トピックス
- 2016_WM最終予選・・3人目、4人目が絡むダイレクトパス・コンビネーションこそが!・・(日本vsUAE、1-2)・・(2016年9月1日、木曜日)
- 「あっ!!・・また見てなかった・・」
そのとき、頓狂な声が出てしまった。
大島僚太が、決定的なダイレクトスルーパスを送り込むチャンスを逃してしまったのだ。
その直前、大島僚太は、安全な横パスを受けたのだけれど、同時に、最前線で、本田圭佑が、ズバッという爆発音がしそうな全力スプリントで、決定的スペースへ抜け出したんだよ。
もちろんオフサイドにならない、ギリギリのタイミング。「もし」大島僚太が、ダイレクトで、決定的なタテパスを送り込んでいたら・・。
でも大島僚太は、その横パスをトラップしちゃった。
それだけじゃなく、私には、大島僚太が、最前線で本田圭佑がブチかました決定的フリーランニングに気付いていなかったようにも見えた。
そりゃ、頓狂な声とともに溜息が出てしまうのも道理でしょ。
でも、そんな大島僚太だったけれど、全体的には、攻守ハードワークとともに、とても高質な創造性プレーも魅せていた。
中盤ディフェンスでも、キャプテン長谷部のパートナーとして、とても充実したコノテーション(言外に含蓄される意味)を内包する実効プレーを魅せつづけていたんだ。
だから、なおさら、落胆の幅も大きかったということなんだろうと思う。
そんな、前述の決定的ダイレクト勝負パスを送り込めるチャンスは、その他にも、何回かあった。でも結局は、一度も・・。
まあ、仕方ない。
彼には、ビデオを見直すことで、パスレシーバーとともに、とことん、実効あるイメージトレーニングに励んでもらいたいと切に願うよ。
何せ、彼の全体的なパフォーマンスには、大いなる将来性が詰め込まれていたことも(彼が期待の星であることも!)確かな事実なのだから・・。
あっと・・
どうして私が、そんなレベルを超えて難しい、「大きな」ダイレクトパス・コンビネーションを仕掛けていくことに期待したかって!?
それは、UAE守備が、日本のダイレクトパス・コンビネーション(そのリズムと目標スペース!)に対して、とても充実した(!?)準備をこなしたことを体感させられたからなんだよ。
彼らは、ボールがないところでの日本代表選手(パスレシーバー)の動きを、ことごとくマークし、潰していたんだ。
だから私は、日本代表がゲームの全体的な流れを明確に牛耳っていたにも関わらず、とても難しいゲームになる・・と感じていたわけだ。
いや、もっと言えば、「日本がイニシアチブを握っていたからこそ、勝負的には、より危険なゲーム展開になる・・」って感じていたっちゅうことになるかな。
そう・・。何せ、UAEがブチかますカウンターには、高いテクニックと並外れたスピード&パワーという、レベルを超えた危険ファクターが満載されていたわけだからさ。
UAEは、日本とのアウェー初戦を戦うために、長い期間キャンプを張っていたとのこと。
もちろん彼らは、日本代表のダイレクトパス・コンビネーションの「リズムと狙いどころスペース」を、ビデオを駆使したイメージトレーニングで、しっかりと把握していたに違いない。
そして今日のゲームで、その成果が、如実に表現されたっちゅうわけだ。
もちろん日本も、何度かは、クロスなどで決定的なチャンスは創りだした。
でも我らが若武者たちは、ツキに見放されただけじゃなく、UAEの猛者連中がブチかます必殺スライディングタックルで潰されまくっていた。
UAEのディフェンスがブチかました、危急状況でのカバーリングと必殺スライディングタックルには、それは、それは、ものすごい「闘う意志」が込められていたんだ。
それに対して日本の「意志」は、とても矮小だった。
ネガティブなコトには、あまり目を向けたくないけれど、誰が観ても、清武弘嗣の闘う意志が十分なレベルになかったのは明白な事実だろうから、書かざるを得ない。
私は、彼のプレーに、とても落胆していた。
ブンデスリーガでもリーガエスパニョーラでも、良いときの彼は、「こんなモノ」じゃない。
でも今日の彼のプレーからは、明確に、「ミスをしたくない・・」という気持ちがあふれ出ていたと感じた。
皆さんも観られたとおり、PKでリードされてからの日本のプレーが、ものすごく積極的になったでしょ。
要は、失うモノがなくなった・・ということ。
だから、フッ切れた心理で、より積極的に、リスク(勝負のスルーパスや勝負ドリブル等など)にもチャレンジするようになった。
だから、より多く、危険なシーンも作り出せるようになった。
でも・・
そう、日本の仕掛けに危険なニオイが強くなるに従って、UAEディフェンスの「意志」にも強烈なパワーが上乗せされていったんだよ。
