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2019_トゥーロン・・攻守にわたって、素晴らしい連動性を魅せつづけた横内昭展ジャパンの組織サッカー・・まさに、アソシエーション・フットボール・・(日本vsチリ、6-1)・・(2019年6月5日、水曜日)
たしかに、結果には(数字的には)少しビックリさせられた。
でも・・
そう、組み立てプロセスではなく、最終勝負プロセスの内実という視点で考えてみれば、ストンと腑に落ちた。
そうなんだよ・・
横内昭展さん率いる「U22日本代表」は、しっかりと(≒美しくスマートに、互いのイメージをシンクロさせながら!)、ボールがないところで勝負を決めたんだ。
それに対して、チリの「スペース攻略プロセス」は、かなり「個の勝負」に偏っていた。
もちろんスルーパスやクロス攻撃はあるよ。
でも、基本的に、そのプロセスは「単発」なんだ。
要は、一発のパスレシーバー(フィニッシャー)以外の、3人目、4人目のアクションが足りないんだよ。
だから、日本のディフェンスも、チリ最終勝負の「次の仕掛けイメージ」が、とても明瞭に、見透かせていたっちゅうことだね。
ここで、視点を、攻撃と守備イメージは「表裏一体」というテーマに移す。
そう、そんなチリの「守備ブロック」が抱える、イメージ的な弊害・・
それは、「個の勝負」がメインの(!?)最終勝負イメージだからこそ、チリ守備ブロックが、日本の若武者がブチかます、パスによる最終勝負に、ついていけなかった!?
そう、ボールがないところでの最終アクションに対するイメージ対処が、十分にできなかった!?
ゲームを見返しながら、そんなコトを考えていた。
たしかに、個のチカラでは、チリが上とはいえ、そんなに大きな差はない。
でも・・
そう、「組織的な仕掛けプロセスの内実」では、かなりの差があると感じたんだ。
もちろん、チリの組織力は(≒プレッシング・ボール奪取力!?)は、一流だよね。
でも、そんな組織イメージが、攻撃での最終勝負プロセスとなると・・
要は、最終勝負プロセスでブチかます、ボールがないところでの決定的フリーランニングの「量と質」に大きな課題をかかえているっちゅうことさ。
もっと言えば、最終勝負プロセスでの、パサー(ボールホルダー)と、3人目、4人目のフリーランナーがアタマに描く「決定的スペースの攻略プロセスのイメージ」が、かなり「個の勝負」に偏っているということ。
だから・・
チリ守備ブロックのイメージも、「そちら方向のベクトル」に偏る傾向が強い。
そして、だからこそ、日本の若武者がブチかます、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションによる最終勝負プロセスに、「イメージ的に」ついていけなかった。
もちろん日本の若武者たちがブチかましつづけた、攻守ハードワークとリスクチャレンジの内実は素晴らしかった。
その素晴らしい「組織マインド」が、連動ディフェンスと、攻撃での最終勝負プロセスに、如実に活かされていた・・っちゅうわけさ。
それにしても、「あの」強いチリに対して、この内容のサッカーで大勝を収めたんだよ。
そりゃ、深~い自信につながるよね。
なんかサ・・
「東京オリンピック」というモティベーションが、選手たちの心理・精神環境に与えている、レベルを超えた「何か」を体感しているような感覚を覚えるのは私だけじゃないでしょ。
もちろん横内昭展さんが、素晴らしい仕事をしているのは紛れもない事実ではあるけれど・・
ということで、この試合については、こんなところですかね。
さて、次は、ものすごく悔しい結果に終わった(だから、コラム執筆のエモーションも高揚していかない!?)、ポーランドでのU20W杯のコラムに取りかかろう。
フ~~ッ・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか~~・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは
”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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