トピックス
- 2018_WMの20・・サッカーの内容は別にして、やっぱりスーパースターをまた観られることでハッピーだった筆者なのだ・・(アルゼンチンvsナイジェリア、 2-1)・・(2018年6月26日、火曜日)
- なんか・・、ドイツvsスウェーデン戦のドラマチックなシーンが再現されているような・・
後半も、残り数分というタイミングで、アルゼンチンが勝ち越しゴールをブチ込んだんだよ。
そして、その2分後には、他会場でアイスランドと対戦しているクロアチアが、アイスランドゴールへ、これまた勝ち越しの2点目をブチ込んだんだ。
このままいけば、アルゼンチンが、クロアチアとともに決勝トーナメントへ進出する。
あと1分・・
あっ・・両ゲームともに、「そのまま」タイムアップの笛が吹かれた〜。
アルゼンチンが、予選リーグ2位で決勝トーナメントへ〜〜っ!!
それまでのゲームの流れからすれば、チト信じられない、ビッグドラマではあった。
____
このゲームは、ルジニキ・スタジアムのメディアカフェで、南米ジャーナリストの方と観ていた。
その方の出身国を聞くのを、すっかり忘れていた。もちろん英語での会話。
そして最後は、その方と、握手し、「これで、まだメッシを楽しめるね・・」と、別れた。
あっと・・、そのとき、そのジャーナリストの方が、こんな言葉を残したっけ。
・・このアルゼンチンは、ネガ・ポジの両面をもっているよね・・だから、彼らが、これから、どのようなサッカーを展開するのかにも興味が湧くんだ・・
・・それを確かめられるという意味でも、アルゼンチンが残ってくれて良かった・・
フムフム・・
彼とはゲーム中にも、アルゼンチンを分析しながら観ていたんだ。
彼の見方は、私と、ほぼ同じ。
そう、アルゼンチンの攻撃は、あまりにも、個の勝負プレーを前面に押し出しすぎている・・。
このテーマについては、先日のコラムも、ご参照あれ。
その骨子は・・
ボールはある程度は動くけれど、そのパスが、まったくと言っていいほどスペース攻略につながらないんだ。
そりゃ、そうだ、何せ、まったくといっていいほど人が動かないんだから。
彼らは、例外なく、止まってパスを待っている。
そしてトラップした後は、例外なくドリブル勝負を仕掛けていく。それが無理な場合だけ、ボールを動かすんだよ。それじゃ・・
ナイジェリアは、トップの一人を残し、全員がディフェンスブロックに戻っている。
人数が多すぎると、譲り合ったりして、連係のミスを引き起こしやすい。
でも、そこは、経験豊富なナイジェリアだし、何といっても、アルゼンチンが、個の勝負「しか」仕掛けてこないから、守りやすいことこの上ないっちゅうわけだ。
そんな感じで、「1-1」という状況がつづいていくんだよ。
そのまま終われば、アルゼンチンのロシアW杯も、そこで終わる。
とにかく我々は、そんな稚拙なアルゼンチンの仕掛けを観ながら・・
・・これはダメだね・・アルゼンチンがゴールを奪える雰囲気なんて、まったく出てこない・・
互いに、そんな言葉を交わしていたんだ。
でも、次の瞬間・・
そう、正確なクロスボールを、最終ラインから、ほぼフリーでオーバーラップしてきたロホが、ダイレクトで合わせたんだよ。
ゴ〜〜ルッッッッッ!!!!!
そのゴールは、最後のクロスボールが送り込まれるまでのプロセスからして、まさに、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションの賜物だったんだ。
まさに、今のアルゼンチンの方向性とは「趣を異にする」ゴールっちゅうわけさ。
もちろん彼らにしても、個の勝負でウラのスペースを突いて、そこから決定的なパスやクロスを送り込むというイメージなんだろうけれど・・ネ。
あっと・・勝ち越しゴール・・
もちろん私は、次の瞬間、その南米ジャーナリストの方と、立ち上がって抱き合った。
そして、互いに、「エッ!?」って顔を見合わすんだ。
それまで、アルゼンチンのサッカーを「コケにしまくって」いた二人だったけれど、やっぱり、スーパーブランド国には、トーナメントまでは残って欲しかったんだよ。
そして、顔を見合わせてから、互いに、「ククッ!」って微笑むわけさ。
同業者だけれど、そこでも、やっぱり、人類史上最高パワーを秘めた「異文化接点ツール」としてのサッカーの偉大さを噛みしめていた筆者なのでした。
へへっ・・
とにかく、アルゼンチンは、最後の最後まで、個のチカラを前面に押し出すというチーム戦術を徹底させる「やり方」にこだわっているんだ。
もちろん決勝トーナメントへ行っても、やり方は変えないでしょ。いや、変えられない。
それでも、前回ブラジル大会のように、メッシを中心にする闘い方で、もしかすると・・
このゲームでも、その世紀の天才が、一瞬の輝きを放ち、貴重な先制ゴールを生み出したっけね。
そう、久々にメッシが爆発したんだよ。
タテへのロングボールを、タテに走りながらピタリと止め、相手ディフェンダーの動きを見越して、チョンッってボールを押し出したんだ。
そう、例の、トット〜ンっていうリズムの「二軸動作」。
それで、そのディフェンダーは、カクッと止まりかけて、再び加速するしかなくなった。まあ、この一連のプレーの流れで勝負ありだったね。
それにしても、あの厳しいマークのなかをベストタイミングで飛び出し、ピタリとロングパスを止め、最後は、利き足ではない「右足」で、逆のゴールサイドネットにピタリとボールを収めてしまう。
まさに、世紀の天才の為せるワザ・・
でも・・
そう、そんな天才のヒラメキと輝きは、そのときだけだった。それ以外のほとんどのシーンでのメッシは、完璧にナイジェリア守備に抑え込まれていたんだ。
そんな「メッシ&Co.」が、決勝トーナメントでは、どんな闘い方をするか・・
これまた楽しみが増えたよね。お互い、とことん愉しみ尽くしましょう。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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