トピックス
- 2018_WMの39・・よかった・・明るい未来につながる積極的な攻撃サッカーが存在感を発揮してくれた・・(イングランドvsベルギー、0-2)・・(2018年7月14日、土曜日)
- もちろん、美しく勝つサッカーは、誰もが観たいでしょ・・
私は、サッカー発展のためにも、すべての「サッカー人」は、美しく勝つことを志向すべきだと言いつづけています。
そう、攻守ハードワークとリスクチャレンジにあふれる攻撃的(積極的)サッカー。
でも、そのサッカーで勝つのは、そんなに簡単なことじゃない。
その意味で・・
そんな「積極的に前へいくサッカー」を志向し、やり通して結果まで出した西野ジャパンに対しては、敬意と感謝しかない・・のですよ。
西野朗は、美しく勝とうとするリスキーな攻撃サッカーで「結果まで残す・・」という偉業を成し遂げたわけです。
あっと・・
そんな、攻守にわたって、積極的に「仕掛けていく」攻撃サッカー・・というテーマだった。
私は、「戦術サッカーから解放サッカーへ・・」という言い方をすることもあります。
もちろんチーム戦術やゲーム戦術は、とても大事。
でも、戦術プラニングの「やり過ぎ」で、選手たちの「自由」までも奪ってしまっては、本末転倒だと批判されても仕方ないんだ。
もちろんこれは、昔から活発にディスカッションされつづけているテーマです。
そういえば昔は、弱者のゲーム戦術と呼ばれていたこともあったよね。
そう、強化守備サッカー。
そして、相手のチャンスの芽を潰し、ボールを奪ってからの「素早い(ロング!?)カウンターを狙う・・」ってな、オールドファッションの勝負優先サッカー。
もちろん、当時のように、全体が大きく下がって守備ブロックを強化する・・なんていう、極端にディフェンシブなゲーム戦術は影をひそめている。
そうではなく、今では、「リスクを冒さずに、人数&ポジショニングバランスを完璧にマネージする戦術サッカー・・」なんて呼ばれることもあるわけさ。
そう、勝利至上のチーム&ゲーム戦術・・
そこでは、昔のように、受け身のディフェンスを展開するのではなく、守備ブロックを少し高めに設定し、「より高い位置」でのボール奪取を狙い、そこから(ショート)カウンターをブチかましていく・・といのが主流なんだ。
そう、限りなく「ショートカウンター」をイメージする、ボール奪取プロセスのマネージング。
でも、まあ・・、基本的な「ターゲットイメージ」は、昔の「それ」と大きくは変わらないよね。
そう、受け身の守備ブロックを強固に組織し、(ショート!?)カウンターを狙う・・
それは・・
可能なかぎり「失点」しないようにするサッカー・・と表現できるかもしれない。
でも・・
_______
そう、それでは、未来志向の「美しく魅力的な攻撃サッカー」へ近づいていけるはずがない。
だから、私は・・
攻守にわたって、常に、数的に優位なシチュエーションを創りつづける積極的な攻撃サッカーというコンセプトが、とても大事だと主張しているんだ。
まあ、それは、ドイツサッカー史に燦然と輝くスーパープロコーチ、故ヘネス・ヴァイスヴァイラーだけじゃなく・・
1974年ドイツW杯で、まさに未来サッカーを指し示したオランダ代表を率いた、故リヌス・ミケルスからも、言われつづけたコトなんだけれど・・サ。
「でも、そんなサッカーで勝つのは(失点を防ぐのは!?)、大変じゃないか〜!?」
そんな「異論・反論・オブジェクショ〜ン」が聞こえてきそうだけれど・・
そう、その危険は、常につきまとう・・サ。
でも、「石橋を叩いて渡る・・」ような、セキュリティー優先の戦術サッカーを、誰が観たいと(やりたいと!!)思うんだよ・・。
だからこそ・・
常に、「基本中の基本」を見つめ直さなきゃ、いけないんだ。
そう、豊富な運動量に支えられた、素早い攻守の切り替え・・
だからこそ・・
考えつづけながら、攻守にわたるハードワーク&リスクチャレンジを積極的に「探しつづける・・」という、勇気あふれる決断のプレー姿勢(闘う意志)を進化&深化させなきゃいけないんだ。
そのためにこそ、勇気あふれる優れたコーチ(心理マネージャー)が必要なんだよ。
繰り返しになるけれど・・
とにかく、自分勝手な「限界」を設定し、それに基づいて、選手から「自由を奪う」ような人々は、コーチの資質に欠けると思っている筆者なんだよ。
まあ・・ここじゃ、これ以上、このテーマには踏み込まないけれど・・
_______
えっ・・!?
あっ・・試合ね・・
そういえば・・
へへっ・・
まあ・・、読者の皆さんは、私が、この三位決定戦でも、決勝でも、サッカーの未来を明るくしてくれるような、「難しいことにチャレンジする」チームをサポートしていることは、ご存じですよね。
そう、この三位決定戦では、ベルギーを・・
また、決勝では、クロアチアを・・
そして、まず三位決定戦で、ベルギーが望みを叶えてくれたっちゅうわけです。
たしかに、全体的に、ものすごい「倦怠感」が支配する雰囲気ではありました。
やっぱり・・
その「目的」を考え、それを、「サッカーの将来にとっての価値あるコト」と定義した場合、この三位決定戦は、やらない方がいいのかもしれない。
特に前半の「倦怠感」は、観るのが苦痛になる程のマイナスイメージだったんだ。
それでも・・
そう、攻守にわたる「人とボールの動きの量と質・・」という視点で、確かにベルギーに一日以上の長があったコトだけは確認できたよね。
もちろんイングランドも、ボールを動かすことはできるし、一つか二つは、とても良いチャンスを創りだした。
でも・・
そう、そこには、ボールがないところでの動きの量と質をアップさせる・・という発想があるとは感じられなかったのさ。
それじゃ、「足許サッカー」のオンパレードということになってしまうのも道理だったんだ。
それに対してベルギーは、全体として、とても創造的なサッカーを展開した。
その、ベルギーの先制ゴールだけれど・・
それは、とても美しい、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションによるモノだった。
また、2点目は、イングランド守備のアンバランスを突いた、まさに「才能の炸裂」と呼ぶに相応しい美しいカウンターゴールだった。
繰り返すけれど、全体的なゲーム内容は、誉められたモノじゃなかったんだよ。
でも、そんなスローペースだったからこそ、逆に、両チームの、実質的な「戦術コンテンツ」が、より明瞭に見えてきたっちゅうわけだ。
とにかく、ベルギーが勝ってくれて、ホントに良かった。
_______
さて、ということで明日は、フランス対クロアチアだ。
ところで、フランス・・
私は、前回コラムでも表明したように、もし彼らが、冒頭で主張した、将来をリードするような攻撃(積極)サッカーを展開してくれたなら、彼らを支持するのも、やぶさかじゃない。
もう、繰りかえし過ぎたかもしれないけれど・・
とにかく、攻守にわたる(運動量豊富な!)ハードワーク&リスクチャレンジを絶対ベースにすれば、リスキーな攻撃(積極)サッカーでも、確実に、勝利の可能性をアップさせられる。
このコラムでは、ゲーム内容をフッ飛ばし、そのこと「だけ」を主張したかったのさ。
スミマセンでした〜・・
ということで、お互い、明日の決勝をとことん楽しみ尽くしましょう。
では〜〜・・
-
============
最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
===============
重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
==============
ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
-
[ トップページ ] [
Jワンポイント ] [湯浅健二です。
]
[ Jデータベース ]
[トピックス(New)] [
海外情報 ]