トピックス
- 2018_日本代表・・「組織」でも「個」でも、抜群のダイナミズムで勝負を決められる前線カルテット・・彼らの代替は??・・(日本vsキルギス、4-0)・・(2018年11月20日、火曜日)
- やっぱり、勝負は、ボールがないところで決まるっちゅうことだね。
でも、そんな骨子テーマは後からにして、まず・・
皆さんも観られたとおり、後半になって、ウルグアイ戦、ベネズエラ戦で先発した「前線カルテット」が揃ってからの森保ジャパンは、まったく違ったチームになったよね。
何が・・って??
それについては、様々な考え方があるだろうけれど、私は、スペースの「攻略プロセス」という視点で、その前線カルテットのサッカー内容を評価していましたよ。
ところで、そのスペース攻略プロセスだけれど・・
もちろん、サイドゾーンには、常に大きなスペースが広がっている。
だから、「そこ」に、サイドチェンジなどでボールを動かしても、ほとんどのケースで、相手ディフェンダーに対応されちゃうんだよ。
だから、そんな「サイドからの仕掛けプロセスのほとんどは、本当の意味での「スペースの攻略」ということにはならない。
ということで、本物のスペース攻略・・
それを成し遂げるために・・
相手ディフェンスの背後に広がる「決定的スペース」を、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションや勝負ドリブルを、効果的に使い分けながら仕掛けていく。
それが成功したら・・
そう、ほとんどのケースで、(背後を突かれたことで、自ゴールへ向き直ってボールを追いかける!?)相手ディフェンスは、余裕をもって対応できなくなってしまう。
そんな状況を創り出すことこそが、本物のスペース攻略・・ってわけさ。
ということで、前半の先発グループ・・
たしかにゴールは奪ったし、何度かは、スペースが十分にあるサイドからの仕掛けで、流れのなかからもチャンスは創りだした。
でも・・
そう、様々な意味合いで、相手ディフェンスを完璧に崩すような(背後の決定的スペースを攻略するような!)ゴール機会は創りだせなかった。
そして思った。
「あのサッカー」は、何だったんだろうね・・
私は、彼らが展開する「足許パス」のオンパレードに、ため息が出ていたんだよ。
・・なんで、もっとタテへ仕掛けていかないんだ〜〜っ!!・・ってね。
そう、勇気あふれるリスクチャレンジ。
もちろん、たまには原口元気や伊東純也といったドリブラーが仕掛けていったけれど、結局は潰されたり、相手の背後スペースを突くようなコンビネーションまでには至らなかった。
彼らの場合は、攻守ハードワークとリスクチャレンジ(強烈な闘う意志)の内実に大きな課題が!?
さて〜・・
そして・・
ウルグアイ戦、ベネズエラ戦で先発したスーパー前線カルテットが、満を持して登場してきたっちゅうわけだ。
観客の皆さんも、もちろん、この前線カルテットが演出する「美しさ」に対して、大いなる期待を抱いていたんでしょうね。
だから、満員の(・・に近い!?)スタジアムが、彼らの登場にあわせて、大歓声に包まれるのも道理ってなモノだった。
そして・・
そう、例によっての、攻守ハードワークとリスクチャレンジあふれる、組織と個が素晴らしくコラボレートする「美しい仕掛けデモンストレーション」が繰り広げられたんだ。
素晴らしいダイナミズムあふれる本物のスペース攻略プロセス・・
そこでは・・
もちろん中島翔哉、南野拓実、堂安律による、細かなコンビネーションや勝負ドリブルが、観ている者の目を奪いつづけた。
あっと・・
そんな「小兵トリオのリスクチャレンジプレー」にしても、大迫勇也という「ハンパない最前線の軸プレイヤー」による、スーパーなポストプレーや「タメ」があればこそ。
ということで・・
この前線カルテットは、代替が効かない・・!?
フムフム・・
あっと・・
そう、冒頭の、「ボールのないところで勝負は決まる・・」というコンセプト。
それでアタマが占拠されたのは、この前線カルテットがブチかましつづけた、勝負ドリブルとダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションが、あまりにも美しかったから。
そう、「そこ」で決定的に重要だったのは、何といっても、ボールがないところでの「動きの量と質」がレベルを超えていたコトだったんだよ。
ワンツーで、一人が走り抜けるのは、当たり前。
私が言っているのは、そんなワンツーとは違うゾーンで、3人目、4人目のフリーランナーが、最終勝負を明確にイメージし、常に、そして忠実に、「最後まで決定的スペースへ走り抜けていた」という事実なんだ。
そんな、相手ディフェンスのイメージを揺動させる(!?)フリーランニングだから、もちろんキルギス守備が十分に対応できないのも道理。
いや、世界の一流だって、彼らがブチかます、美しいコンビネーションや、タイミングの良い突破ドリブル&最終勝負コンビネーションに、しっかりと対応できるヤツらは少ないに違いない。
そう、ウルグアイにしても、ベネズエラにしても・・
彼らのダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションと勝負ドリブルのコラボレーションには、それほど破壊的な(世界レベルの!)パワーが備わっているんだよ。
ということで、最後に・・
前回コラムでは、ある雑誌の連載で、「この前線カルテットは歴史を創る・・」と書いたことを紹介したけれど・・
実は・・
そこでは、それだけじゃなく、この前線カルテットと「健全な競争環境」を醸成させられる、ヨーロッパで活躍する代表候補選手たちがいる・・とも書いたんだ。
彼らは、言わずもがなだけれど、久保裕也、武藤嘉紀、そして浅野拓磨・・といった面々。
ということで、彼らに(まだ!?)お呼びがかからないのは、チト残念ではあった。
とにかく、上記の三人は、今とても良い状態で、(強烈な意志に支えられた!?)チャレンジプレーを魅せつづけているんだよ。
あっ・・スミマセン・・森保さん・・
人の感性に、土足で踏み入れてしまった〜〜・・
でも実はわたしは、森保一さんが、上記の選手たち「も」視野に入れているに違いないって確信しているんだよ。
そう、私の質問に、そんなニュアンスの内容「も」コメントをしてくれたしね。
ということで、今日は、こんなところで〜〜
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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