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- 2019_J2_第38節・・負けはしたけれど、ヴェルディが、攻守にわたって実効ある進化&深化をつづけていることへの確信は揺るがない・・(横浜FCvsヴェルディ、2-1)・・(2019年10月27日、日曜日)
- ・・いや、湯浅さん・・
・・俊輔は、彼自身が、チーム(戦術)に柔軟にフィットしてくれているんですよ・・
横浜FC監督、優れたプロコーチ下平隆宏さんが、わたしの問いかけに対して、例によって真摯に、こんなニュアンスの内容をコメントしてくれた。
質問は・・
・・久しぶりに出場した中村俊輔ですが、守備もうまい彼がグラウンドに登場したら、そりゃ、彼にボールが集まりますよね・・
・・今日も、横浜の攻撃プロセスでは、多くのケースで、彼が中心だった・・
・・ということは、彼が出場したゲームと、彼が不在のゲームとでは、かなり異なった戦術イメージのサッカーになるということなんでしょうね・・
それに対して、下平さんが、冒頭コメントにつづけて・・
・・俊輔は、いまのチーム戦術をしっかりと踏襲するように、ゲームを創ってくれるんです・・
・・要は、チームメイトがイメージするゾーンに、タイミングよくボールを動かしてくれるということですよね(素敵な表現だね〜〜)・・
・・また、そんなゲームメイクだけじゃなく、チャンスメイクで存在感を発揮したり、最終勝負プロセスに上手く絡んでいったり・・
・・そうそう、このゲームじゃ、あんなスーパーゴールまで決めちゃいましたよね・・
・・もちろん私も、俊輔に、今のチームのやり方に乗っかって欲しいとアプローチしましたよ・・
・・そして彼は、トレーニングから、本当に積極的に、そのベクトル方向でのプレーに柔軟に対応しているんです・・
・・まあ、要は、大人ということなんでしょうね・・
下平隆宏さんの、なかなか中身の濃いコメントではありました。
そう、中村俊輔は、やっぱり、「あのシュンスケ」だったんだよ。
それにしても・・
あの、ダイレクトでブッ叩いたスーパーミドル先制弾は、本当にすごかった。
国内のドメスティックな雰囲気のなかで、唐突に飛び出した、世界最高レベルのキャノンシュート・・ってな感じ。
それゃ、目を奪われるサ。
さて、ということで、ゲーム・・
たしかに横浜FCが勝利を収めたけれど、実は・・
そう、ゲーム展開のイニシアチブという視点では、ヴェルディに一日の長があったんだ。
もちろん、その絶対ベースは、ディフェンス(ボール奪取プロセスの内実)にあり。
ヴェルディが仕掛ける、(勝負イメージが)有機的に連動しつづける守備ハードワークと局面デュエル。
それがあるからこそ、次の攻撃に(特にボールがないところでのサポートの動きの量と質に)勢いが乗ってくるのは道理。
そう・・ヴェルディ攻撃にもポジティブな変化の兆しが・・っちゅうテーマ・・
前節のヴァンフォーレ戦コラムでは書かなかったけれど、ヴェルディの、仕掛けリスクチャレンジへの「意志と勇気」が、目立ってアップしてきているって感じるんだ。
それが、ヴァンフォーレ戦での先制ゴールと追加ゴール(梶川諒太のスーパーミドル弾!)のバックボーンにあったと感じているんだよ。
そう、前へ、前へと積極的に仕掛けていく「勇気と意志」。
ということで、この試合で「も」、ヴェルディの、攻守ハードワークとリスクチャレンジに対する「攻撃的な意志」が、特筆に目立っていたと感じている筆者なんだよ。
まあ、その背景には、横浜FCが、アグレッシブにボール奪取プロセスを仕掛けてきたということもあったんだろうね。
そう、彼らの守備プロセスは、決して「構えて待つ」のではなく、あくまでも「前で」ボールを奪い返す・・というアグレッシブな姿勢だったんだよ。
だからこそヴェルディも、より積極的な「仕掛け」を繰り出していけた!?
