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2019_U22親善マッチ・・この(内容的にも)ネガティブな体感を、どのように自分のなかで処理し、イメージ記憶タンクに収納していくのか・・それがテーマだ・・(日本vsコロンビア、0-2)・・(2019年11月17日、日曜日)

まさに、強烈にモティベートされた世界の強豪・・

この日のコロンビアU22代表には、そんな形容が、ふさわしい。

たぶん・・

来年オリンピックのホストカントリーというだけじゃくなく、直近で、「あの」ブラジルU22代表に、それも彼らのホームで競り勝った日本・・というイメージも気持ちに火を点けた!?

もちろん、コロンビアU22代表のチーム内でも、オリンピックへ向けた「メンバー選考サバイバル」という心理メカニズムが蠢(うごめ)いているんだろうしね。

そんな、極限までアップした闘う意志というバックボーンがあるから、その「やる気ポテンシャル」が天井知らずになるのも道理ってなものだ。

もちろんそのコトは、守備(ボール奪取プロセス)に、如実に表現されるわけだよね。

チェイス&チェックやカバーリング、クレバーなポジショニングバランシング、忠実なマーク、最終勝負シーンでの「最後の半歩、そして、機を見計らった集中(協力プレス)等など・・

彼らは、サボる気配などまったく感じさせず、そんな組織ディフェンス(守備ハードワーク)を、素晴らしく機能させつづけるんだ。

とにかく、彼らのモティベーション・ダイナミズムが最高潮に達している・・と感じていた。

また、言うまでもなく・・

そんな守備でのハードワーク(闘う意志の相乗効果!?)は、次の攻撃でも、直接的にポジティブエフェクトをもたらすよね。

勇気マンマンのドリブル勝負は言うまでもなく、とにかく人の動きが活発だから、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションも冴えわたるんだ。

そしてだからこそ・・

ヤツらの「個の勝負」のクオリティーも光り輝くっちゅうわけだ。

それって、我々が、U22日本代表に期待していたこと、そのものだよな。

フ〜〜ッ・・

まあ、とにかく、(観ている方にとっても!)これほど「世界トップとの差」を、強烈に体感させられたゲームは、久しぶりだったということだね。

もちろんその体感は、「やり方」によっては、次のチャレンジでフッ切れた闘いを展開するためのバックボーンとして、記憶タンクに収納できる。

それが、素晴らしい学習機会だった・・って言うためにね・・

でも・・

そう、残念なことに、我らが若武者たちは、あの「ジリ貧の展開」を何とか打開し、流れを変えていくという「ポジティブな変容」を、自分たち自身で演出するまでには至らなかったんだよ。

ということで・・

このコラムで言いたいことは、唯一。

それは・・

そんなジリ貧の展開を、ポジティブに変容させていくための唯一の手段は、「守備にあり・・」という根源的なコンセプトなんだ。

ボール奪取プロセスでの個々のアクションが、うまく連動せず、空回りする守備・・

だから次の攻撃でも、ボールがないところでの「人の動き」が活性化せず、コロンビア守備に読まれて簡単にボールを失ってしまう。

もちろん「それ」には、久保建英、堂安律という、「中核の個の才能」が日本の攻撃を引っ張っているという背景もある。

コロンビア選手たちは、もちろん、この2人を強烈に意識していたのさ。

だから、マーキングや当たり方、彼らへのボールの動きをイメージしたポジショニングの集散が、とてもスムーズに機能していたと思うわけだ。

あっと・・

「あの」ジリ貧の展開から抜け出す、唯一の突破口はディフェンスにあり・・というテーマだった。

この日の、U22日本代表の守備では、終始、連動性が失われていたんだよ。

だから日本ディフェンダーは、コロンビアの、シンプルなワンツーやダイレクトパス、そしてもちろん素晴らしくスピーディーでスキルフルなドリブルで、スッ、スッと、置き去りにされてしまう。

また、フィジカルな局面デュエルの内実でも、明らかに劣勢に立たされていた。

それじゃ、セカンドボールを支配する「流れ」にもっていけるはずがない。

言いたいことは・・

彼らは、中盤のリーダー(例えば中山雄太!?)を中心に、心理・精神的に「まとまって」、強烈な「前からプレス守備」をブチかましていくべきだったんだ。

もちろん、それは、ある意味でリスキーなやり方かもしれない。

特に、カウンターでも危険なコロンビア相手だからネ。

でも、そんな前からプレス守備がうまく機能すれば、次の攻撃でも、ボールがないところでのサポートの動きだって、格段に活性化されたはずなんだよ。

もちろん、同時に、攻守の切り替えアクションも、その「素早さとイメージングの正確性」などで数段ギアアップしなきゃいけない。

とにかく・・

それさえ上手く機能すれば、相手カウンターの芽だって、効果的に摘めたはずなんだ。

誤解を避けるために書くけれど・・

このコトは、U22日本代表に、そんな、ゲーム展開の変容を創りだせるだけの実力が備わっているっちゅう大前提に立って主張しているんだよ。

昔のように、フットボールネーションとの実力差が大きかったら、そりゃ、自殺行為だよね。

でも、このU22日本代表は違う。

彼らは、自分たち主体で、そんな「変容」をプロデュースできるだけのキャパがあるんだ。

だからこそ・・

とにかく、U22日本代表の、攻守ハードワークとリスクチャレンジの内実を追いながら、彼らの「気持ちのダウン」が残念で仕方なかったんだよ。

ドイツサッカー史に残るスーパープロコーチ、故ヘネス・ヴァイスヴァイラーが、私に、こんなコトを言った。

・・いいか、相手にペースを握られている状況を打開するための唯一の手段は、勇気を振り絞って、前から、アグレッシブな守備をブチかましていくしかないんだ・・

・・全員が、オールコートマンマークで、相手にプレーさせないとかナ(まあ以前は、そんな発想もアリだったんだよ・・へへっ)・・

・・要は、それによって相手を疑心暗鬼に陥らせ、勘違いさせるんだ・・

・・そうすれば、必ず、イニシアチブを奪い返すことが出来る・・

・・そのためのアグレッシブな守備なんだ・・

フムフム・・

あっ・・そうそう・・

そんな、「ジリ貧の展開」を、ポジティブに変容させる・・というテーマで、「The Core Column」シリーズで、「こんなコラム」をアップしたことがあった。

そのコラムでの骨子テーマは、不確実な要素が満載だから、最後は自由に(最高の闘う意志で!!)プレーせざるを得ないサッカーが、究極の「心理ボールゲーム」だっちゅうコトね。

あっと・・

次につながる自信として記憶タンクに収納させるべきだった心理バックボーン・・というテーマ。

前述して、最後まで、ゲーム展開の「大幅なポジティブ変容」を演出できなかったというネガティブニュアンスの内容を書いてしまったけれど・・

でも、もちろん、そんなネガティブな体感もまた、やり方によっては、効果的に「次につなげられる」モノなんだ。

そう、失敗は成功の母・・

でも、もちろん、その「ネガティブ体感」の本質を、自分なりにプロセスし(イメージのなかで処理しポジティブに変換していく作業!?)、真摯に突き詰めていくことで、次のステップにつなげられればのハナシだけれど・・サ。

最後に・・

素晴らしく工夫された、テレビのカメラワーク。

とてもゲームを(本質であるボールがないところでの勝負コンテンツを!)楽しめました。

映像をクリエイトされたディレクター、カメラマンの方々に、感謝します。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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