トピックス
- 2018_WMの1・・開幕戦・・よかった・・新たな「ネガティブ歴史」が刻まれなくて・・(ロシアvsサウジ、5-0)・・(2018年6月12日、火曜日)
- 実は・・
この試合を観ながら、2002日韓ワールドカップでのドイツ対サウジ戦が(同じようなサウジ初戦の大敗という視点でネ・・)脳裏をよぎっていたんですよ。
そのドイツ対サウジだけれど、そこでは、「あの」W杯歴代得点王(歴代最多ゴール記録保持者)のミロスラフ・クローゼが大爆発し、ドイツが「8-0」という大勝を収めた。
私も、札幌ドームへ馳せ参じたわけだけれど、とにかく若手ミロスラフの「ゴール嗅覚」がすごかった。そう、初めてのW杯でハットトリックをブチかましたんだからね。
またまた、実は・・
当時、HPだけじゃなく、他の多くのメディアでも、ドイツは「やる」と予想していたし、実際、予想どおりの「強さ」を魅せつけたわけだけれど、私は、チト寂しい思いもしていた。
それは・・
ルディー・フェラーの代わりに、監督としてベンチに座るのが、個人的にとても近い友人のクリストフ・ダウムであるべきだったわけだから・・。
クリストフとの出会いについては、「My Biography」シリーズで、2014年1月22日から五回に分けて書いた、「1.FC Köln」へのチャレンジというストーリーを参照して下さい。
あっと、試合(ロシア対サウジ)・・
ホスト国が、(当時のドイツと同様に!)サウジに大勝を収めたこのゲーム。
そこでピックアップしたくなったのが、「人とボールの動きと、スペース攻略」っちゅうテーマだったんですよ。
何せ、サウジが魅せた、「中盤」での、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションは、とてもインプレッシブだったわけだから・・。
でも「それ」によってサウジが、ロシア守備ブロックの穴を突いてスペースを攻略するという、「当面の攻撃目標イメージ」を達成できたか・・という視点では、うまく的を射ていなかったんだ。
軽快な人とボールの動きは良かったけれど・・
でも結局は、ボールがないところでの「決定的フリーランニング」が、うまくリンクしなかったんだ。
そう、3人目、4人目の、決定的スペースへの抜け出しフリーランニング。
サウジは、人とボールの「軽快な動き」ばかりに気を取られ(!?)、肝心のスペース攻略という目標を達成するというポイントでは、まったく存在感を発揮できていなかったんだ。
それじゃ、攻撃の目的である「シュートを打つ」という段階まで行けないのも道理。
それに対し、カウンターも含めて、明確に「攻撃の目的・当面の目標イメージする」ロシアは、とても効果的に、人とボールを動かしていたんだ。
もちろんロシアの人とボールの動きも、部分的には、とても軽快だったよ。
でも彼らは、常に、次のスペース攻略をイメージした決定的な「仕掛けの流れ」をアタマに描きながら、人とボールを動かしていたんだ。
だから、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションも効果的に活用しながら、「タメ&スルーパス」を演出したり、逆サイドへの効果的なサイドチェンジを繰り出したり、はたまた、アバウトなアーリークロスやミドル弾などもブチかましたり・・。
そのように、ロシアの攻めでは、様々な「タイプの仕掛け」がテンコ盛りだったんだよ。
そう、攻撃(決定的な仕掛けプロセス)の変化・・
そんなロシアに対して、サウジの「仕掛け」は、たしかに「軽快な動き」はあるけれど、あまりにもステレオタイプ化されていたんだ。
そうそう、パターン化されたプロセスという意味合いでの「ステレオタイプ・サッカー」という視点・・
考えてみたら、それは、ロシアの(当時のソ連の)代名詞だったよね。
要は、共産圏サッカーの限界・・
そう、ウクライナの名将ヴァレリー・ロバノフスキーが、ディナモ・キエフやソ連代表を率いるようになるまでは・・ネ。
あっと、蛇足・・
とにかく、この試合では、あまりにもサウジが、人とボールの動きにこだわり過ぎている・・という印象が強かったんだ。
もちろん、たまには彼らの「ウリ」である個のドリブル勝負もブチかましてはいたけれど・・サ。
対するロシア守備だけれど、彼らは、とても冷静に、サウジが仕掛けてくる「次の人とボールの動き」を読んで対処していた。
だから、サウジが決定的スペースを攻略できたシーンは、まさに「一握り・・」っちゅう体たらくだったわけさ。
これで、ホスト国が開幕マッチで敗れるっちゅう、ワールドカップでの「新たなネガティブ歴史」が刻まれるコトはなくなった。
なんか・・
このところ、ホスト国が、W杯の歴史上初めて予選リーグで敗退したり(南ア)、「あの」ブラジルが(ホスト国として!)ドイツに大敗を喫するとか、ヨーロッパの国(ドイツ)が南米でのW杯ではじめて優勝を飾るとか・・、大きな変化があったから、チト心配していたのさ。
へへっ・・
さて、ワールドカップがはじまった。
ちなみに私は、6月17日の「ドイツ対メキシコ戦」から現地レポートに入る予定です。
では・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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