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2016_WM最終予選・・日本の組織サッカーを活性化させるためにも、イラクを見習って(!?)局面でのボールをめぐる闘い(デュエル)の内容を充実させなきゃいけない・・(日本vsイラク、2-1)・・(2016年10月6日、木曜日)

・・たしかに、美しくつなぐサッカーは、うまく機能しなかった・・とはいっても、何度かはビッグチャンスを創りだしたけれどね・・

・・とにかく我々は、コレクティブサッカーを高揚させられなかったからこそ、局面でのデュエル(ボール際の闘い)の内実をアップさせなければならないのだ・・

・・W杯の地域予選は、つねにギリギリの闘いになる・・そこでは、大きなゴール差で勝つことなどは期待していないし、できる相談でもない・・

・・だからこそ、このようなギリギリの勝負を勝ち切ることこそが次につながる自信と確信を確固たるものにするのだ・・

・・そう、困難なときに結果を出すことこそが、ものすごく価値のあるコトなんだ・・

・・私は、このゲームの結果を、勇気の勝利だったとしたい・・

・・どんな世界の強豪チームでも、時には、このような勝利(ギリギリの粘勝!?)が必要なんだ・・

フムフム・・。ハリルホジッチ監督の、とても納得できるコメントだった。

このコメントは、後藤健生さんの質問に応えたモノだった。

その質問は・・

・・おっしゃるように、日本は、局面のデュエルに課題を抱えている・・だからこそ、そのデュエルを(うまく!?)回避するためにも、コレクティブな組織パスコンビネーションが必要だと思う・・でもこの試合での日本代表は、その点で、十分ではなかったと感じるのだが・・

興味深かったのは、ハリルホジッチが、「組織パスコンビネーションサッカー」を、よりハイレベルに機能させるためにも、局面での、ボールをめぐる闘い(デュエル)の内容を高揚させなきゃいけないのだ・・」ってなニュアンスの内容をコメントしたことだった。

まさに、おっしゃる通り。

自分たちがイメージする「人とボールの動きのリズム」が、うまく高揚してしかないような状況。

要は、相手ディフェンスが、勢いのある(クレバーで忠実な!?)プレッシング守備をブチかましてくるような状況では、どのように対応すべきなのか・・というテーマのことだよね。

たしかに、この試合でのイラクは、忠実で(レベルを超えた!)ダイナミズムに支えられたスーパープレッシング守備をブチかましてきた。

とにかく彼らは、日本の組織サッカーを「抑え込む」というイメージでトレーニングを積み重ねたに違いない。

そして、ボールホルダー(次のパスレシーバー)への、レベルを超えた勢いのチェイス&チェックをブチかましつづけるんだよ。

とにかく、彼らの「追いかける勢い」は、ホントにレベルを超えていたんだ。

このチームは、先日のリオオリンピックで、ブラジルと引き分けた「イラクU23チームの構成メンバー」が半分以上を占めていると聞く。

そんなハングリーな若武者たちが、脇目もふらず、日本のコレクティブサッカーを潰しにきたっちゅうわけさ。そりゃ、並大抵のやり方じゃ、その勢いを「いなせる」ワケがない。

彼らは、日本チームのパス(ボール)に対して、次、その次と、忠実に、そしてクリエイティブに、その動きを封じてしまうんだよ。

まあ、日本チームにも、問題はあったよね。

私の眼には、そのもっとも大きな問題点として、ポジションチェンジの減退だと映っていた。

原口元気と本田圭佑が左右のタッチラインゾーンに、また中央ゾーンでは、岡崎慎司と清武弘嗣がタテに並ぶってな「基本ポジショニング」に、はまり込んでいたんだ。

要は、ゼロトップ的な、クルクルとポジションを「入れ替える」ような、変化に富んだ「人の動き」が皆無だったというわけさ。

もちろん、そんなグラウンド上の「ネガティブ現象」は、前述したイラクの活発な守備イメージが、ものすごく効果的だったからに他ならない。

だから日本チームのなかでも、「次の仕掛けプロセスへの期待」が裏切られつづけたことでモティベーションがダウンし、人の動きが、どんどん減退していっちゃったんだと思う。

ということで、私は、「そこ」に、攻撃で数的優位な状況を創造するのがままならなかった要因があると思っているわけさ。

それじゃ、人とボールの動きが停滞しちゃうし、ダイレクトパスを織り交ぜたコンビネーションがままならなくなるのも道理だからね。

ここで用いた、ボールを止めない「ダイレクト」でのパスやシュートという表現については、新連載「The Core Column」で発表した「このコラム」を参照して下さいネ。

あっと・・

人とボールの動きが(そのリズムが)ダウンした状態から、いかにして「それ」を活性化させるのか・・というテーマだった。

私もまた、ハリルホジッチ監督と同様に、局面でのボールをめぐるギリギリの闘い(デュエル)に、より積極的にチャレンジしていくしか、「動きのリズム」を再活性化させられる方策はないと思っているんだ。

そのテーマについては、これまた、新連載「The Core Column」で発表した、「グラウンド上で炸裂する(瞬間的な!)リーダーシップ!」というテーマで書いた「このコラム」もご参照ください。

とにかく私は、イラクの若武者たちが、最後までブチかましつづけた「ギリギリの闘う意志」があったからこそ、日本代表にとって、これ以上ない程の学習機会になったと思っているんだよ。

それは、時間の経過とともに(山口螢の投入がポジティブな影響を与えたことも含めて!)、日本代表チームも、どんどんと「闘う意志」を充実させていったからに他ならない。

そんな、ポジティブな「高揚体感」こそが、次の自信につながるというわけさ。

それにしても、山口螢が、最後の最後に劇的な決勝ゴールをブチ込んだシーンは、ホント、感動的だった。

日本代表選手たちの心に刻み込まれたポジティブ(感動)体感は、自信と確信レベルの高揚とか、チームの結束力とか、闘う意志の充実とか、かならず「次」につながるはず。

さて次は、勝負のオーストラリア戦だ。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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