トピックス
- 2018_日本代表・・この先発グループは、歴史を創るに違いない・・(日本vsベネズエラ、1-1)・・(2018年11月16日、金曜日)
- まあ、引き分けは残念だけれど、仕方ないネ。
それにしても・・
そう、前線カルテットが交替してからの「仕掛けプロセス」の内実(スペース攻略への危険度!?)が、まったく別物になってしまったのは、とても興味深いグラウンド上の現象だった。
多分それには、さまざまな意味合いで、大事なコノテーション(言外に含蓄される意味)が内包されていたんだろうね。
例えば・・
自信と確信という、心理・精神的な「裏付け」に支えられた闘う意志のポテンシャル・・
それによる、攻守ハードワークとリスクチャレンジの量と質の差異・・
例えば・・
パスを受けてからの、自ら仕掛けていく強烈な意志の内実(原口元気は、立派な個の勝負をブチかましたけれど・・)や、タテへ走り抜ける決定的フリーランニングの量と質・・
などなど・・
たしかに・・
先発カルテットは、とどまることのない、攻守にわたる「爆発プレー」を魅せつづけていた。
そう、主体的な、闘う意志の爆発(ただしい自己主張!?)・・
それに対して、交代メンバーは(まあ、原口元気を除いて!?)、攻守にわたって、様子見の状態に陥ってしまうシーンの連続だった。
そう、受け身で消極的なプレー姿勢・・
それでは、何かを成し遂げることなど望むべくもない。
わたしは、ある雑誌の連載で、(ウルグアイ戦に勝利を収めた!)この先発グループは、歴史を創るに違いない・・と書いた。
そのグループは、「あの」強いベネズエラに対して「も」、まったく臆することなく、自信と確信エネルギーを放散させながら、「自分たちのプレー」をブチかましつづけた。
そう、だから彼らの仕掛けは、とても美しかった。
ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション(組織プレー)でも、抜群の破壊力を秘めた個のドリブル勝負(また相手を引きつけてからの決定的スルーパス!?)でも・・
とにかく、ウルグアイ戦と、このゲームで先発した前線カルテットは、「ゴール機会」という視点で、「あの」強いウルグアイとベネズエラを完璧に圧倒していたんだよ。
だから・・
その先発カルテットだったら、もし相手にゴールを奪われたとしても、すぐにでも「奪い返せる・・」という確信エネルギーが満ちあふれたモノさ。
でも・・
そして、ハタと考え込んだ。
この、グラウンド上の現象の「差の本質」って、一体何なのだろう・・
イレギュラーするボールを足であつかうサッカーは、究極の「心理ボールゲーム」。
強烈な意志ベースのリスクチャレンジのないところに、決して進化はないのだ。
だから、前述したように、選手たちが秘める本来の実力とは関係なく、「意志ポテンシャル」によって、実際のプレーの内実に雲泥の差が出てしまうのさ。
まあ、繰り返しになっちゃうけれど・・
ホンモノの心理ゲームだからこそ、常に、自信と確認をバックボーンに、自分自身で考え、勇気をもってリスクにもチャレンジしていかなきゃ、よいプレーなど望むべくもないっちゅうわけだ。
そんな「良いプレーのバックボーン前提」が整わなければ、そりゃ、無理だよ。
だからこそ・・
柔軟に、状況の変化に対応しながら、自ら、その「バックボーン前提条件」を、高い次元まで高められなきゃならないわけだ。
そう、主体的に考え、勇気をもって行動していくプレー姿勢の進化こそが重要なんだ。
だからこそコーチは、選手たちの「主体性」を極限まで高揚させられるように、心理・精神的な環境を整えなきゃいけないっちゅうわけさ。
あっと・・、前線カルテット交替によるサッカー内容の変容というテーマから、ディスカッションを展開させ過ぎてしまったかもしれない。
スミマセン・・
ということで・・
そう、この「歴史を創るに違いないグループ」について。
彼らは、ボールをもったら(ボールを奪い返したら!)、まったく躊躇(ちゅうちょ)することなく、フッ切れた「タテへの仕掛けプロセス」をブチかましていく。
そのプロセスでは、人とボールの動きが「停滞」するような「タメ」が介在できる、タイミング的な余地はない。
もちろん、その「タメ」が、選手たち全員がシェアするイメージング基盤にのっとったモノであれば、仕掛けの「戦術的なハバ」は広がるかもしれないけれど・・
まあ、今のところ、このグループでは、そんな「タメ」は、彼らの仕掛けプロセスの流れを(全員がシェアする仕掛けイメージのリンキングを!)殺ぐ方向へいってしまうだろうと感じる。
ところで、「昔の名前のグループ」だけれど・・
その中心選手たちには、残念ながら、ホンモノのドリブラーは、いなかった。
だから彼らは、組織的な「仕掛けのリズム」を変化させる必要があった。
そう、タメ・・
そして、そんな、仕掛けプロセスの「テンポの変化」をうまく利用し、急激なスピードアップとパスによって裏スペースを攻略していこうとしたんだ。
もちろん「それ」が、うまく機能した時期もあったし、そのやり方で、しっかりとW杯アジア予選を勝ち抜いたんだから立派だ。
でも、この「歴史を創るに違いないグループ」は違う。
彼らは、相手ディフェンスとは関係なく(様々な心理的ブレーキを感じることなく!?)、限りなく、自分たち主体で仕掛けていけるんだよ。
それは、日本サッカー史のなかでも、希有な「出来事」なのかもしれない。
いや・・
もちろん日本サッカー史では、スーパーに積極的な攻撃サッカーで「強い」相手を圧倒し、結果を残すことで、日本全体に誇りを感じさせてくれたグループもあったよね。
でも、それは、そのほとんどは刹那的な現象だった。
そう・・
だからこそ・・
この、攻守ハードワークとリスクチャレンジを絶対ベースに、組織プレーと個の勝負プレーが、ものすごく高い次元でバランスする、魅惑的な仕掛けをブチかませる、「歴史を創るグループ」に対する期待が膨らみつづけるっちゅうわけさ。
この文章、ちょっと形容句が多すぎたかも・・。スミマセン・・
さて、明日は、「J2」の最終節。
私は、町田vsヴェルディを観戦します。いまから楽しみで仕方ありません。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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