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2018_WMの36・・ホントにすごい一発勝負マッチだった・・両チームに対しては、畏敬と感謝の念しかない・・(ロシアvsクロアチア、2-2, PK=3-4)・・(2018年7月7日、土曜日)

そのとき、とても複雑な気持ちになった。

もちろん私は、「強いクロアチア」が勝ち、準決勝で、「あの」イングランドと闘うことを楽しみにしていたから、嬉しかったのは確かなんだけれど・・

また、世界中の多くのサッカーファンにしても、内容で、1クラスも2クラスも上のクロアチアに勝って欲しいと思っていたでしょ。

でも・・

そう、私のなかで、最後の最後まで気力が衰えることなく、極限の闘いを展開したロシアに対する畏敬とシンパシーの念も強くなっていたんだよ。

だから最後は、とても複雑な気持ちにさせられていたっちゅうわけさ。

ということで・・

このゲームからピックアップするテーマは、何といっても、サッカーが究極の「心理ゲーム」であるという事実だね。

そう・・

イレギュラーするボールを、身体のなかで比較的ニブい足を使って扱うサッカーでは、瞬間的に状況が変化してしまうわけだから・・。

だから選手は、戦術的なプランとは別に、彼ら自身も、瞬間的な(自由な)判断と決断で、勇気をもってリスクにもチャレンジしていかなきゃいけないんだ。

そう、最終的には、自由にプレーせざるを得ないのがサッカーなんだよ。

この「自由」というのがキーワードだね。

私は、チームの目的を達成するために、自らが、自由に決断し、自由に行動していかなきゃ、決して良いプレーはできないし、良いプレイヤーにもなれないと確信しているんだよ。

そう、自らが、進んで、自由に、全力スプリント満載の攻守ハードワークを「探しまくり」、責任感と勇気をもってリスクにチャレンジしていくという姿勢が、何よりも大事なんだよ。

何せサッカーは、「自由にならざるを得ないボールゲーム」なんだから・・ネ。

あっ・・そうそう・・

そこまで書いて、ハッと、「自由」に関わコトで、ある考えが浮かんだ。

もしかしたら・・

そう、もし社会に「ホンモノの自由」がなかったら、「サッカーが進化するはずがない・・」ってな仮説が成り立つかもしれない・・という考え方・・。

その仮説って、世界的に見ても、あてはまる国が多いかもしれない。いや、逆に、抑圧されている社会も、自由をサッカーに求めるから、進化するエネルギーになるかもしれない・・

さて〜〜・・難しいネ・・

今度、調べてみよう・・

あっと・・蛇足・・

とにかく・・

「自由」というテーマに入ってしまったから、もう一つのコトを主張させてくださいナ・・

それは・・

わたしは、決してサッカーを「机上の空論」で捉えたくない・・という主張。

だからこそ、システムと呼ばれる「数字の遊び」にも興味はないんだよね。

また、ゲームのなかで(誰かの指示で!?)行われていたに違いない(!?)戦術イメージ的な変更について、後付けで解説するのも好きじゃない。

そうではなく・・

わたしは、選手に対して、チームの目的、目標を達成するために、自分自身で考えながら「最善の戦術ソリューション」を探し出し、勇気をもって実行していく姿勢を求めるんだ。

そう、不確実な要素が満載のサッカーだから・・

グラウンド上の課題は、選手たち自身が考えながら、勇気をもって解決していかなきゃ、進歩なんて叶わないのさ。

もちろん、なかには、ベンチが決断しなければならない「戦術イメージの変更」だってあるさ。

でも、選手に任せなければならない「戦術イメージの変更」だってあるんだ。

監督コーチにとっては、その分類に対する正しいイメージこそが大事なんだ。

そのメカニズムを、しっかりと「わきまえて」いれば、「トライアングルをつくれ〜〜っ!!」なんていう、訳の分からない指示など飛ぶはずがないっちゅうわけさ。

もちろん、選手の基本的なタスク(ポジショニング)イメージの微調整、トップや最終ライン、ボランチタスクやバランス内容の変更などなど、ゲーム中にベンチが行う「意志決定」は多い。

