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2016_ACL・・両ゲームで気付いたポイントを簡単に・・(FC東京vsチョンブク、0-3)(シドニーvsレッズ、0-0)・・(2016年4月20日、水曜日)

今日は、味スタでのスタジアム観戦でした。

その、FC東京vsチョンブク・ヒョンデだけれど、ゲーム展開を追いながら、正直、とても辛く、暗い気持ちになっていった。

FC東京は一生懸命に攻め込もうとはするけれど、その努力が、まったくといっていいほどスペースの攻略やシュートにつながらないんだよ。そう、攻めきれないFC東京。

たしかに、ゲームのイニシアチブは握っているけれど、「あのゲーム展開」だからね、やはり、強いチョンブクによって、ボールを「持たされていた」っちゅう表現の方が正しいだろうね。

とにかく、攻めても、攻めても、チョンブク守備ブロックを振り回したり、彼らのウラスペースの攻略が叶わないんだ。当然、シュートシーンも、まったくといっていいほど創りだせない。

そして、逆に、カウンターから失点を重ねてしまうっちゅう最悪のゲーム展開なんだよ。

そりゃ、観ているこちらも辛くなるのは当然だよね。

FC東京が、全力でゴールを奪いにいく「意志」をヒシヒシと感じるから、なおさら・・ね。

そう、彼らの素晴らしい闘う意志とは裏腹に、プレー内容に実が詰まっていかないんだ。

彼らは、チョンブク守備をズタズタに切り裂けるような「才能ドリブラー」を擁していない。

だから彼ら「も」、パスを駆使して組織的に崩していくしかない。

そう、ダイレクトパス・コンビネーション。

ボールを止めないパスやシュートのことを、私は「ワンタッチ」じゃなく「ダイレクト」と呼ぶのだけれど、このテーマについては、新連載「The Core Column」で以前に発表した「このコラム」を参照して下さい。

とにかく、不確実な要素が満載のサッカーでは、ボールを止めないパスやシュートには、ホントに、特別なコノテーション(言外に含蓄される意味)が内包されているんだよ。

だから、「ワンタッチ」なんていう表現ではなく、その「意義の内実」にふさわしい特別な呼称を与えなきゃいけないんだよ。

そう、だからこそ、ダイレクトパスやダイレクトシュートという表現にこだわらなきゃいけないと思っている筆者なのであ〜る。

まあ、いいや・・フンッ・・。

またまた、ハナシが逸れた。

とにかく、コレクティブな(組織的な)パスコンビネーションを駆使して、チョンブク守備のウラを突いていかなきゃいけないFC東京・・というハナシだった。

でも、そんな彼らの、最終勝負へ向かうプロセスの流れが、スムーズじゃない。

そう、ボールの動きが、各ステーション(パスレシーバー)のところで、一瞬にせよ、停滞気味になっちゃうんだよ。

そう、3人目、4人目のパスレシーバーの「動き」が活性化していないっちゅうこと。

だからチョンブクは、余裕をもって、FC東京の仕掛けを受け止められていた。

何せ、FC東京の単調な仕掛けが、常に、自分たちの「眼前」で繰り広げられるんだからね。

それも、各ステーションで、ボールの動きが「止まり気味」なんだから。

そんなだから、チョンブク守備は、どこで、どのタイミングでボール奪取の勝負を仕掛けてくのかとか、東京の攻めをどちらのサイドに追い込んでいくのか・・なんていう判断を、余裕をもって出来ていたんだよ。

だから最終勝負シーンでも、常に、チョンブク守備の「足」によってシュートやラストパス(ラストクロス)などが止められ、弾き出されていた。

フ〜〜・・まあ、仕方ない。

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そんなFC東京に対して、シドニーでアウェーマッチを闘ったレッズは、繰り返し、高質なダイレクトパス・コンビネーションをブチかましていた。

もちろん、シドニーのピッチ状況が「荒れていた」から、「ポンポンポ〜ン」なんていう、素早く軽快なリズムで、人とボールを動かすのは難しかった。

それでも彼らは、常に、仕掛けの「クサビパス」を合図に・・いや、そのクサビパスが出される前や、そのパスがグラウンド上を走っている最中に(!)・・3人目、4人目のチームメイトが、爆発フリーランニングをブチかますんだよ。

いくら失敗しても、彼らの、ボールがないところでの動きの内実(意志)が鈍ることはない。

彼らは、しつこく、忍耐強く、次、その次と、3人目、4人目のフリーランニングをつづけるんだ。

その忠実な、(考えつづける!?)自分主体のリスクチャレンジ姿勢が、素晴らしい。

またこの試合では、「より」積極的にミドルシュートにもトライしていたし、「より」シンプルなタイミングや種類のクロスも送り込んでもいた。

そして、そんなコレクティブな(組織的な)仕掛けがあるからこそ、たまに繰り出すドリブル突破チャレンジも、とても効果的にブチかませるっちゅうわけさ。

関根貴大、梅崎司・・などなど。

言いたかったのは、そんな、相手守備を惑わす「変幻自在の最終勝負コンテンツ」こそが、いまのレッズの強さを支えているっちゅうことです。

あっ・・いや・・もちろん絶対的なベースは、守備だよ、守備。

彼らの守備意識は、本当に素晴らしいんだよ。そして、それがあるからこそ、次の攻撃にも、後ろ髪を引かれないサポート(3人目、4人目のサポートアクション!)が、次から次へと飛び出してくるっちゅうわけさ。

そこまで、選手たちの、考えつづけ、勇気をもって決断する「意識と意志」を高揚させ、高みで維持できている「ストロングハンド」、ミハイロ・ペトロヴィッチに、心からの拍手をおくろう。

さて、次の「J」は、リーグトップに君臨する強豪のフロンターレ。でも・・

そう、いまのレッズは、相手が強くなればなるほど、パフォーマンスをアップさせられるんだ。

・・というか、相手がしっかりと攻め上がる(強い!?)サッカーを展開してくればくるほど、それに呼応して、もてるチカラ以上の「何か」を沸き立たせられる・・と思うわけだ。

何せ彼らは、限りなく「主体的」に攻守ハードワークを探しつづけられる「強い意志と勇気」を備えているわけだから。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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