トピックス
- 2019_J2_第13節・・このところのヴェルディのサッカーには、希望と期待のリソースが詰め込まれている・・(ヴェルディvsアビスパ、3-2)・・(2019年5月11日、土曜日)
- ・・今シーズンでは、最高のサッカーだったと思うが・・
アビスパのペッキア監督に対して、そんな質問が飛んだ。
たしかに・・
積極的なボール奪取プロセス&ポゼッションという視点では、彼らが優勢ではあった。
でも逆に・・
そう、攻撃での仕掛けプロセスは、あまりにも「単調」に過ぎた。
いつも書いているように、サッカーの仕掛けプロセスでは、組織プレーと個人勝負プレーを、うまくバランスさせなきゃいけないんだ。
それが・・
そう、足許パスばかりが目立つアビスパの仕掛けイメージが、あまりにも個の勝負に偏っていることで、「危険なニオイ」が薄すぎるんだ。
だから、シュートシーンにしても、「ゴールの香り」が放散されない。
それに対して、ヴェルディの仕掛けプロセスには、確固たるイメージがあった。
しっかりと人とボールを動かしながら、タイミングのよい、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションをブチかましていくんだよ。
そう、高質な「イメージ・シンクロ組織コンビネーション」。
そのターゲットイメージは、もちろんスペースの攻略。
その目標イメージを叶(かな)えられたら、そこからは、「組織」で仕掛けていっても、「個の勝負」をブチかましても、とても効果的な「最終勝負」を展開できるはず。
断っておくけれど、組織と個による最終勝負プロセスなんて、厳密に分類できないんだよ。
要は、「傾向」として、組織イメージが強いか、個の勝負イメージが強いか・・っちゅうこと。
もちろん最高の仕掛けプロセスは、誰にも、組織か個かのイメージを掴まれないモノなんだ。
そう、絶好調のときのバルサのようにね。
あっと・・ヴェルディの仕掛けプロセスだった・・
言いたかったのは、そこに、十分な「変化」があったこと。
前述したアビスパの仕掛け&最終勝負が、あまりにも「硬直」的なモノだったから、ヴェルディが仕掛ける最終勝負の「創造的な柔軟性」は、とても目立っていたという側面もあるね。
ヴェルディの仕掛けプロセスが、そのように創造的で危険なモノだったから、アビスパ守備も、ボール奪取のターゲットを絞りにくかっただろうね。
繰り返すけれど・・
ボールポゼッションでは、たしかにアビスパに分があったんだ。
それが、今期最高のサッカーだった・・っちゅう印象を残したんでしょ。
またシュート数でも、アビスパに軍配が挙がる。
でも・・
そう、実質的な「ゴール機会の量と質」という視点じゃ、明らかに、ヴェルディが優っていたんだ。
また・・
アビスパが「追いかけゴール」を奪い、「3-2」と点差を縮めてからの、後半の残り30分・・
そこでのゲーム内容でも、様々な戦術的視点で、ヴェルディに一日の長があった。
だから、ホワイト監督に、こんな質問を投げた。
・・ラッキーなことに、ヴェルディのホームゲームを2試合もつづけて観戦できた・・
・・だから、こんな視点で質問したい・・それは・・
・・前節の長崎戦では、まさに「ギリギリのところで守り切れた」という、どちらかといったらネガティブな印象の方が強かったけれど・・
・・それが、この試合での、1点差に詰め寄られてからの残り30分は、「立派に勝ち切った」というポジティブな印象だった・・
・・そこのところを、分析していただけないか?・・
そんな質問に対してホワイトさんは、例によって真摯に、こんなニュアンスの内容をコメントしてくれた。曰く・・
・・前節は、ファイブバックで守り切ろうとした・・
・・でも今日は、フォーバックを維持することで、スリーラインをキープすることに(チームをコンパクトに保つことに!)腐心したんだ・・
・・だから、中盤でのプレッシングを、より効果的に繰り出していけた・・
・・だから、相手のパスの出所を、しっかりと抑えるコトができた・・
フムフム・・。
まあ、そういうことだね。
ところで・・
前節の長崎戦での「逃げ切りプロセス」だけれど・・
そこじゃ、もしかしたら、選手たち自身の判断で、ファイブバックから、慣れ親しんだフォーバックに戻したんじゃないか!?
だから、最後は、うまくバランスを執って逃げ切れた!?
でも、もしそうだとしたら・・
それもまた、主体的に闘うという選手たちのマインドを尊重する、優れた心理マネージャーとしてのホワイトさんの面目躍如ってなコトなんじゃないの??
さて〜〜っ・・
あっと・・
それにしても・・
中盤における「創造性&攻守ハードワークとリスクチャレンジ」のトリオ、井上潮音、佐藤優平、渡辺皓太がブチかましつづけた、攻守にわたる「魂の闘い」。
それは、ホントに素晴らしかった。
彼らは、真の意味で、攻守にわたって主体的に仕事(ハードワーク)を探せる、頼りになる強者たちなんだ。
もちろん、サイドハーフの小池純輝と藤本寛也にしても、しっかりと攻守ハードワークを探しつづけてはいたけれど、やはり「実効レベル」という視点では、「彼の」三人に、一日の長があるっちゅうわけさ。
もちろん、両サイドバック、若狭大志と奈良輪雄太も、タイミングを見計らった「勇気あるオーバーラップ」を繰り返す。
それも、あれほど、アビスパに攻め上がられている状況であるにもかかわらず・・
要は、様々な意味合いで、相手に攻め込まれている状況で、逆襲の流れに乗ったサポートを繰り出していくのは、とても「勇気」の要る作業だっちゅうことさ。
そして最後に・・
そう、ギャリー・ホワイト監督の「プロコーチのウデ」っちゅうテーマ。
たしかにヴェルディ成績の見栄えは、「まだ」良くない。
でも、このところの彼らがブチかましているダイナミックサッカーには、「さあ、これからだっ!!」っちゅう、希望と期待のリソースが詰め込まれているじゃありませんか。
とにかく、選手たちの、自分たち自身で(主体的に!)考え、勇気をもって実行していく「闘う意志」は、ホワイト監督の「ストロングハンド」に拠るところが大きいと思うのですよ。
そうでなければ、守備において、あれほど「最後の半歩」が伸びてくるはずがない。
また・・
攻撃でも、ボールがないところでの3人目、4人目のフリーランナーが、あそこまで「深く」敵陣スペースへ入り込んでいくはずがない。
そして彼らは、決してビビッたりせず、最後の最後まで、勇気と責任感をもって、仕掛けプロセスを完遂することに最大限のエネルギーを傾注するんだよ。
とにかく、そんな「闘うヴェルディ」を率いるストロングハンド、優れた心理マネージャーでもある、ギャリー・ホワイトに、乾杯!!
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- ところで・・
チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。
以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。
彼女については、このページやあのページを参照してください。
私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。
その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。
藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。
「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。
ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。
また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。
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- あっと・・
- 私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」。
- ちょっと、プロモートさせてくださいね。
- この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」。
- とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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