トピックス
- 2017_天皇杯、決勝・・ユン・ジョンファンの優れた心理マネージメント・・そしてスーパーな水沼宏太・・(セレッソvsマリノス、2-1)・・(2018年1月1日、月曜日)
- ・・実はわたしも・・まあ、選手時代のハナシなんですが、監督の知らないところで(カゲで!?)不満を言っていたコトがあるんですよ・・
・・でも、時間が経ったら、不満の背景や、自分の悪いところも見えてきたんです・・
・・そんな経験から学んだコトを背景にした私の言動も、今シーズンにセレッソが成し遂げた素晴らしい成果の背景に、あったのかもしれません・・
ユン・ジョンファン監督が、私の質問に対して、例によって真摯に、そんなニュアンスの内容をコメントしてくれたっけ。
私の質問は・・
・・今シーズンのセレッソは、ホントに素晴らしいパフォーマンスを成し遂げました・・
・・その成果のバックボーンですが、いまユンさんは、「わたし一人のチカラではなく、多くの方々の協力があった」と、おっしゃいました・・
・・私も、プロ現場の経験がありますし、ドイツでも、トップレベルのプロ現場を体感しています・・
・・そこで質問ですが・・
・・いま、多くの方々の協力とおっしゃっていましたが、クラブには、社長を頂点とする様々なマネージメントスタッフだけじゃなく、コーチングスタッフや選手、GM、マッサージスタッフや用具係まで含めた現場の方々がいますよね・・
・・そんな多くの方々のなかには、ポジティブに協力しようとする人たちだけじゃなく、カゲで不満を漏らしたり悪口を言ったりするような人もいたでしょ・・
・・そんな視点も含めて、今シーズンにセレッソが成し遂げた大きな成果にとって、何が、もっとも重要なファクターだったと思われますか?・・
えっ!? 質問になっていない!?
う〜ん・・
確かに言われてみれば・・
でも、まあ、成果のバックボーンとして何が重要だったのか・・ってな質問ニュアンスは、ユンさんに伝わったでしょ。
・・そうですね・・
・・いまのご質問を、私なりに咀嚼して答えさせていただくと、こうなりますかネ・・
・・もっとも大事なバックボーン・・
・・それは、互いの信頼感が醸成されたことだと思っています・・
・・もちろん、その相互信頼感を強めていった背景は、全員に共通する目標を明確にできたことだし、それを、全員が一致協力して追い求めたこと(そうチーム全体を掌握し、一つの方向へドライブできたこと!?)だったと思いますよ・・
ユン・ジョンファン監督は、そのように言葉をつむいでいくなかで、(私の質問に答えるように!?)冒頭の内容も、コメントしてくれたっちゅうわけさ。
いいね〜〜、ユン・ジョンファン。
そして彼は、選手たちが漏らす「カゲでの不満」について、ポジティブに発展的(前向きな!?)分析もするんだよ。
それは、こんなニュアンスだったですかね・・
・・選手時代に、カゲで不満を言っていた自分についてですが・・時間が経ったら、見えてくるモノがあったと言いましたよね・・
・・そこでは、チームにとって大事なコトにも目がいくようになった・・
・・そしてそのなかで、自分がポジティブに変化していることを実感しはじめたんです・・
・・そんなポジティブな心理プロセスですが、そんな「気づき」までたどり着けたのは、監督が待ってくれていたからだと思うんですよ・・
・・だからこそ、いまの私も、待てるようになっている・・
・・そんなコトもまた、チームが一致団結できた大きな要因の一つだったと感じるんです・・
いいね〜、ユン・ジョンファン。
そう、まさに、おっしゃる通り。
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ところで・・
1990年からミレニアムまでの(2000年までの!?)ドイツサッカー。
たしかに、ある程度の結果は残していた。でも、サッカー内容としては、誰もが落ち込むような体たらくだったんだよ。
そんな停滞した雰囲気のなか、重鎮たちが動くことで、ドイツサッカーの舵が大きく切られることになる。
そんなプロセスを経て、ドイツ全土で統一されたコンセプトは、とてもシンプルなモノだった。
そのなかで、もっとも重要なモノの一つだったのが・・
テクニックの向上と、(監督コーチに対しては)忍耐。
そう、この「忍耐」こそが、ユン・ジョンファンが言った、「選手たちによる主体的な気づき」を助長することに大いに貢献するということさ。
歴史の賢人達が、異口同音に言っている。
・・忍耐。アプローチされる選手の学習(心理)プロセスは千差万別・・
・・だからこそ監督は、明快な目標設定と最低限の個別指示、乞われた場合に出す核心のアドバイス以外は、選手たち自身によるトライ&エラー(学習プロセス)に託すのである・・
それこそが、ホンモノの、「創造的な忍耐・・」っちゅうわけさ。
ユン・ジョンファンは、自身の経験から「それ」を学び取り、そして監督として実践した。
もちろん、ユン・ジョンファンが為した仕事の中身については、本当のトコロは分からない。
でも私は、選手たちが主体的に考え、健全に自己主張するチームの雰囲気を醸成する(!?)ユン・ジョンファンの心理マネージメントが、うまく機能したに違いないと思うわけさ。
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あっと、試合。
マリノスの先制ゴールが決まった後は、もちろんセレッソが積極的に攻め上がっていった。
でも・・
そう、ボールは支配しているものの、スペースを攻略するという意味では、マリノス守備陣にとって、まったく怖くない稚拙な攻撃を繰り返すセレッソだったんだ。
そして、たまに繰り出されるマリノスの必殺カウンターに冷や汗をかかせられる。
セレッソの攻撃だけれど、特に、「最前線のフタ」に成り下がっていた柿谷曜一朗と山村和也が、大きなブレーキになっている感じた。
攻撃の変化としての、「エイヤッ!のドリブル勝負や必殺のタテパス攻撃をブチかましていかず、責任回避の(!?)横パスやバックパスに逃げたり・・等など。
たしかに何度かはシュートまで行けた。
でも、それにしても、完璧に「単発」で、仕方なく「打たせられた!?」シュートトライ過ぎず、マリノス守備にとっては、まったく怖くないモノだった。
