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2018_WMの28・・大会を代表する実力チーム、クロアチアが勝ち進んだことで、基本ハッピーだったのですが・・(クロアチアvsデンマーク、 1-1, PK戦=3-2)・・(2018年7月1日、日曜日)

そりゃ、チーム総合力じゃ、もちろんクロアチアに一日以上の長がある。

そのことは、ゲームを観ていれば一目瞭然だよね。

たしかに、スペインのように、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションは、そんなには観られない。

でも、各ステーション(パスレシーバー)のタッチが、殊の外スマートで素早く、そしてスキルフルなんだ。

そこでは、「トット〜ン」っちゅう、例の「二軸動作」も、頻繁に魅せてくれる。その都度、当たりにいったデンマーク選手が、右往左往するっちゅうわけだ。

この、「トット〜ンの二軸動作」というテーマについては、「The Core Column」で書いた、「このコラム」をご参照あれ。

さて、そのクロアチア・・

やっぱり、東欧のブラジルと呼ばれたユーゴスラビアの、テクニカルな伝統を受け継ぐ第一人者だよね。

もちろん、チャンスとなったら、ワンツーなどのダイレクトコンビネーションを皮切りに、次、その次と、素早く、人とボールを動かしていく。

その「動きのリズム」は、まさに世界の超一流。観ていてホレボレとさせられるじゃないか。

まだ前半だけど、心の底から、彼らに「次に進んで欲しい」と願う自分を再認識していた。

・・なんて思っていたら・・

そう、後半になって、デンマークが、俄然、調子をアップさせはじめたんだ。

例によって、中盤でのディフェンス効果レベルを大幅にアップさせることで、次の攻めにも勢いを増していく。そう、とてもオーソドックスな組織サッカーなんだ。

たぶん、そんな一致団結した組織サッカーは、選手一人ひとりが「個の限界」を知っているからこその、究極チームワークサッカー・・というイメージなのかもしれない。

でも、そんな、組織マインドのなかに、移民2世か3世の(!?)ドリブラー、ピオネ・シストが入ってからは、彼らの組織サッカーに、とっても効果的な「アクセント」がつくようになったんだ。

そしてデンマークの攻勢がつづくんだ。

もちろんクロアチアも、カウンター気味の攻めも含めて、たまに繰り出す仕掛けは、危険この上ない。

たしかに頻度は、前半と比べて少なくなったかも知れないけれど、その危険度は、デンマークを大きく上回る。

フムフム・・

とにかく、後半の両チームは、まさに互角のせめぎ合いを展開したんだ。

そんな展開は、延長が終わるまで変わることはなかった・・

・・と、そこまで書いたところで、キーボードに置いた指がフリーズした。

そう、最後の最後に、モドリッチが「爆発」したんだよ。

センターサークル付近でパスを受けたモドリッチ。スーパーな小回りトラップから、素早く反転して決定的スルーパスをブチかましたんだ。

それと同時に・・、いや、モドリッチが反転するタイミングで既に、最前線のレビッチが、タテの決定的スペースへスタートを切っていた。

彼をマークしていたデンマーク選手は、タイミングを失い、完璧に置き去りだ。

ダイレクトパスがない、まさに「クロアチア得意のリズム」でのラストスルーパス。

それは、それは、美しいコンビネーションだった。

そして最後の瞬間。タテパスを受けたレビッチの前には、デンマークGKシュマイケルしか、いなくなっていたっちゅうわけさ。

だから、置き去りになったデンマークのディフェンダーは、どうしようもなくなって、背後からスライディングタックルを仕掛けたというわけだ。

もちろん、間違いなく、PK。

それは、誰もが、クロアチアの勝利を信じて疑わなかった瞬間だった。

でも・・

そう、そのチャンスを創りだしたモドリッチが、あろうことか、デンマークGKのシュマイケルに、ピタリとコースを読まれ、イージーにキャッチされてしまったんだよ。

そのとき、スタジアムの「半分」が、フリーズしたはずさ。

そしてタイムアップ。

このゲームもまた、PK戦に突入することになったんだ。

その経緯については、他のサイトで取り上げているだろうから、そちらをご参照下さいネ。

とにかく私は、美しく勝てるクロアチアが次に進んで、取り敢えずはハッピーだったのでした。

とはいっても・・

そう、後半にデンマークが魅せた、忠実でダイナミックな攻撃サッカーに対しても深いシンパシーを感じていたから、チト複雑な心境になったことも確かだったですかね。

へへっ・・


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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