でも、勘違いして、「やり過ぎ」になっているケースも散見されるっちゅうわけさ。

________

あっと・・ものすごい蛇足・・

極限レベルの緊張感につつまれたトーナメント一発勝負マッチだったから、こちらの興奮も、まったく冷めやらなかったっちゅうことだったんだろうね。

スミマセン・・蛇足が・・へへっ・・

とにかく、言いたかったのは・・

地元ロシアが、ものすごいポテンシャルの闘う意志をもって、自ら、自由に攻守ハードワークを探しまくり、最後の最後まで極限のファイトを魅せた・・っちゅうことだった。

だから、最後の最後まで、まったく目を離すことができなかったんだ。

もちろん、サッカーの内容レベルでは、クロアチアに一日以上の長がある。

でも、極限の「闘う意志」を炸裂させつづけるロシアは、まったく引くことなく、攻守ハードワークをブチかましつづけるんだ。

とにかく、ロシアの守備が、ハンパなく凄かった。

決して無理してチェイスをかけるわけじゃない。

でも、ポジショニングバランスが、とてもうまく執られた守備ブロックは、冷徹に、そして忠実に、ボール奪取勝負の「輪」を、縮めてくる。

そして勝負の「動き」に入ったときには、ボールから離れている者も、例外なく、まさにユニットになって、勝負アクションを連動させつづけるんだ。

もちろん、局面デュエルに入ったら、決して負けない。

負けそうになっても、決して引かない。彼らには、ファールしてでも「止める」という意志がある。

だから、決して、無様に、置き去りにされることがない。

また、クロアチアの次のパスレシーバーに対する、個人判断での「爆発チェイス&チェック」も、秀逸の極みだった。

そんなふうに極限のプレッシングを掛けられつづけるクロアチア。

徐々に、彼らの「全体的な人の動き」に陰りが見えてくるのも道理だった。

だから、「あの」クロアチアが、まったくといっていいほど、スペースを攻略できないんだ。

単に、たまに送り込むクロスに、偶発的なヘディングが対応するくらい。

そんなロシアの「闘う意志の炸裂」に、観ているコチラの手にも、チカラが入ること、入ること。

とにかく、グラウンド上では、これ以上ないほどの「緊迫感」が支配していたんだ。

でも・・

そう、そんな緊迫したゲームのなかで、あろうことか、ロシアの6番チェリシェフが、左足で、まさかのスーパーミドルを、クロアチアゴール左上角にブチ込んじゃうんだよ。

狂喜するロシアベンチ。フリーズするクロアチア勢。

それまでのゲームの流れでは、ロシアチームの確信レベルはアップしつづけていたことでしょ。

何せ、「あの強い」クロアチアに、チャンスの流れさえ演出させなかったんだから・・

観ているコチラも、ロシアが魅せる最高ディフェンスに内包された「充実した意志」に圧倒され、「もしかしたら・・」なんてコトまで考えてしまっていたんだよ。

でも・・

そう、その8分後、とても偶発的にフリーでタテパスを受けたマンジュキッチがドリブルで進み、最後は、ゴール前に折り返し、クラマリッチの同点ヘディングゴールを演出しちゃうんだ。

ビックリした・・

とにかく、そこからは、まさに、意地と意地の、極限の「ぶつかり合い」が展開された。

極限の「局面デュエル」の応酬。

それでも、クロアチアも、徐々に、ロシアの粘りのプレッシングに慣れていくんだ。

そして、モドリッチやラキティッチ、マンジュキッチやペリシッチといった才能連中が、ダイレクトパスを織り交ぜた(これぞまさに才能!!ってな感じの)組織コンビネーションを展開しちゃう。

もちろん、ゲームのイニシアチブは、クロアチアが握っている。

こちらは、そんなクロアチアの美しいサッカーに酔いしれているけれど、それでも、たまに攻め上がるロシアの仕掛けも、危険極まりないんだ。

わたしは、そんなロシアの「究極の粘りサッカー」に舌を巻いていた。

そして徐々に、そんなロシアに対するシンパシーも増幅していったっちゅうわけさ。

フ〜〜・・

その後の、延長に入ってからのゴールの奪い合い(特に、逆転されたロシアの、フリーキックからの同点ヘディングゴールシーンが感動的でさえあった)。

そして、まさにギリギリのPK合戦。

堪能した。

ということで・・

勢いに任せて書きつづったけれど、もう今日は、これ以上は無理そうです。

悪しからず・・


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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