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2019_ACL決勝_2・・攻守にわたって、素晴らしくコレクティブでハイレベルな組織サッカーで順当勝ちを収めたアルヒラル・・(レッズvsアル・ヒラル、0-2)・・(2019年11月24日、日曜日)

何か・・

第1戦も含めて、レッズにとってラッキーなシーンが立てつづけに起きていたから、これは、「神様ドラマのお出ましだ〜っ!」なんて、心のなかで期待していたんだ。

もちろん、その期待のバックボーンは、勇気を奮い立たせて攻め上がるレッズが創りだした、何度かのゴール機会だった。

これは、粘りに粘っていれば、そのうち「何かが起きるに違いない・・」ってね。

とにかく・・

両チームの実力差は、明らかだったわけだし、その事実を、もっとも切実に体感しているのは、グラウンド上の選手だったわけさ。

その彼らが、心理・精神的なプレッシャーにもめげず、ビビることなく、少ない仕掛けの流れを、何度か、ゴール機会と呼べるトコロまでもっていったんだ。

それは、それで、とても立派なプレーぶりだったんだよ。

そんな、「強烈な闘う意志に支えられた究極の粘りプレー」を観ながら、こんなコトを思っていた・・

・・あれほど実力の差を体感させられているのに、レッズの強者どもの闘う意志には、まったく陰りが見えない・・

・・そして何度も、粘りの自己主張とも言える、リスクチャレンジを仕掛けていく・・

・・そんな、深い覚悟に根ざした覚醒プレーには、わたしの期待を増幅させるに十分なダイナミズムが内包されていた・・

フムフム・・

まさに、賞賛に値するサッカー(強烈な闘う意志!)じゃないか。

だからこそ、神様ドラマに対する期待も、天井知らずってな具合に高まっていったわけさ。

でも・・

そう、そんな天井知らずのタイミングで、アルヒラルの(アウェー)先制ゴールがブチ込まれてしまったっちゅうわけさ。

そのシーンだけれど・・

相手陣内へ攻め込んでいったレッズだけれど・・

柏木陽介から興梠慎三へ出された仕掛けのパスが、相手の予測アタックに遭ってしまう・・

そして、そこから、抜群のカウンターをブチかまされちゃうんだ・・

例によって、右サイドの韋駄天カリージョが、ものすごいスピードのドリブルで上がっていく・・

もちろん、関根貴大が、フルスプリントで追い掛け、そして追い付く・・

でも・・

そう、カリージョは、関根貴大が、後方から迫っていることを、敏感に察知していた・・

そして、ショルダーチャージに見せ掛けた(!?)ハンドオフを見舞うカリージョ・・

関根貴大は、その手が顔に入ったことで(!?)もんどりをうって倒れ込んでしまう・・

その時点で、攻め上がるアルヒラルの4人に対し、レッズ守備は3人だけ・・

まあ、そこで勝負アリだったのかもしれない・・

そしてボールが、ヨコに動かされ、逆の左サイドでフリーになっていた、元イタリア代表のジョビンコへ、パスが回される・・

もちろんジョビンコは、「大きなワンツー」をイメージし、ダイレクトで、西川周作が守るレッズゴールの「鼻先」を横切るようなトラバース・ラストパスを入れた・・

そして最後は、レッズのゴール前まで忠実に走り抜けていたアルドサリが、ダイレクトで、レッズゴールに流し込んだっちゅうわけだ・・

わたしは、そのアウェーゴールを観ながら、心底、落胆していた。

それは、まさに「終戦」を意味する失点。

何せ、「あの強い」アルヒラル守備に対して、残り15分で「3点」も、もぎ取らなきゃいけなくなったわけだから・・

もちろんレッズの強者どもは、決して諦めず、少なくとも同点に持ち込もうと、ギリギリの(限界を超えた!?)ダイナミズムで押し上げていった。

でも・・

そう、逆に、カウンターから追加ゴールまで奪われてしまうんだ。

まあ、仕方ない・・

最後に・・

前述した、両チームの実力差についても、簡単に・・

記者会見で、アルヒラルの、ルーマニア人監督、ラズバン・ルチェスクが語っていたのだけれど・・

彼は、優れた個のチカラを擁するこのチームを、しっかりと、コレクティブなサッカーができる集団に仕上げたと胸を張っていたんだ。

たしかに・・

とにかく彼らは、背番号7と8のダブルボランチを中心に、守備も、強烈に強い。

まあ、ここじゃ、その強さの内実までは入り込まないけれど、たしかに、レッズがボールを奪っても、そう簡単には攻め上がっていけなかったよね。

そして、途中でボールを失い、前述したような、危険極まりないカウンターをブチかまされちゃう。

もちろんレッズのブロック守備も、ある程度は機能していたと思う。

たしかに何度かピンチには陥ったけれど、それでも、カバーリングや最後の半歩を「効果的に出す」という意味でも、組織的ブロック守備は、うまく機能していたんだ。

でも・・

そう、攻め上がった状況で、ちょっとでも「安易なカタチ」でボールを失った次の瞬間には、相手の「鬼のカウンター」が待っているっちゅうわけだ。

決してレッズの攻守の切り替えが緩慢だったわけじゃない。

そうじゃなく、アルヒラルの「個の才能連中」がブチかますカウンターの流れが、鋭利な刃物みたいに鋭すぎたっちゅうことなのかもしれない。

とにかく・・

フィジカル、テクニック、そして戦術的にも、とても、とてもレベルが高かったアルヒラル。

彼らには、クラブワールドカップでも、アジアを強烈にアピールして欲しい。

負けたことは悔しいけれど、それでも、この敗戦から学ぶことは、とても多いし、意義深いと感じている筆者なのであります。

もう、なんか、うまく、まとめられない。

ということで、今日は、このあたりで・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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