トピックス
- 2017_J2・・風間八宏もロティーナも、深くサッカーを理解し、その深層メカニズムを心から楽しんでいる!?・・(ヴェルディvsグランパス、 2-1)・・(2017年6月10日、土曜日)
- ・・それは、交替出場した選手をはじめとして、すべての選手たちが、しっかりと(自分主体で!?)対応してくれたからだと思う・・監督の采配は、そのキッカケをつくったに過ぎない・・
・・サッカーでは、あくまでも選手が主役なんだよ・・監督が期待を込めた采配に命を吹き込むのは、彼ら以外にはいないわけだから・・
いいね〜、ヴェルディ監督ロティーナ。
・・選手たちの戦術的なタスクの調整や、ドウグラス・ヴィエイラの投入は、素晴らしい結果を引き寄せた・・
・・ふつう、それは、監督の采配の妙として、大いに賞賛されるのだが・・
そんな私の質問に対して、ロティーナさんが、冒頭のように、とても素敵にコメントしてくれたっちゅうわけだ。
でもネ・・
私は、決して質問に、「悪意」」を込めたわけじゃないよ。
純粋に、大成功を収めたご自分の采配について改めて質問されたとき、ロティーナさん自身が、どのように対応するかが知りたかったんだよ。
そのときロティーナさんは、一瞬「タメ」てから、言葉をつむいでいった。
そりゃ、そうだよな〜・・。
フットボールネーションの記者連中は、ホントに、アイローニックな(皮肉マンマンの斜に構えた!?)ヤツらが多いからネ。
私のドイツの友人たちも、ご多分に漏れず・・。へへっ・・
でも私は、ロティーナさんが、本場メディアを相手にするときのような「手練手管コメント」を出したとは思っていない。
そうではなく、あくまでも素直にコメントしたと思っているんだよ。
とはいっても・・
もちろん、「へへっ・・オレがイメージしたことが、ホントに見事にツボにはまったぜ・・」ってな、本音の満足感「も」あったでしょうがネ。
そのロティーナさん・・
会見のスタートアップコメントだけじゃなく、質疑応答など、全てのコメントで、グランパスの素晴らしいサッカーを褒めちぎっていた。
「グランパスが魅せたサッカーは、ハイレベルなだけじゃなく、心奪われる魅力にあふれていた・・」ってね。
そんなフェアな(清々しく素直な!?)評価にも、ロティーナさんの優れたパーソナリティーとインテリジェンスが、うかがい知れた。
あっと・・、成功を収めたロティーナの采配のいくつかを、私なりに表現してみましょうか。
まず何といっても、ドウグラス・ヴィエイラの交替出場(そのタイミングと戦術的な指示内容!?)。
それによって、ヴェルディの、効果的なタテへの(ロング)勝負パスが格段に増えたんだよ。
もちろんヴェルディは、ショート&ショート&ロング・・ってなイメージで仕掛けていくわけだけれど、そこでの「タテへのロングフィード」の勢いが、大幅にアップしたと感じたんだよ。
そして、そんなタテパスを呼応して、りドウグラス・ヴィエイラだけじゃなく、アラン・ピニェイロも、しっかりと最前線の起点になれていた。
だからこそ、ヴェルディ選手たちの、後方からの「サポート」も活性化できたし、それによって同点ゴールまで導き出せた。
そしてもう一つが、そんな「タテへの積極的な仕掛け」にとって、様々な意味合いで基盤となった中盤ディフェンス。
ヴェルディは、グランパス中盤の「人とボールの動きの抑制」に成功したんだ。
それまでグランパスに、まさにチンチンにボールを回されていたヴェルディ。
彼らは、(ロティーナの采配によって!)グランパスのボールの動きのコアになっていたダブルボランチ、田口泰士とワシントンを抑えにかかったんだよ。
ロティーナは、ベンチからの指示による「戦術的なイメージの調整」だけじゃなく、ベテランの橋本英郎もグラウンドへ送り出したんだ。
そして、その采配が、まさに見事にツボにはまったっちゅうわけだ。
それまで自由自在にボールを動かしていたグランパスの中盤パスワークが、急に、まさに急に、ぎこちなくなってしまったわけだからね。
もちろん、逆にヴェルディは勢いづく。
そんな、グラウンド上の「大きな流れの変容」によって、ヴェルディが、見事な逆転劇を完遂させたっちゅうわけさ。
そりゃ、賞賛に値する監督采配ではあったよね。
でもロティーナさんは、あくまでも、選手の意識と闘う意志を讃えていたっちゅうわけさ。
イレギュラーするボールを足で扱うサッカーだから、最後は、選手たちの意識と意志「こそ」が、すべてを決める・・。
ロティーナさんは、そんな基本的なサッカーのメカニズムを知り尽くしているからこそ、冒頭のようなコメントを、いとも簡単(自然)に出せたっちゅうことなのかもしれない。
さて、ということで、ここからは風間グランパスに対する賛辞。
彼には、私も含めて、いくつも質問が飛んでいた。
その質問のメインテーマは、グランパスのサッカーが、とても良くなっていること。
たしかに、ボールは、ものすごく軽快に動きつづけている。
そして、その活発な「動き」を積み重ねるなかで、グランパスが、相手守備ブロックの穴(決定的スペース)を攻略しつづけちゃうっちゅうわけさ。
私は、以前、風間サッカーの根幹を為す「動きのリズム」っちゅうテーマで、「The Core Column」で、こんなコラムを発表したことがある。
そう、「あの」バルセロナと比較するような内容でね。
その視点でも、グランパス選手たちが、「ボールの動きのリズム」を明確にイメージできているって高く評価できそうだ。
そして、そんな「動きのリズム」に対する共通理解があるからこそ、「このタイミングで、ここにパスがくる・・」と鮮明にイメージし、パスレシーブの動き(フリーランニング)を、本当にスムーズに繰り出していけるっちゅうわけだ。
それは、まさに、トレーニングの賜物。
もちろん、風間八宏の、プロコーチ(ストロングハンド)としてのウデの内実も含めてネ。
まあ、とはいっても、私は、ボールだけじゃなく、「人とボールの活発な動きと、それをマネージする動きのリズム・・」ってな表現まで至りたかったんだ。
その視点では、まだまだなのさ。
風間さんも分かっている。
そう、まだまだ「人とボールの動きのリズム」を改善できることを。
とはいっても、この短い期間で、グランパスを「あのレベル」まで引き上げられたのだから、風間八宏に対しては、賞賛の言葉しかないよ。
お見事〜〜っっっっっ・・
このまま発展していけば、人の動き「も」よりアップしていくだろうし、守備も堅いから、まさに「美しく勝てるグランバス」ってなコトになりそうだね。
美しく勝つサッカー・・というテーマについても、「The Core Column」で発表した「このコラム」をご参照あれ。
ということで、ロティーナと風間八宏の、哲学的な「共通項」・・。
イレギュラーするボールを足で扱うという不確実な(理不尽な!?)サッカーだからこそ、選手たちは、強い意識と意志をもって主体的に考え、勇気をもって実行していけなければならない。
そう、そんなプレー姿勢こそが、「究極の自己主張・・」であり、ロティーナと風間八宏が希求して止まないサッカーの根源なんだ。
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- ところで・・
チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。
以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。
彼女については、このページやあのページを参照してください。
私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。
その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。
藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。
「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。
ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。
また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。
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- あっと・・
- 私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」。
- ちょっと、プロモートさせてくださいね。
- この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」。
- とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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