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2018_WMの29・・「リスキーな美しさ」と「質実剛健な勝負強さ」を、状況によって使い分けられるスーパーなブラジル!?・・(ブラジルvsメキシコ、 2-0)・・(2018年7月2日、月曜日)

すごかったネ〜〜・・

ネイマールがブチかました、メキシコ守備ブロック全体を引きつける(振り回す!)ドリブル。

ブラジル先制ゴールの場面だ。

ネイマールは、完璧にメキシコ守備ブロックを引きずり出したと確信した次の瞬間、ヒールキックで、自ら創りだした(背後の!)決定的スペースへアシストパスを送るんだ。

そのヒールパスを受けたのは、ウィリアン。

彼は、そのボールをワンタッチで、ネイマールが空けた(!!)前方の決定的スペースへ押し出し、そのまま逆サイドのスペースへ、ラスト・トラバース・クロスを送り込んだというわけだ。

この、ブラジルの天才連中がブチかました「左右の揺さぶり」で、メキシコ最終ラインは、完璧に振り回され、対応できない。

そして最後は、そのまま逆サイドのスペースへ全力スプリントで抜け出したネイマールが、ダイレクトシュートを決めた。

このシーンには、まさに、組織と個の究極のコラボレーションが詰め込まれていたというわけだ。

堪能した。

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その後の展開だけれど・・

(決勝ゴールとも言えそうな!?)この先制ゴールで、完璧に余裕をもったブラジル。

逆に(バランスを崩して)攻め上がっていかざるを得なくなったメキシコ。

そんな展開になったら、もちろん、ブラジルのレベルを超えて強力な守備が光り輝くよね。

攻撃と守備は、表裏一体。

ブラジルは、強烈な攻撃力を擁しているからこそ、守備も、相応に強力・・っちゅうわけだ。

そして、もう一つが、ブラジルが秘める、世界最高レベルの「カウンター力」。

彼らには、カウンターのチャンスを、最高の効率性で活かし切れるだけの個の才能と、戦術的に高質なイメージ連鎖の機能性が備わっているっちゅうわけさ。

そしてブラジルは、ウィリアン、パウリーニョ、ネイマールなどが、何度も、決定的なシュートまでいってしまうんだよ。

そんなシーンを観ながら、追加ゴールが決まらないコト自体が奇跡に思えたモノさ。

そして・・

さて、もうゲームの行方は決まったな・・なんて思いはじめた後半43分。

それまでカウンターチャンスを潰しまくっていたウップンを晴らすかのように、ブラジルが、スーパーなカウンター追加ゴールをブチ込むんだ。

そこでも主役はネイマール。

フェルナンジーニョからのタテパスを、最高タイミングの飛び出しで受けたネイマール。そのまま、脇目もふらずにメキシコゴールへ直進していく。

でも彼は、飛び出してくるメキシコGKオチョアだけじゃなく、逆サイドを激走フリーランニングする、交替出場したロベルト・フィルミーニョをも、しっかりと目で捉えていた。

そして・・

そう、彼は、シュートともラストパスとも捉えられる「微妙なコース」へ、「チョンッ!」とボールを押し出したんだ。

そのボールは、メキシコGKオチョアが伸ばした左の足先に触ったあと、コロコロと、爆走フリーランニングで逆サイドスペースへ完璧フリーで走り込むロベルト・フィルミーニョの足許に転がっていったっちゅうわけだ。

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さて・・

ところで、この試合からピックアップした特筆テーマだけれど・・

最初は、立ち上がりに両チームが魅せた、ゲーム戦術イメージ。

そう、両チームともに、とても注意深く立ち上がったんだ。

もちろん、相手のカウンターを警戒してのプレー姿勢(ゲーム戦術イメージ)。

そのグラウンド上の現象としては、両チームともに、前後左右の、人数&ポジショニングバランスを、とても気にしてプレーしていたっちゅうことだね。

そんなだから、両チームともに、カウンターチャンスの流れを創りだせないのも道理・・っちゅう展開だったんだ。

でも・・

そう、徐々に、ブラジルが地力を発揮しはじめるというわけさ。

たしかに、人数を「調整」しているから、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションを効果的に機能させるのは、難しい。

そう、両チームともに、大事にボールを動かし、ある程度フリーの味方につながったところから、個の勝負を仕掛けていく・・っていう基本的なイメージなんだよ。

だから、仕掛けの危険度という視点じゃ、やっぱり、個のチカラで優るブラジラに一日以上の長ありというのが正解だと感じていた。

そしてネイマールが、コウチーニョが、はたまたウィリアンが、スーパーにスキルフルなだけではなく、スピーディーでパワーにあふれるドリブル突破を仕掛け、それをチャンスに結びつけちゃうっちゅうわけさ。

そんな、個の「才能ドリブル」を、こんな注意深いゲーム展開だからこそ、仕掛けプロセスで優先的に活用するというゲーム戦術イメージ・・

「それ」は、今大会でのブラジルや、良いときのアルゼンチンなど「だけ」に許された専売特許かもしれないけれど・・

もちろん・・

トーナメントという一発勝負ではなく、長い期間を闘うリーグ戦では、そんな「戦術サッカー的なやり方」は、主流ではないよね(主流であってはならない!?)。

だから、W杯では、様々な意味合いで、美しく勝つという最高レベルの組織サッカーをブチかまして結果を残すというのは難しいかもしれないよね。

その事実は、W杯の歴史を見てみれば一目瞭然・・っちゅうわけさ。

でも・・

そう、このブラジル代表は、状況に応じて、リスキーベースの「美しさ」と、質実剛健ベースの「勝負強さ」を、とてもスマートに使い分けられる、スーパーなチームなのかもしれない。

次の、日本かベルギーとの準々決勝も、楽しみになってきたよネ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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