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- 2016_オリンピック(その4)・・オレの「文化的バックボーン」を超越した内容の決勝だった・・だからブラジルに対して「も」心からオメデトウと言える・・(ドイツvsブラジル、1-1、PK=4-5)・・(2016年8月21日、日曜日)
- 素晴らしいファイナルだった。感動した。
だから、ブラジルに対して「も」、心から、オメデトウ・・と言える。
日本サッカーの発展に大きく貢献してくれた「ブラジル」への敬意もあるから(!?)、この結果に対して、「ホントに良かった・・」と、素直に思える自分を見つめていたんだよ。
もちろん「ドイツ」も、日本サッカーの発展に大いに貢献してくれたし、私の「サッカー的な」第二の故郷でもあるから、心情的にはドイツに肩入れしていた部分も大きかった・・と思う。
でも、ゲームが進んでいくなかでブラジルが魅せつづけた、攻守にわたる高度な組織サッカーマインドに対する敬意も深まっていったんだよ。
だから、最後は、サッカー人として、どちらが優勝しても、心から、オメデトウ・・と言える情緒(心情!?)になっていったということなのかもしれない。
もちろんブラジルの攻撃は、「より」個の勝負テイストが強い。
そりゃ、そうだ。何たって、ネイマールを中心に、あれほどの天賦の才が集約されたチームなんだから・・サ。
だから、個のドリブル勝負「も」、彼らにとっては、中心的な「最終勝負イメージ」っちゅうわけだ。
でも・・
そう、ブラジルサッカーも大きく進化しているんだよ。言わずもがなの、「組織と個のバランス」。
だから、個の勝負をブチかましているプロセスでも、逆サイドの選手がしっかりと「反応」し、3人目、4人目のフリーランナーとして存分に自己主張する。
そんな、高質な「組織と個のバランス」にも、シンパシーが高まっていったんだ。
それに対してドイツは、17番のグナブリーが明確なドリブラーとして機能し、それ以外は、組織パスプレーの「加速装置」として機能する。
そのメリハリが、とても効果的。ドイツ攻撃の「実効レベル」が、とても高かったのも頷ける。
とはいっても、「両チームがシュートチャンス作りまくったか・・??」と問われたら、そんなことは全くなかったと言わざるを得ない。
それほど両チームの守備が、強烈に「堅かった」んだよ。
でも、両チームが忠実に維持しつづけた「守備のチーム戦術イメージ」は、チト違うかな。
要は、前からの協力プレスを積極的に「イメージ」する(積極的に前でボールを奪い返そうとする!)ブラジルに対し、相手ボールになった次の瞬間には、素早く「デイフェンス・ブロック(組織)」を組んで対応するドイツ・・ってな具合。
もちろんドイツは、リトリートして、低級な受け身のディフェンスを展開した・・っちゅうわけじゃ、まったくないよ。彼らもまた、柔軟に、前からプレスをブチかましていたんだ。
言いたかったコトは、「まず組織バランスを・・」という攻守の切り替えの瞬間にアタマに浮かぶイメージなど、ブラジルとドイツでは、微妙な「差異」があったっちゅうわけさ。
それでも、両チームともに、最終勝負シーンでにおける「粘りの半歩プレー」には、観ているコチラの感動を呼び起こすコンテンツが満載だった。
両チームともに、パス勝負にしてもドリブル勝負にしても、最後に「単独」で抜け出してくる相手ボールホルダーを、効果的に「止め」まくっていたんだよ。
要は、大ピンチでの「危急ディフェンスの内実」が素晴らしかったということサ。
このポイントは、ホントに、日本サッカーも彼らから学ばなきゃいけないと思う。
そう、ボールウォッチャーやシチュエーションウォッチャー(状況が動くのを待つような選手!)をなくし、より効果的に「最後の半歩」を出せるようになるために・・。
そんな、世界サッカーの手本になるような両チームのディフェンス。
彼らは、U23の代表にしか過ぎないんだよ。とにかく、そんなところにもフットボールネーションのファンダメンタルズの奥深さを感じていた筆者なのであ〜る。
あっ・・スミマセン。「最後の半歩」というテーマだった。
とにかく、決して「安易」にアタックを仕掛けず、最後の最後まで、冷静に相手アクションを見極めて「最後の半歩」を繰り出す、両チームのスーパーディフェンダーたちなのだよ。
特に、ドリブルやラストパスで、フリーなボールホルダー(パスレシーバー)が抜け出してくる頻度が、少し高かったブラジルの最終勝負を、「最後の半歩で止めまくった」ドイツ守備ブロックの「堅さ」は感動モノだったね。
たしかにネイマールは、ドリブルで、ドイツ選手を置き去りにできる。でもドイツは、次、その次・・ってな感じで、フルスプリントの「カバーリング」が追い付いちゃうんだよ。
そんなドイツの「スーパーな闘う意志」もまた、感動だったんだ。
ホント、素晴らしい「内容」が詰め込まれた感動的なファイナルだったと思う。だからこそ、ブラジルに対して、心からの拍手をおくれる。
ところで、大きな大会でのブラジル対ドイツ。
もちろん「2002日韓W杯」と、一昨年のブラジルW杯のことだよ。
そのときのコラムについては、2002については「こちら」、2014について「こちら」のコラムを、ご参照ください。
いま読み返してみても、当時の「それぞれの感動」が甦(よみがえ)ってくるじゃありませんか。
いや、ホントに、サッカーは奥が深い。
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- あっと・・
- 私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」。
- ちょっと、プロモートさせてくださいね。
- この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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