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- 2018_ルヴァンカップ決勝・・チョウさん、オメデトウ・・前半のスーパー攻撃サッカー、そして後半のスーパー守備・・堪能しました・・(ベルマーレvsマリノス、1-0)・・(2018年10月27日、土曜日)
- 嬉しい・・
心から祝福しますよ・・チョウ・キジェ湘南・・
もちろん私は、マリノス、ポステコグルーの積極攻撃サッカーも支持している。
でもやっぱり、様々な思い入れがあるから、チョウ・キジェが指揮する湘南ベルマーレの「ルヴァン初戴冠」には、ものすごく感動させられたんだ。
いつも書いているように、私は、チョウ・キジェ応援団だからね。
とにかく、「あのベルマーレ」が、今後、日本サッカーが進むべきベクトルへ、ポジティブな影響を与えていることは、誰もが認めるところでしょ。
えっ!? ベルマーレのサッカーって何かって??
まあ、一言じゃ表現できないかもしれないけれど・・
要は、全員守備、全員攻撃のトータルフットボール。
また、攻守ハードワークとリスクチャレンジあふれる、積極的な攻撃サッカー。
そして、近頃では、それに加えて・・
ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション・・ってな攻撃クオリティーもアップさせている。
そう、彼らのチーム戦術も、どんどん進化しているんだ。
そして今日は、彼らが秘める、守備での素晴らしいポテンシャルも体感させてもらった。
そんな、こんなで、とてもハッピーな筆者だったのであ〜る。
ところで・・
前述した、「湘南ベルマーレのサッカーって??」っちゅうテーマ。
チョウ・キジェは、それを、「湘南スタイル」なんていう言葉で表現する。
以前・・
・・ところでチョウさん・・いま改めて「湘南スタイルは何か??」って問われたら、どう返しますか?・・
そんな私の質問に、チョウさんが、一言。
・・それは、勇気です・・
素晴らしいコメントだった。
攻守ハードワークが出てくるのは(フルスプリントのオンパレード!)、その瞬間に達成したい「目的イメージ」があればこそでしょ。
それを達成するために、守備でも、攻撃でも、リスクを恐れずにチャレンジする。
そこでは、そんな「闘う意志」こそが問われるのさ。
そして、その全てのバックボーンにあるのが、勇気。
ドイツのレジェンド哲学者、フリードリヒ・ニーチェが、こんな至言を残した。
・・名誉を失ったら、また創りなおせばいい・・カネを失ったら、稼ぎなおせばいい・・でも、勇気を失ったら、生まれてきた意味(価値!?)がない・・
フムフム・・
その勇気(闘う意志)だけれど・・
それって、人から強制されて(言われて!?)高揚するモンじゃないよね。
イレギュラーするボールを足で扱うサッカーだから、瞬間的にシチュエーションが変化する。
選手は、その変化に、強い意志をもって(勇気をもって!)、リスクチャレンジも含め、しっかりと対応しなきゃいけない。
そこで最も大事になってくる「個人ファクター」は、自ら、自由に考え、勇気をもって決断し、実行していけること・・だよね。
そう、チョウ・キジェは、選手たち自身が、考え、勇気をもってアクションしていけるように指導する(その可能性と重要性を自覚させる!?)んだ。
彼は、選手たちの主体性が発展していくことこそが、もっとも重要なコーチング(心理マネージメント)タスクだと考えているのさ。
そんな心理マネージメント環境で、「自分自身の弱さと闘っている!?」ベルマーレ選手たちが、まさに「限界」まで、攻守にわたって闘いつづけようとするのも道理っちゅうわけだ。
あ〜〜っ!