たぶん・・ね・・
もし相手の守備ブロックが、基本的に「待ちの姿勢」だったら、どうだろう・・
そんな場合、ヴェルディのように、人とボールを(ダイレクトも含めて!)動かしつづけるイメージのサッカーが、うまく回らないというケースが多いんだよ。
そして、足が「止まり気味」になって、相手が「待ち構える」スペースへパスを送り込んでしまうことでボールを失ってしまう。
それでは、次の「仕掛けへのアグレッシブな意志」が、徐々に減退し、消極的に縮こまっていくのも当然の成りゆきじゃないか。
もちろん、欧米の一流クラブでは事情が違う。
彼らは、相手が、そんな「待ち」のディフェンスだったら、「待ってました」とばかりに、破壊的な勝負ドリブルをブチかましていくんだよ。
日本でも、そんな猛者ドリブラー(ある意味、強烈な自己主張のエゴイスト!?)がいれば、ハナシは少し違ってくるのかもしれないね。
あっ、そうだ・・
ヴェルディには、ジャイルトン・バライバとか、クレビーニョってなドリブラーがいるじゃないか。
また、小池純輝だって、たまには、勇気まんまんの勝負ドリブルで、相手ディフェンスを切り裂いちゃったりするよね。
とはいっても・・
そう、彼らの場合は、まだまだ、相手を、高い確率で打ち砕いていくだけのテクニックやセンス、また「意志のダイナミズム」が足りない。
その「意志のダイナミズム」という、つかみ所が薄い、心理・精神的ファクターだけれど・・
要は、半信半疑ってな「生煮え」じゃなく、「オレは出来るっ!!」っていう、強烈な意志(弾けた勇気!?)を爆発させるというコトなんだよ。
そんな、相手をビビらせるくらいに「勢い」の乗った爆発ドリブルだったら、より高い確率で、相手ディフェンダーを蹴散らせるはずなんだよ。
もちろん、リスクチャレンジだから、失敗やミスもあるさ。
でも、そんな失敗やミスで「萎えて」しまうのは、まさに愚の骨頂。
そうではなく、何度失敗しても、決してめげず、諦めず、逆に開き直って(「何か」から解き放たれるかのごとく!?)ギリギリのチャレンジを繰り返すのさ。
そんな心理的な境地のことを、「ゾーンに入る・・」って表現するのかもしれない・・
それがあって初めて、本物のブレイクスルーを成し遂げられる・・
あっと・・、またまたワケの分からない「蛇足コメント」になった・・スミマセン・・
ということで・・
最後に、ヴェルディの気になった「個」についても、簡単に・・
このゲームの後半には、アンカー&ゲームメイカーとして、驚きの「ポジティブ・イメチェン」を果たし、その後ケガで戦列を離れていた佐藤優平が復帰した。
まあ確かに、ブランクのせいで(!?)、まだまだ本調子イメージのプレーではなかったけれど、片鱗は、感じさせてくれた。
ところで・・
その佐藤優平が戦列を離脱していた間、そのタスクを、見事に補完した選手がいたんだ。
そう、梶川諒太。
とにかく彼は、攻守にわたって、獅子奮迅の活躍だったんだよ。
まさに、最高潮の佐藤優平に優るとも劣らない・・ってな印象をもった。
ところが・・
そう、このゲームの後半では、佐藤優平が復帰したことで、左サイドの攻撃的ハーフへ「上がった」梶川諒太だったけれど・・
どうも、後方からタテパスを受け、「そこ」から仕掛けていくという「プレーイメージの変化」に、100%対応できていなかったということなのかもしれない。
とても難しいディスカッションだけれど・・
やはり、不確実な要素が満載のサッカーは、究極の「主体性ボールゲーム」というコトなんだろうね。
よく言うじゃありませんか・・
前線でのスペース攻略プロセスでは、出されたパスで走らされるレシーブではなく、あくまでも、主体的にパスを呼び込む(パスを要求する!)フリーランニングこそが理想・・
あっと、またまた難しいディスカッションに入りかけてしまった〜・・へへっ・・
ということで・・
惜敗だったにもかかわらず・・
相手が、優れたプロコーチ下平隆宏に率いられた「強い」横浜FCだったことも含め、ヴェルディが、攻守にわたって、実効ある進化&深化をつづけていることへの確信が揺らぐことはありませんでした。
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- ところで・・
チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。
以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。
彼女については、このページやあのページを参照してください。
私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。
その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。
藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。
「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。
ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。
また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。
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- あっと・・
- 私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」。
- ちょっと、プロモートさせてくださいね。
- この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」。
- とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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