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2018_J1_第18節(延期マッチ)・・ベルマーレが最後の最後までブチかましつづけた「意志のサッカー」に乾杯!!・・(ベルマーレvsフロンターレ、0-0)・・(2018年9月26日、水曜日)

スゴかったね〜、ベルマーレ。

えっ、何が!?

いろいろあるけれど・・

まあ、何といっても、前半20分過ぎの、「守備イメージ修正」によるサッカー内容の好転と、それを、最後の最後まで「高み」で維持しつづけられたコトだね。

それって、限りなく、選手たち主体の修正!?

もちろんチョウ・キジェも指示を飛ばしただろうけれど、「そのイメージ修正」を、しっかりとチーム全体でシェアし、機能させられたことは素晴らしいの一言に尽きる。

それもまた、優れたストロングハンド、チョウ・キジェによる、主体性と勇気をアップさせる心理マネージメントのタマモノっちゅうことなんだろうね。

フムフム・・

あっと、ベルマーレのサッカー内容の好転・・

その現象は・・

・・ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション(素晴らしいリズムの動き!)と、家長昭博を中心にした個の勝負プレーが、とても高質にコラボレートする「強い、強〜い」フロンターレ・・

・・そんな彼らに押し込まれ、ウラの決定的スペースまでも何度か攻略されるといった、チト、ジリ貧気味の「前半20分」までのベルマーレ・・

・・でも・・

・・そう、ベルマーレは、押し込まれつづけるのじゃなく、前半20分過ぎあたりからは、しっかりと押し返しはじめたんだ。

それは、とても、とてもインプレッシブなゲーム展開の「逆流」ではあった。

その背景にあったのが、前述した守備イメージの修正だった・・と思うわけさ。

ゲームの立ち上がり・・

例によって、ガンガン前からボールを奪いにいくベルマーレ。

でも、そんな前へのプレッシングの勢いが、フロンターレの、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションによって、スッ、スッと「肩透かし」を喰らってしまうんだ。

そして、ベルマーレの、前からボール奪取勝負を仕掛けていくダイナミズムが減退していったっちゅうわけさ。

そう、ベルマーレは、描いていた「ゲーム運びイメージ」を、うまく機能させられず、相手に逆手をとられてしまったっちゅうわけさ。

そんなだから、選手たちの「意志ポテンシャル」が徐々に減退し、ボールがないところでの守備アクションの量と質もダウンの一途をたどっていくのも道理。

それは、まさに「ジリ貧の展開」っちゅうことだね。

そうなったら、チェイス&チェックと、周りの味方による守備アクションの「連動性」がバラバラになってしまうのは当たり前。

いくら、プレッシングでフロンターレの人とボールの動きを抑制しようとしても、「寄せ」と「次のアクション」がうまく連動しないわけだから・・さ。

そんなだから、至るところにフリーなフロンターレ選手が出現し、連続して「そこ」にボールを回されてしまうっちゅう体たらくに陥るのも道理だったんだ。

まあ、それでも、最終勝負(ピンチ)シーンでは、しっかりと「最後の半歩」が出ていたことで、ギリギリで事なきを得ていたわけだけれど・・。

でも・・

そう、そこから(前半20分過ぎあたりから!?)ベルマーレが、生き返るんだ。

チーム内での修正アクション(チョウ・キジェの指示だけじゃく、チーム内リーダーシップや互いの声かけ等など!?)が、とてもうまく機能したということなんだろうね。

そして、チェイス&チェックの「行き過ぎ」を修正したり、ワンツーや、相手のボールなしのフリーランニングをしっかと「つかむ」など、フロンターレの、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションの「スムーズな流れ」を断ち切ったんだよ。

もちろん、フロンターレが繰り出す、次、その次のボールの動きを、より鋭く「イメージ」するという創造的なイメージングをベースにしてね。

逆にフロンターレは、それまで気持ちよいリズムで「人とボールを」動かせていたのに、急に、うまくスペースを突いていけなくなったコトで、足が止まりはじめたよね。

とにかく、その前半20分過ぎあたりに起きた、様々なコノテーション(言外に含蓄される意味)を内包したグラウンド上の現象は、ものすごく興味深かったんだ。

そして・・

そう、皆さんもご覧になった通り、その後のベルマーレは、ほぼ完璧に、フロンターレの仕掛けの(人とボールの!)動きの「リズム」を抑制しつづけた。

でも・・

そう、もう一つ興味深い現象があったんだ。

それは、ゲーム残り10〜15分あたりからフロンターレが魅せはじめた攻勢と、それを受け止めたベルマーレ守備の内実。

その時間帯から、再び、フロンターレの人とボールの動きが、風雲急を告げはじめたんだよ。

不確実な要素が満載のサッカーは、究極の意志のボールゲーム。

「その時間帯」でのフロンターレは、リーグ優勝を意識し、より「リスクチャレンジ方向」へ舵を切ったっちゅうことなんだろうね。

いや、不確実だからこそ、フロンターレ一人ひとりの「意志ポテンシャル」が際限なく増幅しつづけた・・とも言える。

そして、人とボールの動きが増幅しただけじゃなく、(特にボールがないところでの!)スペースへ抜け出していくフリーランニングや、そこへのリスキーな勝負パスが、うまくリンクしはじめたっちゅうことだね。

でも・・

そう、そんな押し込まれる展開になっても、ベルマーレの「意志のディフェンス」がダウンする気配は、まったくと言っていいほど、感じられなかった。

もちろん、フロンターレの決定的カウンターシーンで、ベルマーレGK秋元陽太がブチかました「魂のセービング」もあったし、PK阻止もあった。

でも、そんなスーパー秋元に勝るとも劣らないほどに、ベルマーレのディフェンスが最後まで魅せつづけた「強烈な意志の闘い」は素晴らしかったんだ。

・・素早い攻守の切り替え・・フルスプリントでの戻り・・ポジショニングバランス・・忠実な粘りマーキング・・同時のインターセプトや協力プレス狙い・・等など・・

私は、ベルマーレが魅せた、そんな「意志のサッカー」に、感動さえ覚えていた。

そして・・

そう、優れたストロングハンド、チョウ・キジェに、心からの拍手をおくっていたんだ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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