・・またまた前置きが長すぎ〜っ!・・スミマセン・・
とにかく・・
このコラムでピックアップしたかったのは、「湘南スタイル」と関連する、ディフェンスの内実というテーマだったんだ。
それは・・
後半、あれほどマリノスにボールを支配されていたにもかかわらず、まさに見事に、マリノス攻撃を抑え切り、勝ち切ったベルマーレ守備・・
たしかに、何度か「ツキ」に恵まれたシーンはあったけれど、実質的には、まさに質実剛健に、マリノスを抑え切った・・って言える。
あまり長くならないようにしているけれど、やっぱり、チョウ・キジェの初戴冠だから、止められない、止まらない・・へへっ・・
ということで、その守備・・
そう、後半に魅せつづけた「ブロック守備」が、ホントに素晴らしかったんだ。
もちろん、前半ブチかました、「前からプレス」の積極ボール奪取プロセスも素晴らしかった。
それに対して、少しエネルギーが落ち、マリノスがギアアップしてきた後半は、ほとんどの時間「ブロック守備」で、マリノス攻撃を抑え切ったんだ。
そこでは・・
・・決して安易に当たりにいったりせず、(ウェイティングから)相手ボールホルダーが詰まったら、超絶パワーの「デュエル」を仕掛ける・・
・・そこで取れなくても、忠実マークや、味方とのマークの受け渡しをしながら、しっかりと戻る・・
・・もちろんチェイス&チェックは常にブチかます・・それでも、「行き過ぎる」ことがない・・
・・そのバランス感覚が、特筆・・
・・そこでは、まさに湘南スタイル(勇気)が炸裂しつづける・・
・・でも、以前のように、ただ攻撃的にボール奪取勝負を仕掛けていくのではなく・・
・・あくまでも冷静に、そして効果的に、相手の仕掛けを追い込んでいくんだ・・
・・そして・・これが、もっとも大事なポイントなんだけれど・・
・・そう、最後の瞬間に、必ず、「最後の半歩」が出るんだよ・・
・・だから、シュートだけじゃなく、ラストパスにしても、そのほとんどがブロックできちゃう・・
・・相手のプレーを「冷静」に判断し、最後の瞬間に、「必要なトコロ」へ、タイミングよく、足や、身体を投げ出すっちゅうわけさ・・
・・私は、そんな、最高の集中力がおどりつづける、ギリギリの(守備での!)最終勝負シーンを、感動しながら観ていたよ・・
そういえば、チョウさんも、守備について、こんなニュアンスの内容をコメントしていたっけネ・・
・・今シーズン、ウチの守備は、大きく進化したと思っているんです・・
・・シーズンが押し詰まってきた最近では、何度も、GKや、ボランチも含めた最終ブロックが、効果的にピンチを防ぎきったことか・・
・・私は、彼らに、全幅の信頼を置いているんですよ・・
ということで、そんなチョウさんの言葉に、深く納得させられていた筆者だったのでした〜。
あっと・・
そういえば、前半は、完璧にベルマーレが試合の流れを牛耳っていたっけね。
だから、後半はじまるまえには、隣のジャーナリスト仲間と、こんなハナシをしていたっけ・・。
・・このまま、前半のような内容で勝ち切ったら、まさに完勝だよな〜・・
でも実際は(前述)・・
とはいっても、後半、そんなネガティブなゲーム展開になったからこそ、ベルマーレ守備の、素晴らしい創造性と勇気を体感できたっちゅうことだね。
ところで、その前半のゲーム内容・・
たしかに、ベルマーレが「流れ」は牛耳っていた。
でも私は、そのなかで、こんな「視点」でもゲームを観察していたっけね。
・・サスガに、チョウ・キジェ・・
・・選手たちが、主体的に、ブロック守備と、前からプレス守備を、メリハリよく使い分けているじゃないか・・
ということで、最後に・・
「湘南スタイル」は、たしかにトーナメント向きのサッカーじゃないかもしれない。
そう、内容と結果が一致しないことの方が多い・・っちゅう意味でね。
でも彼らは、素早い攻守の切り替えと、フルスプリントの「戻り」などに代表される、忠実でダイナミックな守備を、粘り強くブチかましつづけることで、「そんなリスキーな攻撃サッカー」でも、より高い確率で勝ち切れるまでに成長しているんだ。
私は、そんなベルマーレを観ながら、こんなコトを思っていた。
そう、このところ、いつも思いを巡らせているコンセプト・・
攻守ハードワークとリスクチャレンジあふれる積極的な攻撃サッカーでも、「意志と勇気の内実」によっては、勝ち切れる「可能性の確率」を高めることができるってね。
そう、内容と結果が、様々な意味合いで、高率にシンクロする「美しく勝つサッカー」。
それこそが、日本サッカーが目指すべき正しいベクトルっちゅうことだろうね。
とにかく、優れたストロングハンド(素晴らしい心理マネージャー)チョウ・キジェに、乾杯!!
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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