・・これは、このままタイムアップになっちゃうかも・・
・・なんて、思いはじめた後半20分のことだった。
それまでも、積極的な「仕掛けの変化の演出」という視点で気を吐きつづけていた水沼宏太が、爆発したんだよ。
勇気をもって切り返し、そのまま、確信のミドルをブチかましたんだ。
そして、そのシュートから派生したこぼれ球を拾った山村和也が、起死回生の一発を、マリノスゴールの左サイドネットに突き刺したっちゅうわけさ。
その後は、互いに攻め合う、とてもエキサイティングな展開へと、ゲームが「成長」していった。
そう、それは、ゲームの「健全な成長」そのものだった。
実は、文化放送の番組がはじまったとき、こんなコトを語ってしまったんだよ。もちろんキックオフ直前のこと。
・・この両チームは、慎重なゲーム運びで、なるべく失点をしないようにプレーするはず・・
・・この両チームのディフェンスがとても強いのは周知だから、視聴者の皆さんは、延長、PK戦ってな展開になることを覚悟して観戦しましょうね・・
そして・・
文化放送アナウンサーの高橋将市さんに、「湯浅さんがおっしゃった通り、延長に突入しましたね〜」と言われてしまったんだよ。
いや・・その発言のニュアンスはまったく違う・・
だから、すぐに・・
「いやいや・・番組の冒頭では、誰しもが観たくないような、守り合いの延長ってなニュアンスを込めたんですよ・・」
「でも、この延長のニュアンスは、それとは全く違う。それは、誰もが観つづけたいと思うような、エキサイティングな仕掛け合いじゃありませんか・・」
「正直に言ったら、私は、こんな魅力的なファイナルになるとは思ってもいなかったんです・・何せ、天皇杯という一発勝負トーナメントの決勝ですからね・・」
「ということで・・そう、とてもポジティブに予想を裏切られたというわけです・・でも、こんな予想外れだったら、誰にとってもウェルカムでしょ・・」
へへっ・・
そして、延長前半5分に、セレッソ水沼宏太の、目の醒めるような結経ヘディングゴールが決まるっちゅうわけさ。
この試合でのMVPは、見まがうことなく、その水沼宏太だった。
私は、実際に誰がMVPに選ばれたかは知らない。
とにかく、(ユン・ジョンファンも心から賞賛していたように!)この日の水沼宏太は、本当にスーパーだったコトを強調したかった。
たしかに、前回の準決勝コラムで褒め称えた、心を入れ替えた(!?)マリノスの伊藤翔も、縦横無尽に走り回って、攻守ハードワークを積極的に探しつづけていたよね。
だから彼も、(私にとっての!)MVP候補ではある。
でも、今日の水沼宏太のパフォーマンスには僅かに及ばないという評価なのさ。
とにかく、ユン・ジョンファンには、来年も、日本のためになるダイナミックサッカーを魅せつづけて欲しいと願って止まない筆者なのでした〜・・
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ということで、次は、高校の正月大会にはあまり興味がないから、森保一ジャパンの活躍レポートっちゅうことになるね。
そう、中国での「U−23アジア選手権」。
今年が、皆さんにとって、良い年になりますように・・
それでは、また・・
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ところで・・
私の、とても近しい友人である「カーラ・ライフ」さんが経営する、鎌倉にある「シーキャッスル」というドイツレストラン。
今年、実に「60周年」を迎えたんだよ。
そのシーキャッスルについては、HPはないから、「このページ」や、「あのページ」、「こんなページ」、またご自分で検索されたページなどをご参照あれ。そのインプレッションでは、「カーラ」が、とても丸くなっているっちゅうことだけれど・・へへっ・・
また、カーラについては、「My Biography」シリーズでも書いたっけね。
彼女が登場するコラムは、こちら(その1、その2、その3)ですかね。
とにかく機会があったら、是非、カーラのところで、ドイツ料理に舌鼓を打ってください・・ネ。
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- ところで・・
チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。
以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。
彼女については、このページやあのページを参照してください。
私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。
その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。
藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。
「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。
ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。
また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。
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- あっと・・
- 私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」。
- ちょっと、プロモートさせてくださいね。
- この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」。
- とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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