トピックス
- 2017_日本代表トレーニングマッチ・・たしかに、メンタル(勇気!?)的な課題も見え隠れしていたよね・・(日本vsハイチ、3-3)・・(2017年10月10日、火曜日)
- ・・わたしが監督に就任してから、最低のサッカーになってしまった・・
・・言い訳はしない・・それは、バイードの(オレの!)責任だ〜〜っ!!・・
あっ・・と、この発言は、バイード・ハリルホジッチさんご自身のモノでした。
そんなネガティブな内容を中心に、バイードは、たくさん、たくさん話しつづけた。
でも、その中に、私にとって、もっとも重要なコノテーション(言外に含蓄される意味)が内包された短いコメントがあったんだ。それは・・
・・メンタルが弱く、脆(もろ)い・・
このテーマについては、後述します。
さて・・
では、まず、ゲーム展開の内実が変容していった軌跡から入っていくことにします。
立ち上がりの日本代表・・
両チームの監督が異口同音に認め合っていたとおり、彼らは、完璧にイニシアチブを握り、何度も、ハイチ守備のウラスペースを攻略してシュートチャンスを創りだした。
そんなゲームの流れは、言わずと知れた、日本代表の素晴らしいディフェンスがあったからこそのモノだった。
そう、バイードが言う「局面デュエル」で、日本が圧倒していたんだよ。
だからこそ、次の攻撃でも、人数をかけて仕掛けていけた。
だからこそ、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションも冴えわたる。
そんなダイレクトパス・コンビネーションの主役を張ったのが、前回のニュージーランド戦でも存在感を発揮した(落ち着いたゲームメイクを魅せた!)小林祐希だった。
何度も、タイミングとコースが抜群のダイレクトパス一発で、ハイチ守備のウラを突いちゃう。
それは、それは素晴らしい、ゲーム&チャンスメイクだった。
ホレボレさせられた。
そんな小林祐希の才能を体感しているチームメイトたちも、積極的に彼を「探して」パスを付けていたっけね。
でも・・
そう、日本が2ゴールをリードした辺りから、雲行きが怪しくなってきた。ハイチが、やっと「ゲームに入っていける」ようになったんだ。
それまでの(前半20分あたりまで!?)完璧な日本のイニシアチブ状態かられすれば、チト、違和感に包まれるような、ゲームの流れの変容ではあった。
要は、ハイチが、やっとゲームに馴れてきたということなんだろうね。
もちろん、その絶対的ベースは、ハイチの守備が安定しはじめたことだった。
そう、ボールがないところでのマーキングが、より厳しくなり、ボールホルダーへのプレッシングもきつくなっていったんだ。
だから日本代表も、それまでのように、楽にボールを奪い返せなくなったし、次の攻撃でも、人とボールの動きが抑え込まれることで、どんどん鈍重になっていったんだよ。
(ハイチのマーキングが厳しくなったことで!?)日本代表の人の動きが止まり気味になり、足許パスが増えていったということだね。
もちろん、「そこ」から、(前半20分あたりまでのように!)3人目、4人目のフリーランニングを活かすようなダイレクトパスコンビネーションが炸裂すれば問題なかったんだけれど・・
でも、日本のやりかたに馴れてきたハイチ守備の機能性アップは、レベルを超えていた。
逆に、だからこそ、ハイチの(次の)攻撃も勢いを増幅させていったというわけだ。
ゲームの(ボール支配という意味合いの!)イニシアチブは、日本が握っているにもかかわらずだよ・・
そのイニシアチブだけれど・・
それは、単にボールを支配する割合が「ハイチよりも少し高いだけ・・」っていうことなんだ。
そう、日本代表は、そのポゼッション(!?)から、タテへ仕掛けていくリスクチャレンジのコンテンツが抜け落ちてしまっていたんだよ。
足許パスばかりが、ハイチ守備の「眼前」で展開される・・ってな体たらく。
それじゃ、ハイチ守備にとって、まったく怖くないよね。
そして、逆にハイチに、同点ゴールや逆転ゴールをブチ込まれる・・ってな展開へと、ゲームが暗転していったんだ。
もちろん、交替した井手口陽介は、守備だけじゃなく、攻撃でも、自分が主体になって、何度もタテへ仕掛けていくなど、(そんな闘う意志が!!)とても良かったと思う。
でも・・
まあ、交替したプレイヤーも含め、個人の評価については、チームメイトや全体的なサッカー内容との関係性もあるから、軽々に書くつもりはない。
それでも、リスクにチャレンジするという、創造性サッカーにとって最重要なエッセンスが欠けていたことについては、やはり指摘せざるを得ない。
だからこそ、前述した、バイードのコメントに納得するわけさ。
メンタルが弱く、脆(もろ)い・・
とはいっても、「このままじゃ負けちゃう・・」っちゅう現実が、チーム全体でシェアされた最後の10分ほどは、まったく違ったサッカーになったよね。
原口元気のスーパードリブルシュートやタテへのダイレクトパスコンビネーションだけじゃなく、3人目、4人目のフリーランニングも含めて、誰もがタテへ仕掛けていったんだ。
そんな、チーム全体が共有する「アグレッシブマインド」こそが、世界へ向けた「ブレイクスルー」を達成するために、もっとも重要なエッセンスなんだよ。
そう、勇気・・
またまた、ドイツ史に残る哲学者、ニーチェに登場してもらいましょうか。
曰く・・
・・名声を失ったら、また積み重ねていけばいい・・カネを失ったら、稼ぎ直せばいい・・でも、勇気を失ったら、生まれてきた意味がない・・
イレギュラーするボールを足で扱うことで、不確実な要素が満載のサッカーだから、最後は、勇気をもって、自由にリスクへもチャレンジしていかなければ、進化など望むべくもない・・。
だからこそ、優れたサッカーは、リスクチャレンジや、積極的にバランスを「崩していく」ような積極プレーのオンパレード・・。
等など・・
ということで私は、サッカーこそが、21世紀の日本社会にとって、明確なイメージリーダーになり得る社会的な存在だとすることに躊躇(ちゅうちょ)しないんですよ。
ということで・・
最後に、小林祐希。
ハイチの1点目シーンでは、彼のマーキングミスが失点の直接的原因になった。
また、ゲームが拮抗しはじめてからは、日本が盛り返すために必要とされる、攻守ハードワークの内実に大いなる課題を抱えていることが白日の下にさらされた。
日本が完璧にイニシアチブを握り、彼のところに「良いカタチ」でボールが集まるような状況では、彼の「戦術眼という才能」が、光り輝くよね。
でも、W杯の舞台で対峙するのは「世界」。
そこでは、選手全員に、井手口陽介のように、攻守ハードワークで「価値を提供」することが求められるんだよ。
まあ、小林祐希の「良いところ」ばかりが注目されたから、このゲームを通して、彼が抱える「課題」にもスポットが当たったことを、ポジティブに捉えましょうね。
ということで・・こんなところで・・
・・って書きながら、やっぱり最後は本音が出るんだよ。
山口螢と長谷部誠というチームの「絶対的コア」に対する思いが募る〜〜・・ってね。
へへっ・・
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- ところで・・
チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。
以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。
彼女については、このページやあのページを参照してください。
私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。
その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。
藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。
「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。
ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。
また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。
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- あっと・・
- 私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」。
- ちょっと、プロモートさせてくださいね。
- この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」。
- とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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