トピックス
- 2020_ACL・・今シーズンのFC東京が抱える「贅沢な悩み」の本質が、この早い時期に、具体的に見えてきたコトが、このゲームでの最大の成果だったですかね・・(FC東京vsパース、1-0)・・(2020年2月18日、火曜日)
- ・・この試合で、もっとも強く感じていたのは、全体的に「後ろに重かった」ことです・・
・・その傾向を左右した、もっとも重要なプレイヤーが、橋本拳人だったと思います・・
・・彼のプレーイメージによって、全体的な、攻守バランスが決まるとも言えるかも・・
FC東京、長谷川健太監督が、会見で、そんなニュアンスの内容をコメントしていた。
それを聞きながら、何度も、心のなかで、「ナルホド〜ッ!!」って、頷いていたっけ。
そうなんだよ。
やっぱり、ボランチこそが(まあ、この試合での橋本拳人は、アンカーの性格が強かったけれど)、チーム戦術の「重心」なんだ。
だから、その選手の、攻守プレーの内実(イメージング)によって、全体的なサッカーの傾向(重心!?)が決まってしまうといっても過言じゃない。
特に、「あの優秀な」橋本拳人だからね、彼の「気持ち=攻守イメージング=の内実」によって、東京サッカーのベクトルが決まってしまう・・といっても過言じゃないよね。
長谷川健太監督は、そんな、チーム内における橋本拳人の重要な「機能性」に、何度も言及していたっちゅうわけさ。
ナルホド、ナルホド・・
ということで・・
このゲームからピックアップしたテーマだけれど・・
その骨子は・・
・・パースが、ACLの第一戦、ウルサンvsFC東京を、しっかりとスカウティングした・・
・・その結論としてのゲーム戦術コアは・・
・・攻守ハードワークとリスクチャレンジへの姿勢「も」しっかりしているFC東京の外国人3人による、強烈な破壊力のスリートップをいかに抑えるか・・
・・そして、その勢いを抑制したなかから、鋭い蜂の一刺しを見舞う・・
・・そんな粘り強い闘いをしていれば、必ず、チャンスを創りだすことが出来る・・
たぶん、そんな感じだったんでしょ。
そしてパースは、実際に、その強力なスリートップを「寸断」してしまった。
そう、まさに「寸断」。
何せ、彼らの誰かがボールをもっても、パース守備ブロックのクレバーなポジショニングバランスによって、個のドリブル突破だけじゃなく、周りとのコンビネーションもままならないんだから・・。
もちろん東京は、サイドゾーンを崩し、そこから必殺クロスを送り込むというイメージなんだろうけれど、サイドへボールを回しても、そこを強力に抑えられてしまうから、クロスや、そこからのダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションも、ままならないんだよ。
要は、ゲーム全体をとおして、東京スリートップの破壊力が、とてもクレバーに抑制されてしまった・・っちゅうことだね。
そして、そんなクレバーなブロック守備をベースに、たまに繰り出していくパースのカウンターが、徐々に威力を増していくんだ。
それだけじゃなく、高さのある彼らだから、セットプレーも危険。
これは、難しくなるな〜・・
・・なんて思っていたタイミングで、長谷川健太監督が、とても効果的な交替をブチかましたっちゅうわけさ。
そう、後半14分・・
(チト、最前線のフタってな感じに落ち込んでいた!?)アダイウトンに替えて、スピーディーなテクニシャンの小兵、紺野和也をグラウンドに送り込んだんだよ。
その交替が、効いた。
それまで安部柊斗「だけ」だった、スリートップの個の才能をリンクする「接着剤の機能」が、2人に増えたんだよ。
たしかに、個の「爆発ダイナミズム」は、1人削られたけれど・・ネ。
でも逆に、その交替(選手タイプの変更!?)によって、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションに代表される「組織プレー」と、爆発的な「個の勝負プレー」のバランスが、とても、とても良くなったんだ。
そう、それまで「寸断」されていた、最前線の「組織コンビネーション」が甦ったんだ。
そりゃ、そうだよな〜・・
ということで、今シーズンのFC東京が抱える「最重要テーマ」という話題に入るのさ。
それは・・
世界レベルの「爆発ダイナミズム」を秘めた、外国人スリートップを、いかに上手く「使い切るか・・」ってコトだね。
この試合によって、彼らのプレーイメージ内容によっては、人とボールの動きが、無為に「停滞」してしまうかもしれないっちゅう「危険因子」を、まざまざと見せつけられたワケだから。
そのために、安部柊斗や紺野和也といった「接着剤」を、いかにうまく組み込んでいくのか・・
また、そのうちに、永井謙佑もケガから復帰してくるでしょ。
そう、長谷川健太監督は、そんな、才能ある選手たちの「タイプ」によって、いかにFC東京のサッカーを「多様に」進化&深化させていくのか・・というテーマに取り組むっちゅうわけさ。
その意味で、このゲームは、「効果的な学習機会」という視点で、重要だった。
そう、このゲームでのFC東京サッカーは、紺野和也が登場してくるまでは、「個」に偏った、寸詰まりの内容に終始していたわけだから・・。
とにかく、まず何といっても、「人」の動きを活性化させなきゃいけない。
そう・・
攻守ハードワークとリスクチャレンジへの意識と意志が、しっかりと浸透していれば、おのずと、人とボールの動きは、活性化していくでしょ。
そんな「動き」が出てくれば、より「組織と個のバランス」がアップした東京スリートップの破壊力は、天井知らず・・ってなトコロまで上り詰めちゃうかもしれない。
でも、逆に・・
そう、「動き」が停滞したら、個の才能に恵まれている連中だからこそ、局面勝負ばかりに「ご執心」なんていう「体たらくサッカー」に落ち込んじゃう危険性だって大きい。
ということで・・
今日は、そんなコトを考えながら観戦していた筆者だったのであ〜る。
それでも、「それ」ってサ、贅沢な悩みじゃありませんか!?
ねえ・・長谷川さん・・
へへっ・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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