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2019_アジアカップ・・雑感(その2)・・(2019年1月26日、土曜日)
				
   
   
   
   
			 
			
あらら〜っ!!
    
大会屈指の実力チームが、両方とも消えてしまった。
    
まあ、たしかに、(韓国を退けた!)カタールは、次のW杯の開催を控え、国を揚げて強化していることの成果は見えるけれど・・
    
とはいっても、サッカーの内実は、韓国に軍配を揚げなければいけない。
    
だからこそ、カタールのハティムがブチかました、爆発的なスーパーミドル(後半33分)が決まってからの韓国の「闘う姿勢の極限アップ」に興味をそそられた。
    
そう・・
    
その時点までの、人とボールが動くスマートなサッカーに、彼ら特有の「レベルを超えて強烈な闘う意志と自己主張」によるダイナミズムがプラスされるに違いないって思っていたんだ。
    
例えば・・
    
・・長い距離のフルスプリントで、決定的スペースへ飛び出していったり・・
    
・・そう、守備側が考えもしないところから、フリーランナーが、急に現れてくるような仕掛け・・
    
・・また、それまでのチーム戦術イメージとは一線を画すような、勇気満々の「エイヤッ!!」ってなドリブル勝負をブチかましたり・・
    
また守備では・・
    
・・マーキングや寄せの勢い、そして局面デュエルの内実が、格段にアップしたり・・
    
・・レベルを超えた「勢い」で、より多くの人数が、ボールをめぐる協力プレスの闘いに参戦するようになったり(協力プレスの勢いの大幅なアップ!!)・・
    
・・等など・・
    
でも・・
    
そう、結局最後まで、そんな「韓国特有の極限ダイナミズム」を感じることはなかったんだ。
    
そこで、韓国ベント監督が講じたのは・・
    
高さと(チ・ドンウォン)と局面スキル(イ・スンウ)の投入。
    
わたしは、その交代策を観ながら、「チト違う・・」って感じていた。
    
何が!?
    
そうなんだよ・・
    
わたしは、「韓国の心理・精神的な強み」を、より効果的に活かしていけるような「策」が必要だって感じていたんだ。
    
韓国が秘める「闘う意志」を、大爆発させ、極限まで高揚させる策が・・
    
でも結局は・・
    
わたしは、決して、韓国ベント監督がイメージする、スマートなチーム戦術をネガティブに捉えているわけじゃない。
    
そうではなく・・
    
「その」基本ベクトルのニュアンスに、もう少し、「韓国的な闘う意志マインド」という心理ファクターをミックス(加味!?)していくべきだと・・
    
そう、レベルを超えた韓国の闘う意志マインドを、本当の意味で「解放」させられるような・・
    
でも、まあ、仕方ない。
    
__________
    
そして・・
    
そんな、とても残念な「韓国敗退」の証人になった後、今度は、「あの」オーストラリアまでも大会から姿を消してしまうことになるんだ。
    
オーストラリアについては、グループリーグでのコラムで、「組織パスサッカーがホンモノになるには、まだ時間がかかりそう・・」などと、安易に書いてしまった。
    
でも、この試合での彼らは、とても立派に、組織プレーと個の勝負プレーをハイレベルでバランスさせていた。
    
たぶん「その背景」には、個の勝負能力がとても高いアワー・メイビル(背番号21の黒人選手)をベンチスタートにしたこともありそうだね。
    
何せ、この天才は、ボールを持ったら、完璧に「自分の仕掛けイメージ」を前面に押し出そうとするからね。
    
だから、彼のところで、人とボールの動きが、一瞬「停滞」してしまうんだよ。
    
そして組織サッカーの「リズム」が崩れていく・・
    
もちろん彼が、メッシくらいの確率で、個の勝負を結実させられるのだったら、チーム全員が、彼の才能を駆使しようとするわけだけれど・・
    
まあ、例によっての、「諸刃の剣になり得る天賦の才・・」という普遍的テーマということ。
    
でも、この試合でオーストラリアが魅せた人とボールの動きは素晴らしく、組織でも、個でも、UAE守備ブロックのウラにある決定的スペースを攻略できていたんだ。
    
それに対してUAEは、たぶんザックのゲーム(&チーム)戦術イメージなんだろうけれど、カウンターサッカーを徹底していた。
    
たしかに、そのゲーム戦術が功を奏しそうになったシーンはあった。
    
でも、それにも増して、UAE守備ブロックが、オーストラリア攻撃の後塵を拝するシーンが目立っていたんだ。
    
でも、オーストラリアは、そのチャンスを決め切れない。
    
もちろん、カタールの「堅いディフェンスブロック」もあったわけだけれど・・
    
そしてオーストラリアは・・
    
組織サッカーで、あれほど「勝負のイニシアチブ」を牛耳りつづけたのに、結局は、「あんな」無様な決勝ゴールを献上しちゃうんだよ。
    
そんなゲーム(勝負)展開を観ながら、とても、フラストレーションが溜まった。
    
まあ、このゲームを、とても立派に仕切った、日本の佐藤隆治レフェリーが、そんな私のフラストレーションを和らげてはくれたけれど・・
    
_____
    
さて、これでベストフォーが出揃った。
    
とにかく、最強イランと対峙する、森保ジャパンの、攻守にわたる「質実剛健サッカー」に期待しましょう。
    
もし勝てば、アジアの頂点が、より鮮明に見えてくる!?
    
いやいや・・
    
これだけ高次平準化した「アジアサッカー」だから、そんな安易なイメージは禁物だよね。
    
そう、最後の最後まで「質実剛健」を意識し、それに集中して闘う意志を高揚させていくんだ。
    
ガンバレ〜ッ、森保ジャパン〜〜・・
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最後に「告知」です。
    
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
    
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
     
  - そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
    
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
    
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
    
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
     
  - まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
 
   
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				 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
			
			
			
			
			
			
			
			
				 追伸:わたしは
”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
			
			
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				 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
			
				 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
			
				 
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
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