トピックス


2017_ACL・・フム〜ッ!!・・フロンターレが抱える課題は小さくないね・・(フロンターレvsスウォン、1-1)・・(2017年2月22日、水曜日)

今日は、これから、別な仕事もフィニッシュしなきゃいけない。

だから、とにかく簡単にポイントだけをまとめたいと思います。

でも、まあ、ディスカッションは、一人の「新戦力」を中心に回りますかね。

そう、家長昭博。

ゲームの立ち上がり20分間ほどは、フロンターレが、完璧にイニシアチブを握った。

・・いいじゃん・・鬼木達監督は、よい仕事をしている・・

・・なんて思っていた。でも・・

そう、徐々に、ゲームの「真の深層構図」が見え隠れしはじめたんだよ。

フロンターレは、たしかにゲームの流れは掌握しているし、しっかりと人とボールを動かせている。でも、肝心のスペース攻略が、ままならない。

もちろん、スウォン守備が、フロンターレの仕掛けのツボを抑えるというニュアンスも含めて、とても堅いということが一つの要因ではあるけれど、逆に、フロンターレの攻撃にも、具体的な課題が見えてきたんだよ。

そう、人とボールの動きの「リズム」だけじゃなく、そのコンビネーションの輪に絡んでいくチームメイトたちの「量と質」に、チト違和感を感じていたんだ。

フロンターレの真骨頂である組織コンビネーションのコアは、効果的なダイレクトパス・コンビネーションの活用にある。

ボールを止めないパスやシュートについて、私は、「ワンタッチ」なんていう軽いモノじゃなく、「ダイレクト」という表現にこだわる。

それは、そのプレーが、イレギュラーするボールを足で扱うサッカーにおいて、本当に特別なコノテーション(言外に含蓄される意味)を内包しているからなんだ。

このテーマについては、「The Core Column」シリーズで発表した「このコラム」をご参照あれ。

そんな、ダイレクトパスを駆使する組織コンビネーション(その素早さ、広さ、深さ等など)で、フロンターレは、リーグでも屈指の「高質サッカー」を展開しているわけだ。

そう、美しく勝つことを志向するハイレベルサッカー。もちろんソレが、結果を残せないという大きなリスクと背中合わせであることは言うまでもないけれど・・サ。

でも、そんな高質サッカーを追求するチーム(その代表格がレッズとフロンターレ!)がいることこそが、日本サッカーにとって、とても大きな意義を内包していると思っている筆者なのだ。

でも、この試合でのフロンターレは・・

そう、ちょっと、彼らの理想イメージから外れてしまっていたんだよ。

もちろん、牛若丸(=中村憲剛)をコアに、しっかりとしたリズムの「動き」は演出されている。でも、前述したように、3人目、4人目の、コンビネーションへの「絡み」が、どうも希薄なんだ。

私は、その要因を、こんな風に見ていた。

・・以前と比べて、前戦ブロックのポジションチェンジが、うまく活性化していない・・たしかに横方向にはポジションを変えるけれど・・

・・それだけじゃなく、以前は、タテのポジションチェンジも活発だったよな・・

・・わたしは、そんな彼らの活発なポジションチェンジを「ゼロトップ」なんて表現していたっけね・・

・・でも、この試合では、どうも・・特にタテ方向のポジションチェンジがうまく機能していなかった・・

・・要は、ボールをキープするポストプレイヤーの周りを「追い越していく3人目、4人目のフリーランナー」が出てこないという表現に集約されるということ・・

・・そう、それこそが効果的なタテのポジションチェンジの基盤なんだよ・・

・・ってか〜〜っ!!・・

わたしの横に座っていた講談社の矢野さんと、その話題になった。

彼が言う。

「中村憲剛が、タテに抜け出していけませんよね・・それって、家長昭博が、最前線ポジションに居座りすぎているからなんじゃないかな〜〜・・」

ピンッ!!

そのとき、アタマになかで何かが弾けた。

そう、その通りっ!!

そういえば私は以前、「最前線のフタ」なんていう表現をよく使ったものだった。

そのポイントについて、鬼木達監督に聞いた。

そしたら彼は、とても真摯に、こんなニュアンスの内容をコメントしてくれた。

「スウォンに、ボールを(悪いカタチで!?)奪われるシーンがつづいたことで、たしかに、徐々に足が止まり気味になってしまいましたよね・・あっと、ご質 問で述べられたゼロトップという表現・・たぶん、大久保嘉人の、大きな前後の動きのコトを言ってらっしゃるのだとは思いますが、我々は、そうとは考えてい ませんでした・・」

まあ確かに、鬼木達監督が言うように、「足が止まり気味になった・・」という表現も当てはまるようなグラウンド上の現象ではあったわけだけれど、私は、それこそが、フロンターレがチャンスを創りだせなかった最も大きな要因だと考えていたんだよ。

そう、最前線のフタ。

もちろん別な論評もできるよ。

例えば・・

・・牛若丸が中心になって、前戦に指示を飛ばしたり、もっと活発に「タテ方向に」ボールを動かしたりすることで、人とボールの動きを活性化させられた・・

・・とかね。

さて〜〜っ・・

ということで、最後に、家長昭博について、もう一言。

たしかに彼は、フロンターレの組織サッカーに馴染もうと努力している。

これまでの彼のイメージとは、チト違う攻守ハードワークを魅せてもらったからね。

またボールをもっても、「まず、仲間と共有するイメージのリズムでパスを回す・・」ことに、ものすごく気を遣っていることが手に取るように感じられた。

それは、それで、よいプレー姿勢だとは思う。

でも・・

そう、そこには、家長昭博という「個の天才」を活かし切れていない・・という視点もあるんだよ。

要は、組織プレーと個の勝負プレーの「高質なバランス」という視点。

何度か、「どうして、そこで横パスを出しちゃうんだよ・・勝負だろ・・勝負っ!!」なんていう、頓狂な声が出てしまったよ。

それほど彼は、個のドリブル勝負(リスクチャレンジ)を仕掛けていくことに消極的だったんだ。

だからこそ、鬼木達監督には、家長昭博の感性を、「程よく解放してやる」ということへの、効果的な心理マネージメントを期待するわけさ。

もちろん、あくまでも「バランスの取れた解放」だよ。あくまでも・・

そんな視点でも、これからのフロンターレ(家長昭博の解放と、牛若丸のリーダーシップ等など)に、大いに期待している筆者なのであ〜る。


============

ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

-------------------

あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


============

最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


===============

 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

==============

 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





[ トップページ ] [ Jワンポイント ] [湯浅健二です。 ]
[ Jデータベース ] [トピックス(New)] [ 海外情報 ]