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2019_J2_ 第23節・・前半と後半における「ゲーム内容の逆転現象」と、それにともなった「大逆転ドラマ」には、ものすごく興味深いコノテーション(言外に含蓄され る意味)が詰め込まれていた・・(ヴェルディvs愛媛FC、3-2)・・(2019年7月20日、土曜日)

実は・・

ハーフタイムの記者席で、チカラなく座りながら、前半だけで帰ろうかと悩んでいたんだ。

それは・・

新任の永井秀樹監督のデビュー戦として、あまりにも「不甲斐ないサッカー」だったから。

愛媛FCは・・

・・タイミングを見計らった前からプレス守備だけじゃなく、カチッと決まったブロック守備も、とても効果的に併用する・・

・・そして、ヴェルディのボールの動きを見定めながらターゲットを絞りながら、「ココゾッ!!」のタイミングで集中プレスをぶちかましてボールを奪ってしまう・・

・・そして、そこから必殺のカウンターをブチかます・・

そんな戦術サッカーに徹する愛媛に対し、ヴェルディは、まさに彼らのゲーム戦術プランの「ドツボ」にはまりまくって、失点を重ねていくんだ。

・・ボールを奪い返しても、後方でパスを回すばかり・・

・・そしてタイミングが遅れた仕掛けのタテパスを、気力なく送り出す・・

・・そんなだから、愛媛ディフェンスが、「はいっ・・いらっしゃ〜いっ!!」ってな感じでインターセプトしちゃうのも道理・・

・・そして彼らは、そのまま危険なカウンターをブチかます(カウンターシーンでの愛媛プレイヤーの参加人数の多いこと!)・・

・・またヴェルディは、守備でも、まったく、ボール奪取ポイントが定まらない・・

・・もちろん「それ」は、チェイス&チェック(ボールへの寄せ)が、あまりにも甘すぎるから・・

そんなヴェルディだったけれど・・

一度だけ、タテパスを「スイッチ」に、二度、三度と、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションが決まってチャンスを創りだしたよね。

でも、それも、焼け石に水。

全体的には、しっかりとポゼッションを取れているのに、チャンスメイクの流れが、まったくと言っていいほど加速させられないんだよ。

私の眼には・・

その大きな原因が、「守備でのチェイス&チェック」が甘いだけじゃなく、攻撃でも、「パス&ムーブ」という絶対ベースが足りな過ぎると映っていた。

それじゃ、人とボールを、リズム良く「動かし」つづけられるはずがない。

フ〜〜ッ・・

わたしは、永井秀樹監督が、ユース年代で素晴らしい仕事をしているコトを知っている。

だから、そんな前半の「無様なサッカー」に、違和感いっぱいだったんだよ。

でも・・

そう、前半37分に、井上潮音に替えて、森田晃樹が登場したあたりから、徐々に、サッカー内容が好転していったんだ。

森田晃樹は、グラウンドに立った瞬間から、愛媛のボールホルダー(次のパスレシーバー)へのチェイス&チェックをブチかましつづけた。

そんな汗かきハードワークが、チームメイトたちに勇気を与えない(さまざまな意味合いを内包する「覚醒」をうながさない!?)はずがない。

そう、森田晃樹は、抜群の、刺激ジェネレーター(目覚まし時計)として機能したんだ。

この、「グラウンド上の刺激ジェネレーター」というテーマについては、「このコラム」もご参照あれ。

そして・・

そんなヴェルディの「活性化の流れ」は、後半になって、ガンガン加速したっちゅうわけさ。

あ〜〜あっ・・ホントに、帰らないでよかった〜〜・・

へへっ・・

ということで、後半のヴェルディ・・

まさに「急に目が醒めた」ように、攻守にわたって躍動しつづけることになるんだ。

攻守ハードワークとリスクチャレンジにあふれる、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションが冴えわたる。

そして、そんな組織サッカーが機能しつづけるからこそ、局面での個のドリブル勝負も、抜群の機能性を魅せる。

要は、積極的にプレーするようになったということだけれど・・

あっと・・

そんな活性化プロセスでは、後半から登場した山本理仁の存在も見逃せない。

質実剛健なデイフェンスを絶対ベースに、広い視野(要は、優れた読みとイメージング能力!)の素晴らしいボールコントロールと、タイミングとコースが抜群の組み立て(仕掛け)パス・・等など。

とにかく、その「落ち着いたゲームメイカーぶり」は、群を抜いていたんだ。

あっと・・

それには、永井秀樹監督が、後半から、スリーバックにしたことも大きいよね。

たしかに前半は、センターバックコンビが、とても不安定だったからね。

とにかく後半は、藤本寛也、渡辺皓太、森田晃樹、山本理仁といった、「永井チルドレン」の、強烈な闘う意志ベースの「ダイナミックな攻守ハードワークとリスクチャレンジ」が、眩いばかりの輝きを放っていたんだ。

あっと・・永井チルドレン・・

前述した選手たちは、皆、ユースチームで、永井秀樹さんに指導を受けた連中なんだよ。

そのこともあって・・

ハーフタイムでの永井秀樹さんの指示にも、とても「正しく」反応し、そして、自分たちのアイデアも入れた(考えつづける!!)積極プレーをブチかましつづけたっちゅうわけさ。

もちろん・・

そんな、前半と後半における「ゲーム内容の逆転現象」については、さまざまな「戦術的分析の視点」があるよね。

でも、まあ、ここじゃ、「言葉のお遊び」になるかもしれないから、そんな机上の空論「的」な「幾何学ロジック」を展開しようなんて、まったく思わない。

なにせ・・

そう、不確実な要素が満載のサッカーは、究極の「心理ボールゲーム」なんだから・・

ということで、チト、ワケが分からないけれど・・

ガンバレ〜ッ!!、永井秀樹〜〜っ!!


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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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