トピックス
- 2020_ACLマリノス&フロンターレ・・サッカーは(究極の!?)意志のボールゲーム・・また、ディエゴ・マラドーナの逝去についても・・(2020年11月26日、木曜日)
- ACLに臨んでいるマリノスと、リーグ優勝を決めたフロンターレ・・
両チームともに、「意志」というテーマと対峙した・・っちゅう視点。
マリノスは、上海上港ディフェンスの強烈な意志・・
フロンターレは、優勝への(また、ガンバ挑発へのリベンジ!?)強烈な意志・・
まず、フロンターレの「意志」というテーマから・・
・・大事なコトは、フロンターレのリーグ優勝を阻めたことだね・・
・・次は直接対決だし、そこで、もう一泡吹かせちゃおう・・
そんな、「ザマ〜〜みろっ!!」的なニュアンスも見え隠れしていた、レッズ戦後の、あるガンバ選手のコメント。
そりゃ、フロンターレ選手たちのやる気(闘志≒闘う意志)が、かき立てられるのも道理。
そして・・
そう、フロンターレの闘う意志が「爆発」し、直接対決で完勝を収めた。
そこじゃ、5ゴールをブチ込んだコトもそうだけれど、「失点ゼロ」っていう成果のコノテーション(言外に含蓄される意味)も特筆だったよね。
要は・・
そう、そこでは、ボールがないところでの意志のプレー(ここでは守備!)の量と質こそが、問われていたんだよ。
ということで・・
意志と意地(!?)が、フロンターレ選手たちの「足」を、自然と動かしつづけた!?
そんな印象も残る、とても忠実で、創造性&想像性にあふれた実効ディフェンスだった。
そして、仕掛けが上手くいかないコトでフラストレーションを溜め、一矢報いようと、勢い込んで攻め上がるガンバの「逆」を取った、目の醒めるようなカウンター。
とにかく、フロンターレの意志ポテンシャルが、とても充実していたコトを言いたかった。
ところで・・
どこで、どのように、その心理的な充実ポテンシャルを活かすべきなのか・・
そのテーマにこそ、フロンターレが継続して進化&深化してきた、戦術パフォーマンスの真骨頂が詰め込まれていたんだよ。
そう・・
彼らは、攻守にわたって、攻守ハードワークとリスクチャレンジを、素晴らしい実効レベルで、探しまくりつづけたんだ。
そして、瞬間、瞬間での「攻守ベストプレーイメージ」を、自らの判断と勇気をもって、忠実に、グラウンド上に投影しつづけた。
「生意気な(!?)ガンバを返り討ちにしてやる・・!」ってな強烈意志の為せるワザ!?
まあ彼らは、そんな「小粒チーム」じゃないだろうけれど・・サ。
とはいっても・・
溜飲を下げたコトだけは確か!?
まあ、とにかく、実際は・・
あくまでも、自分たちの「脳内記憶タンク」に、圧縮して詰め込まれている「ベストプレー・イメージ」を忠実にトレースしていただけ・・ってなコトなんだろうね。
フムフム・・
さて、次に・・
ACLのカタール集中大会で、アジアの強豪、上海上港と対峙したマリノス。
立ち上がりから、何か、変な雰囲気だった。
もちろん、中国代表を揃えている上海上港のディフェンスは、強烈にハードだし、とてもスマートだよね。
また、局面デュエルの内実でも、勝るとも劣らないパフォーマンスを魅せつける。
そして、そんな基本的なチカラに加えて・・
この試合では、マリノスのチカラの源泉である、「人とボールの動き」を封じるコトに対して(まあ、日本のチャンピオンに対して!!)強烈な意志をブチかましつづけたんだ。
チェイス&チェックやカバーリングのダイナミズムは言うまでもなく、ボール絡みのプレーでも、決して「置き去り」にされることがない。
彼らは、マリノスの「人とボールの動き」のメカニズムやリズムについて、高い実効レベルで「イメージ・シェア」しつづけたんだ。
そう、強烈な意志に裏打ちされた、極限の集中力をもってね。
たしかに、ゲーム全体では、マリノスがイニシアチブを握っている。
とはいっても、そのイニシアチブの流れが、いつもの、スマートでスムーズな「人とボールの動き」につながらないんだ。
とにかく、上海上港がブチかましつづける、協力プレスやマーキング、カバーリングといった(ボールがないところでの!!)組織ディフェンスが素晴らしい。
上海上港は、局面デュエルでの「個のチカラ」だけじゃなく、協力プレスやカバーリング、はたまた、最終局面での「最後の半歩ブロックアクション」まで、とても統一された高質ディフェンスを魅せつづけたんだよ。
だからマリノスは・・
ワンツーを積み重ねることで機能させられる、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションも、うまく表現できない。
そして、そのことで、徐々に、マリノスの「足」が止まり気味になってしまうんだ。
そんなだから、タテパスを狙われ、そこでボールを失ってしまうシーンが増えるのも道理。
もちろん短期決戦という意味もあるんだろうけれど、たがいに、リスクを極力抑える「トーナメント・サッカー」を展開していたコトもあるんだろうね。
だからこそ、両チームともに、足許パスのオンパレードになってしまう。
・・「静的」な勝負マッチ・・
・・まあ、引き分けが妥当な線だろうな・・
・・あっ、そうそう・・
・・あの、マリノスGKオビ・パウエル・オビンナのスーパーセーブがなかったら、負けゲームになっていたところだったっけ・・
そんな思いに耽(ふけ)っていたとき、コトが起きた。
後半45分。
左サイドに交替で入った高野遼が、勇気を絞り出すようなドリブル勝負から、絶妙のラストクロスを送り込んだんだ。
えも言われぬ美しいクロス・・
ソレが、ピタリと、仲川輝人のアタマに合った。
強烈なヘディングシュート・・
そして、相手GKが弾いたこぼれ球に、これまた交替出場した天野純が反応し、決勝ゴールをブチ込んだっちゅうわけだ。
それは・・
ゲーム展開からすれば、まさに「唐突」な決勝ゴールではありました。
まあ、「それ」もサッカーだよね。
良かった・・
PS:
「あの」世紀の大天才、ディエゴ・マラドーナが亡くなった。
我々コーチに、彼が大天才であったからこそ、チームの(選手タイプの!?)バランスとか、チーム&ゲーム戦術の発想などで、さまざまな学習(考える)機会を提供してくれた。
わたしも、ドイツへ行くたびに、現場を訪ねたり、サッカーコーチの国際会議などで、友人たちと、そのテーマを語り合ったモノさ。
また、ディエゴ・マラドーナと、何度も直接に対峙したことがあるギド・ブッフヴァルトとは・・
ローター・マテウスのコトも含め、ディエゴに対する「マン・マーキング」について深くディスカッションしたことも、ある。
そんな、ディエゴ・マラドーナ・・
ご冥福をお祈りします。
合掌・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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