トピックス
- 2018_日本代表トレーニングマッチ・・W杯で対戦する相手が、世界の超一流だからこそ!・・(日本vsマリ、1-1)・・(2018年3月23日、金曜日)
- さて〜・・
とにかく、皆さんも観られたとおり、日本代表は、とても落胆させられるパフォーマンスしか魅せられませんでしたよね。
もちろん、相手のマリが、とても強いチームであるという認識「も」もちながら分析しなきゃ、今日プレーした日本代表の選手たちに対してフェアじゃない。
そう・・
マリ選手たちは、ほとんどがヨーロッパの一流クラブに所属していることもあって、サッカーを良く知っているんだよ。
だから・・
フィジカルやテクニックが優れているだけじゃなく、戦術的なイメージでも、とても高いレベルにあるということさ。
とにかく、彼らが魅せつづけた、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション。そして、それを駆使するスペース攻略プロセスに舌鼓を打たれた方は、多かったと思いますよ。
それに対して・・
そう、相手が「強い」からこそ、攻守にわたる数的優位な形を作り出しつづけるために、攻守ハードワークのギアを、一段も、二段もアップさせなきゃいけなかった日本代表だったのに・・。
彼らがW杯で対峙するのは、世界超一流のフットボールネーションだよ。
だから、全てにおいて、もてるチカラを120%出し切らなきゃ、本来のミッションである、「世界への日本サッカーのアピール」だっておぼつかなくなるっちゅうわけさ。
だからこそ、極限の攻守ハードワークの内実をもっと見つめなきゃいけない・・
ディテールをすべて列挙するわけにゃいかないけれど・・典型的なモノはピックしましょう・・
例えば・・
・・チェイス&チェック(相手ボールホルダーやパスレシーバーへの寄せ!)の内実・・
・・そのハードワークに「命を吹き込める」かどうかは、すべてが選手個人の意志による・・
・・その寄せに、単に「義務的なアクション」という雰囲気があふれ、ボールを奪い返すという「本物の意志のほとばしり」が感じられなかったら・・
・・相手だけじゃなく、味方にしても、まったく本気になれない・・
・・相手は余裕をもつだろうし、味方も「次」を狙えない・・
・・そんなだから、「次にボールを奪う」ための連動ハードワークが地に落ちていくんだ・・
また・・
・・攻撃でのパス&ムーブ・・
・・それは、とにかく最低だった・・
・・それじゃ、仕掛けプロセスに人数を掛けられるはずがない・・
・・個のチカラで(ドリブル突破で!)スペースを攻略できない日本代表なんだから、残されているのは、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションしかないじゃないか・・
・・それを機能させるためには、もちろん人数が必要・・
・・そう、パス&ムーブも含めた、勇気あふれる、3人目、4人目の動き・・
なんか、こう、とても落胆しながらゲームの流れを追いかけていた筆者だったのですよ。
もちろん私は、ハーフタイムに落とされるはずの「ハリルのカミナリ」を期待していた。
でも・・
そう、強烈な闘う意志を前面に押し出すハードワークが出そうな雰囲気になったのは、立ち上がりの「1分」くらいだったよね。
それは、とても、とても落胆させられる出来事ではあった。
繰り返すけれど、W杯で対戦する相手は、世界の一流どころなんだゼ。
その「現実」を踏まえたら、このフレンドリーマッチも含めて、日本代表は、ゲームが終わった後に、(満足の表情を浮かべながら!?)疲労でブッ倒れちゃうくらい、強烈な意志を放散しなきゃいけなかったんだよ。
そんな期待に対して・・
攻守ハードワークのコノテーション(言外に含蓄される意味)が、お粗末の極みだったっちゅうわけさ。
もちろん、長谷部誠、長友佑都、大迫勇也は、とてもよい「意志のプレー」を披露したし、タテへ仕掛けたり、ゲームを組み立てるといった実質的な戦術プロセスをリードしていた。
でも、そんな彼らが志向しつづけた「意志のつながり現象」を、途中でブッた切っちゃう選手もいたっちゅうわけさ。
私は、彼らに対して怒り心頭に発していましたよ。観ていた皆さんも、それが誰だったか、明々白々だったでしょ。
彼らに対しては、これからも、意志の攻守ハードワークを期待できないっちゅうコトなんだろうか!?
私には、分からない・・
さて、最後に・・
チト気になった選手についてだけれど・・
このゲームで、チームワークという戦術的な視点で、もっとも欠けていたパーツは、何といっても、井手口陽介だったと思うんだよ。
彼は、攻守ハードワークでも、クリエイティブなボール絡みプレーでも、守備からタテへの仕掛けを演出する「仕掛け人」としても、チャンスメイカーやストライカーとしても、いまの日本代表には、欠くことのできないプレイヤーだよね。
もう一人・・
本田圭佑。
彼が入ってからの「右サイド」は、彼によって、何倍も「危険なゾーン」へと生まれ変わったネ。
改めて、彼のボール絡みプレーの「効果的な価値」を体感させられた。
でもサ・・
この試合じゃ、長谷部誠が抜けたことで、ミッドフィールドの核がなくなってしまったんだから、彼は、「そこ」で、チームの中心としてプレーすべきだったと思ったんだ。
もちろん、もし彼がW杯メンバーに選ばれたら、例によって「ワントップ」として、スーパーなキープ力とパスセンスを存分に発揮して欲しいと思う。
昨年のアウェーのオーストラリア戦。彼のワントップが、ものすごく高質な「ツボ」にはまったよね。
それは、まさに世界レベルのワントップだった。
そのときは、大迫勇也、久保裕也、井手口陽介といった面々は、「衛星プレイヤー」として、スーパーに機能できると思う。
とにかく今日の本田圭佑は、そのクオリティーを、中盤の核として発揮すべきだったと、チト残念に思っていた筆者なんだよ。
繰り返しになるけれど、長谷部誠がいなくなったことで中盤の核が消えてしまったんだから、チーム全員が、敏感に対応しなきゃいけなかった・・と思うわけさ。
あっと、もう一人・・
個人的には、中島翔哉は、とても可哀相だった・・っちゅう印象が残っているんだよ。
彼を使うならば、とにかく彼が、「良いカタチ」でドリブル突破にチャレンジできるように、チームメイト全員で「お膳立て」してあげなきゃいけないよね。
それが・・
そう、「あんなカタチ」でボールを持ったって、ゴリ押しのドリブル勝負しかできなでしょ。
そして、抜群の身体能力を誇るマリ選手に、簡単に潰されてしまう。
まあ、そんな、こんなで、このゲームは、日本にとって「次につながる」コンテンツは、ほとんどなかったと、とても落胆している筆者だったのでした〜。
さて、これから、ドイツの友人たちと、ビールを飲みながら、こちらもフレンドリーマッチの、ドイツ対スペイン戦に、舌鼓を打つことにします。
まあ、このマリ戦については、帰国してから、別なポイントをピックするかもしれません。
では、火曜日のウクライナ戦まで〜〜・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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