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2018_WMの25・・ノックアウト1回戦・・この試合でも、「組織と個のバランス」というテーマに思いを馳せていた・・(フランスvsアルゼンチン、 4-3)・・(2018年6月30日、土曜日)

どうだろうね〜・・

互いに、とてもディフェンスが強いこと「だけ」は、再確認できた。

まあ結局は、たくさんのゴールをブチ込み合ったわけだけれど・・サ。

まあ、とはいっても、全体的なサッカーの内容自体はフランスに軍配が挙がるから、順当な結果ということで、心に波風は立たなかった。

ということで・・

最初の視点は、攻撃のアクセント・・

まあ、互いに特徴的なアクセントは備えていると思う。

フランスでは、超特急のムバッペを中心に、攻守にわたってハードワークを「探しまくる」グリーズマンとマチュイディが、とても効果的に機能している。

でも、効果的ポストプレーを期待されていはずのジルーは、まさに鳴かず飛ばず。

そんなだったら、前出の3人のために、もっと明確に「潰れ役」に徹した方が良かったよね。

たしかに、4点目の、ムバッペへのラストスルーパスは見事だったけどサ・・。

それに対して、アルヘンティーナのアクセント。

それは、言わずもがなの、メッシによるドリブル勝負からのシュートやラストパスが中心だよね。

また、天才ドリブラーのディ・マリアや、「汗かき」チャンスメイカーとも形容できるバネガの「目立たない」活躍も、特筆だった。

まあ、とはいいながら、両チームともに、人とボールの動きが、とても、とても鈍重だったのは確かな事実だった。

たしかにボールだけは、(足許パスを基調に!?)動くことは動くけれど、それも、どこかで個の勝負をブチかませるチャンスを、消極的に「探っている」っちゅう感じなんだ。

まあ、そんな感じだったから、超特急ムバッペの個の勝負が目立ちに目立ったということかな。

彼は、間違いなく、このゲームのMVP。

だからフランスは、そのムバッペの超速スピードを活かそうというイメージで試合に臨んでいた。

そう、ショート&ロングカウンターをイメージしたボール奪取。

そして前半13分、そんなボール奪取から、ムバッペが、良いカタチでボールをもつんだよ。

でも「そこ」は、自軍センターサークル手前あたりだった。そうアルゼンチンのゴールは、はるか彼方だったんだ。

でも、そこからドリブルをスタートした彼は、まさに「マラドーナ級のブッちぎりドリブル」で突進し、最後はペナルティーエリア内でブッ倒されたというワケさ。

もちろん、PK。

ということで、たしかに「それ」は、スゲ〜派手な「ゴールまでのプロセス」ではあった。

でも・・

そう、次のアルゼンチン同点ゴールは、ディ・マリアの、まさに「サンデーシュート」とも表現できそうなスーパーなミドル弾。

また、次のアルゼンチン逆転弾は、メッシの「無理筋」のシュートが、メルカドの足に当たってコースが変わったことでフランスゴールに「コロコロ」と転がりこんだゴールだった。

それだけじゃなく・・

次に生まれたフランス同点弾は、これまた偶発的(サンデーシュート!?)とも言えそうなパバールの「ミドル弾」だった。

サンデーシュート!?

ドイツ語で、あり得ないほど素晴らしいシュートのことを、「ゾンターグス・ショス!」なんて呼ぶんだけれど・・

要は(教会ミサが行われる)日曜日のスーパーシュートということで、「神様が演出したような奇跡的なシュート」なんていうニュアンスですかネ。

もし解釈が間違っていたら、ご指摘あれ〜〜・・

あっと・・

また、次のフランス勝ち越しゴール(3点目)も、混戦からのこぼれ球に素早く反応して飛び出したムバッペの「ワザあり」ゴールだったけれど、それもまた偶発ニュアンスの強いモノだった。

そう、そこまでのゴールは、そんな感じだったんだけれど・・

でもフランスの4点目は、明らかに、それまでのゴールとは趣(おもむき)の異なった、「高質な意図」にリードされた素晴らしいゴールだったんだよ。

それは、このゲームでもっとも美しく、戦術的に広く、深い意味を内包していたと思うのさ。

それは、フランスGKロリースからはじまり、カンテ、グリーズマン、マチュイディ、ジルーと、素早くボールを「タテ方向へ動かし」、最後のフィニッシャーとなったムバッペ眼前の決定的スペースへ通した、素晴らしいコンビネーションから生まれた。

そこでフランスが魅せた、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションは、えも言われぬほど、美しかったんだ。

とにかく、それらのチャンスメイクの内実が如実に証明しているとおり、今大会では、あきらかにフランスの方がアルゼンチンよりも「良いチーム」ではあると思う。

でも・・

そう、全チームのなかでは、そのフランスにしても、「2列目チーム」と言わざるを得ないんだ。

それでは・・

ダイレクトパスを織り交ぜた優れた組織コンビネーションと、強力な個の勝負という、二つタイプの仕掛け武器を「バランスよく」備えている、本当の意味で強いチームは・・?

それは・・

何といっても、ブラジル、スペイン、そしてベルギーだよね。

その視点で、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションという組織サッカーを「主体」に勝負していかなきゃならない西野ジャパンは、苦しい。

それも、相手は、組織と個がハイレベルにバランスしている前述のベルギーだから・・サ。

それでも私は・・

そう、西野朗は、決して「蛮勇」ではない、攻守にわたる積極的な攻撃サッカーを魅せてくれると確信しているんですよ。

またまた・・チト、わけが分かりませんが・・

ガンバレ〜・・西野ジャパン〜〜っ!!


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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