そして日本は、そのパワーアップの上を行くことは出来なかった。
相手の守備イメージを凌駕する勝負プレー。
例えば、味方ボールホルダーを全力スプリントで追い抜いて決定的スペースヘ入り抜けるようなプレー。
それによって、自分が決定的パスを受けられるだけじゃなく、相手ディフェンスを引きつけることで、味方に決定的スペースを作り出すこともできる。
たとえば・・
まあ、数え上げたらキリがない。
そんななかで、もっとも、UAE守備をビビらせていたのは、何といっても、本田圭佑がボールを持った状況だったね。
UAE選手たちは、ボールを持つ本田圭佑には、簡単にはアタックできない。そして、ズルズルと押し込まれていくんだよ。だからこその「効果的なタメ」。
本田圭佑がボールを持ったら、多くのケースで、最終勝負の効果的な起点(タメ)になっていた。
私は、そんな、相手にとって「危険なニオイ」を放散するような最終勝負の起点プレーを、香川真司にも期待していた。
まあ、最後の方は、彼もリスクチャレンジにトライしていたけれど、もっと前から、そんなチャレンジプレーをブチかましていくべきだったと思う。
何せ、何人かの選手は、最終勝負コンビネーションのイメージが「ズレ」ていたり、消極的なプレー姿勢に終始したりしていたわけだからね。
だからこそ、本田圭佑と香川真司が、積極的なリスクチャレンジで、チームメイトたちへの「強烈なカツ」をブチかまさなきゃいけなかったんだよ。
まあ・・結果論ではあるけれど・・サ。
とにかく、「個の勝負ファクター」が充実していない日本代表だから、彼らの勝負の中心は、やはりダイレクトパス・コンビネーションっちゅうことになるよね。
それを駆使してスペースを攻略し、そして中央ゾーンからダイレクトパス・コンビネーションをブチかましたり、サイドからの、ピンポイント(トラバース)クロスで最終勝負を挑んだり。
前半には、本田圭佑にピタリと合ったピンポイントクロスシーンがあったし、後半には、ニアポストに走り込む清武弘嗣の足にピタリと合うようなグラウンダーの「トラバース」クロスが決まりかけた。
また、クロスボールを本田圭佑がアタマで折り返し、それを(交替出場した)浅野拓磨がフリーで叩くってな決定的シーンもあった。でも・・
まあ仕方ない。
今の日本代表には、まだまだ、動きの有機的な連動性に課題があるわけだから・・。
そう、冒頭で書いた、大島僚太から「出るべきだった」ダイレクトの決定的ロングスルーパス・・等など。
いまの日本代表チームが秘める、もっとも効果的な武器は、それだからね。
最後に、(ダブル)ボランチの、攻撃での重要性についても言及しておこうかな。
いや、それは語り尽くされたテーマだから、「反芻」と言った方がいいかもしれない。
誰もが分かっているように、理想的なダブルボランチは、交互に「上下動」しながら、ゲームの流れを組み立てる。
そう、彼らは、交替に、ゲームメイカーとしても機能しなきゃいけないんだよ。
もちろん、その「ゲームメイキングの機能性」がアップしてくれば、タイミングを見計らって、チャンスメイカーとしても存分に機能できるようになる。
そう、最終勝負を「司る」必殺パサー・・。
その視点でも、冒頭で取り上げた「決定的なダイレクト勝負パス」も含めて、全員が、勝負コンビネーションイメージをシェアしていなきゃいけないというわけだ。
もちろん、ハリルホジッチ監督のサジェッション(連動イメージの構築作業)もあるだろうし、選手たちの仲間ウチでの「イメージシェア作業」もあるでしょ。
とにかく、今の日本にとっては、ダイレクトパス・コンビネーションこそが、生命線だという確かな事実を、チーム内で、もう一度、心底たしかめ合うことが必要だと感じていた筆者なのでした。
あっと・・
チト落胆ではあったけれど、日本代表は、このピンチをポジティブに活用しなきゃいけない。
そう、脅威と機会は表裏一体。これは、ホントに、真理だよね。
まあ、百戦錬磨のハリルホジッチさんのことだから、余計なお世話だろうけれど・・。
ということで今日は、こんなトコロで筆を置きます。
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- あっと・・
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- ちょっと、プロモートさせてくださいね。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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