッカー用語が耳について(気になって)仕方なかったんだよ。

その「ワンタッチ」というサッカー用語の意味は、ボールを止めずにパスやシュートを打つプレーのことだろうね。でも・・

そう、イレギュラーするボールを足で扱うという、不確実な要素が満載されたサッカーでは、そのような「ボールを止めないプレー」には、本当に特別なコノテーション(言外に含蓄される意味)が内包されているんだよ。

だから私は、常に、ワンタッチなんていう表現じゃなく(それにも特別なニュアンスの意味が内包されている!!)ダイレクトでのパス(コンビネーション)やシュートと呼ぶんだ。

このテーマについては、新連載「The Core Column」で発表した「このコラム」も参照してくださいね。

あっと・・

さて、それでは、他の勝負マッチにも舌鼓を打つことにします。

(後付けの)PS:例によって、天皇杯の決勝は、ラジオ文化放送で解説しま〜す。

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 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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