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2019_日本代表・・前半のサッカーこそ森保ジャパンの真骨頂であり、そこには感動を呼び起こす希望と誇りが詰め込まれていた・・(日本vsコロンビア、0-1)・・(2019年3月22日、金曜日)

・・よ〜〜しっ!!・・

そのとき、心のなかでガッツポーズが出ていた。

そう、後半に向けての選手交代がなかったんだよ。

実は・・

帰りの単車ライドで、ずっと、コラムの全体ニュアンスをどうしようか考えていたんだ。

記者会見では、後半の日本ペースが落ち、コロンビアにゲームを支配された・・ってなニュアンスのコメントが聞こえていた。

たしかに・・

森保ジャパンは、前半ほどの「前からプレス守備」はブチかませなかったし・・

逆にコロンビアは、積極的に「前へ押し上げ」ながら、うまく個のデュエルに持ち込むことで、危険なニオイを放ちはじめたよね。

とはいっても・・

そう、森保ジャパンにしても、ゲームの流れを「明確に」支配されていたというわけじゃない。

まあ、局面での個の勝負では、コロンビアのテクニック、フィジカルが「目立つ」シーンは多くなっていたけれど・・ね。

そんなタイミングで(前半20分あたりかな・・)、香川真司が登場したっちゅうわけだ。

そしてサッカー内容が、「普通」になっていった。

普通・・

そう、人とボールを、落ち着いて「人とボールを動かし」ながら、状況を見極め、柔軟に攻め込んでいく・・ってな感じですかね。

でも、「爆発プレー」は観られなくなった。

そう、守備においても、攻撃においても・・。

それに対して、前半の森保ジャパンは・・

「あの」世界の強豪コロンビアを相手に、まさに、昨年のウルグアイ戦を彷彿させる、スーパーな攻撃サッカーをブチかました。

森保一監督は、満足げに、「インテンシティーの高いサッカー・・」ってな表現をもちいて振り返っていたよね。

要は、選手全員が、最高の「攻守ハードワーク」をベースに、前からプレス守備をブチかましつづけ、その勢いを、直接的に「次の攻撃」にブチ込んだ・・っちゅうわけさ。

積極的なボール奪取プロセスをブチかましつづけたからこそ・・

次の攻撃でも、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションを絶対ベースに、中島翔哉と堂安律、南野拓実が、タイミングよく必殺ドリブル勝負をブチかますなど、素晴らしいリスクチャレンジマインドで、組織と個が、抜群のコラボレーションを魅せつづけたんだ。

そんな、抜群に攻撃的な「闘う意志」が、チーム全体を鼓舞しないはずがない。

両サイドバック(佐々木翔と室屋成)も、ものすごく積極的に攻撃に参加していったものさ。

そんな森保ジャパンの攻撃サッカーに、世界の強豪コロンビアも、まさにタジタジだったぜ。

そう、「あのときの」ウルグアイのように・・

そんな、森保ジャパンの強者どもが魅せたサッカーには、すべてのファンやサッカー人、そして一般生活者の感動を呼び起こす、素晴らしい希望と誇りが詰め込まれていた。

ところで・・

いつも書いているように、サッカーのすべてはディフェンスから始まる(守備によって、すべてが決まる!?)っちゅう視点。

そう、前半の森保ジャパンは、そんな、積極的な「前からプレス守備」が素晴らしい機能性を魅せていたんだよ。

そして、だからこそ・・

何度も、クロスからのシュートやキャノン・ミドル、はたまた、南野拓実が「巧み」に持ち込んだ、ゴール前数メートルの素早いシュートといった、かなり「いけてる」チャンスを創りだせたんだ。

でも後半は・・

そう、たしかにコロンビアが、より前へ押し上げ(より積極的に前からプレス守備を仕掛け)、うまく、局面での個のデュエルに持ち込むことで、ペースを握る時間帯が増えた。

そしてサッカー内容が、前述した選手交代からの「普通の落ち着いたモノ」へと変容していったというわけさ。

どうだろうね・・

たしかに香川真司や乾貴士は、「足許プレー」には優れている。

でも・・

そう、いまの彼らには、南野拓実、中島翔哉、堂安律(MND)がブチかましつづける、抜群の攻守ハードワークとリスクチャレンジの「ダイナミズム」は、期待できないでしょ。

たしかに香川真司は、ボールコントロールやパスは上手い。

特に、ダイレクトでのスペース攻略パスは、勝負イメージがシンクロすれば、抜群の効果レベルを発揮する。

また乾貴士は、ツボにはまれば、抜群に危険なドリブル突破&シュートだってブチかませる。

でも、それにしても、「MND」が魅せつづける、全体的な攻守プレーの内実には、及ばない。

そして・・

勝負を仕掛けていかなければならないシーンで、横パスやバックパスといった「後退の展開プレー」に逃げてしまったりする。

そんなだから、積極的に仕掛けていくときの「人とボールの動きのダイナミズム」で、「MND」と雲泥の差が出てしまうのも道理っちゅうわけだ。

そして、チーム全体が、普通の、落ち着いたサッカー(危険なニオイを放てない仕掛け!?)に終始するようになってしまう。

まあ、相手が弱いときは、それでも勝てるだろうけれど、今回のアジアカップでも観られたように、アジア諸国のレベルは大きくアップしているんだ。

そんな厳しい相手とのギリギリの闘いで結果を残すためには、より積極的に、爆発的にダイナミズム(攻撃性)がアップした仕掛けを繰り出せなきゃいけないんだよ。

そう、「ワンツースリー・・」なんていうダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションと、個のドリブル勝負の、高質なコラボレーション。

ちょっと疲れ気味。

明日、ゲームを見直して補足するかも知れません。

ということで、今夜は、こんなところで悪しからず・・


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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